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悲しい恋愛  作者: 火華舞
6/12

第6夜

今作は…

いつもはカズ目線のストーリーですが、香澄の目線で読んでみて下さい。

いつもとは少し違った気持ちになれると思います。

あのデートから1週間が過ぎた。

「土曜日も出勤なんて大変やなぁ」

今日は土曜日だけどカズは会社に出勤らしい。

「仕方ないやん、俺の会社って土曜は隔週で休みなだけやもん」

カズは少し、ふくれて言う。

何だか子供が無理矢理に勉強をさせられてる感じに見えた。

『たまに、カズって子供みたいに可愛い時が有るなぁ。』

そう思ってみてると会社の人達が帰り支度を始める。

「まだ12時なってへんやん、帰るん?」

カズは会社の人に声を掛ける。

「うん、帰るよ。」

アッサリと返事をされる。

確かに15分程早いみたいだ。

「んじゃ、俺も帰ろう。」

カズが、こっちを見てニコッと微笑む。

会社を出て駅まで歩いてると

「なぁ、ちょっと梅田に寄れへん?」

「寄る!」

ウチは即答した。カズの会社から梅田は近いので歩いて行くと言うカズの提案で20分程歩いて向かう。

行く途中に人の列が見える。

「カズ〜」

ウチは声を掛ける。

「んっ、どうしたん?」

「あの、並んでんのは何?」

カズは列の方を見て

「アレはロールケーキ買うのに並んでんねん。」

「ふ〜ん…凄い人気やなぁ」

カズはウチの方をチラッと見て、

「堂島ロール言って、人気が有るみたいやで。」

ウチが行列の方を見てると、

「普通より、フワフワなだけやって。」

ウチが気にしているからか、カズは言葉を続けた。

「ふ〜ん」

ウチも気にしてない素振りで返事をする。

「先ずは、百貨店でも見てみよか?」

そう言ってカズは阪神百貨店に入って行く。

カズは人混みでウチと話をする時は、携帯電話で話してる様にしている。

百貨店に入ると目的も無いので下の階から順番に上がって行く。

「こんな服どう?」

「カズ、センス無いわ〜」

「…よく言われる…」

「あの、ゲームやってきて良い?」

「オモチャ屋さんの前で子供に混ざってまで遊びたいん?」

「子供相手でも、本気で勝ちに行くで!」

「おとなげないから、やめとき!」

「…はい」

「何かデートしてるみたいやわぁ」

「何で?デートしてんねんで。」カズが笑顔で言う。

ウチは恥ずかしくなり、思わず下を向く。

「香澄?」

「何もあらへん!」

ウチは恥ずかしさを隠す為にカズの前を飛ぶ。

『何よ、いきなりデートならデートって先に言ってくれたら良いのに…そしたら、もっと可愛い服にするのに!』

「何か…怒ってる?」

「別に何も怒っとらんよ!」

「怒ってるやん…俺は香澄と出掛けたいだけやってんけど…」

カズが肩を落とす。

「ゴメンな、俺は香澄と2人で部屋でゴロゴロすんのも、テレビ見てるのも大好きやで…でも、香澄と2人で出掛けたいねん…香澄の笑顔が見たいねん…」

『ウチはなんて小さい事を気にしてたんやろ…服装なんか気にしても他の人には見えへんのに…』

ウチはカズの横に行く。

「カズ、ゴメンなぁ、そんなつもりじゃ無かったんよ。」

『でも、カズの前やからこそオシャレしたかってんけどなぁ…』

「怒って無いんなら良いけど…」

「大丈夫!ちょっと服が気に要らんかっただけ。」「俺も、そりゃ可愛い服とか着てる方が嬉しいけど香澄が笑ってくれてる方がメッチャ嬉しいで。」

「そりゃ、カズには服のセンスは解らへんもんなぁ」

ウチはカズの顔を見てニコッと笑ってみせた。

「そりゃ確かに!」ウチはカズと顔を見合わす。

「そろそろ帰ろっか?」

そう言ってカズ歩き出す。

「うん!」



今夜もウチは夜空を眺めている。

部屋ではカズが布団で寝息をたてている。

ウチは本当に幸せ者やわ。

カズに逢えたのは本当に偶然やったかも知れんけど、ウチはカズに逢えて…逢えたんがカズで本当に良かった。

ただ…この身体になる前に逢いたかった…

そう思うと涙が溢れた。

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