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ヒロインはどこへゆく?  作者: 瑚ノ果
8/20

それはきっと暑さのせい

そろそろいい季節かと…

 あ゛~つ゛~い~


 本格的に夏に入るにはまだ間があるはずなんだけど、今、めちゃくちゃ暑い…

なんでも10年に1度の異常気象とか。 前世であったなあ、そういうの…

ク~ラ~、せめて扇風機~。 なんで文明の利器がここには無いんだ~!


「アリス、なんやえらい暑そうやね?」

「え、アキ、なんでそんなに平気そうなの…」

「ほら、これ弱冷気の魔道具。この暑さやし、あわてて買うてきてもろたんよ」


え~、そんなのあるの~? でも高いのか。

ん? ははは、文明の利器が無ければ、魔法を使えばいいじゃな~い!


 寮に帰ったら、速攻部屋で軽く氷魔法を使ってみ~る~

 あ~、冷やっこい。 幸せ~


 後は風魔法で空気の循環か?  ガチャッ もわっ バタン。

 頭、まだ茹ってた…。 せっかく冷えてるのに、窓開けて暑い空気入れてどうする…

 

 冷たい空気~? そうだなあ、 氷結っと。

で、風でぐるぐると。 うん、バスルームの氷柱の冷たさが程よく部屋に。いいかんじ~。


うーん、落ち着いてきたら、今後のことについてちょっと考えてみよう。


 まず、端的に金がない。必要なものは支給されるけど、魔法も基礎から応用になってくるとなあ。

光魔法の将来有望株だから、そっちはずいぶん便宜図ってくれてるけど、でも他の属性のも欲しいんだよね。

そっちでもまず有望なんだろうけど… 多属性でそれって、明かすときっと目立つ。

 もう手遅れな気もするけどね…。


 何に必要かって? 魔石とか素材とかに。

 魔石の用途は、媒介や魔力を溜めておくのに。素材は魔石と組み合わせると、魔法を念じれば使える状態に封じた魔道具や、その魔石の属性の魔法を、魔力を流すだけで発動できる補助具が作れる、と。


例えば、扇風機作ったとして、バッテリーまでくっついてるのが魔道具。スイッチ押すと、回り出す。

補助具だと… ミシンで動かす時に足でペダルを踏んどくのってあったけど、そんな感じ。魔力と繋がってる間は動く、と。

ちなみに魔道具でのミシンだと、スイッチ入れたら、あらかじめインプットしてた通りに自動で縫ってったり、刺繍とかしてったり。まあ、チャージしてる魔力がある限りは。


 もっとも魔道具はともかく、補助具は基本的に自分専用。単純な、魔力誘導や水や火を一定量発現させる、といったことならともかく、複雑な効果を得ようとするほど共用は難しい。

 まあ、イメージややり方って、人ごとに違うだろうからね。

 

 魔法の授業で、光属性の補助具<骨や神経もちゃんと治る癒し発動用> は作ってみました~。

材料自体があれば、弱冷気とか、便利生活魔法とか、嘘発見器にもなる脈拍測定器とか作りたい。

 最終的には、モンスターとかいるサバイバルな世界だから、蘇生に近い、欠損破損回復魔法の魔道具を。


 うーん、夏休みのアルバイトとか無いか、アキに聞いてみようかな。治癒とか活かせればいいんだけど、さすがに人間相手は、まだ軽い傷の治癒しかさせてもらえてないのよ。

こっちも勝手にやっちゃうのまだ怖いしね。



コンコン 「なあ、ちょっとええかいな」

 

おや、考えてたらちょうどアキが来た。 「どうぞ~」

「数学で出た宿題なんやけど、って なんや!? 涼しい!?」

あ。 まあ、もう一つぐらい別の属性の持ってる人はよくいるからね。


「うん。私、水の属性もあるから冷やしたの」

「うわ~、ええなあ。これ、うちんとこでもやってえな」

「う~ん…」

「せや、家からジュース届いてんねん。1本どや?」

「よーし、それで手を打ちまーす」


 うん、ジュースって、こっちだと流通の関係上ちょっぴり贅沢品だからね。


「で、念のため、部屋の中に、魔力に反応しそうな物ってある?」

「えーっと、机の周りかいな」

「じゃ、そのあたり避けて~ 氷~ 」 キラキラっと。

「わー、涼しなったわ~。ありがと~。 じゃ、これ。 あ、ついでにこっちも冷やしてってくれん?」


 ここで、ちと魔が差しました。


「冷やすのはいいけど…、ねえ、せっかくだし変わった食べ方しない?」

「え? 飲むんやなしに食べるん? どないするん?」

「うふふふふ。そうねえ。大きな皿かボウル、なければ鍋とかある? それと~ 綺麗なふきん」

「こんなんでええかいな」

「うん。じゃあ~」

 ジュースを氷結。 風刃・回転。 で、ふきんで凍ったジュースを掴んで~


 シャリシャリシャリシャリ……


 かき氷~☆ 夏って言えばコレだよコレ!


「溶ける前に食べるよ!」

「うわ、なんやこんなん初めてや! 冷たいけどスッと溶けて…(はぐはぐ)

!? なんや? キーンて!」

 ああ、お約束。


「美味しかったわ~。ええなこれ。うち、こんなやり方知らなんだけど、アリスはどこで知ったん?」

 ……。 「えーっと、なんとなく?」

「そう? あー、店でこれやったら儲かるやろに、氷結と風刃使えなあかんのか…。うち風しかないしなあ」

 

 おー、儲け話のチャーンス!

 ポンッ。 「ねえ、魔法使えなくてもさっきの出来る方法はあるけど… 知りたい?」

「え、そら知りたいけど…、アリスなんや悪い顔しとるで。 せやな、これなら、ある程度は相談に乗るわ。でも、あんま無茶は言わんといてえな?」

「大丈夫だとは思うけど。うーん、じゃあ、アイデア料としていくらかと、3年間くらい売り上げの1%とか? 現物支給も可」


 まあ、就職したら大丈夫だと思うけど、学生時代はある程度自由に出来る金が欲しい。

「いくらかか。どんくらい欲しいん?」

「うーん、現金もだけど魔石とか素材とかが欲しいのよ。支給されるのだとそれなりだから。

それと、教えるときに、金属の細工とか絡んでくるけど、説明のついでに職人に、個人的に頼んだり、教えてもらったりさせてもらいたい。

 ああっ! そうだ、この氷の他に試したい料理あるからその材料と~、としたら、鍋とか、大きさの違うのいくつか」


「そか。まあ、欲しいだけとはいかんかもしれんけど、教えてもらえるんやったら、現金でも、魔石や素材も取り扱っとるし、要るものは卸値で回そか。

 職人も頼むだけならいけるわ。 で、他の料理て、職人に道具頼まなあかんの?」

「ん? いや、大丈夫だと思う。 必須なのは~ 大きさの違う鍋いくつかと、食材。

できればクリーム用の濃い牛乳と、砂糖。無ければ蜂蜜とか甘みを付けるもの、かな。」

「そんだけでええの? え、一体どんなんが?」

「それは後のお楽しみ~。まあ、実験的なところはあるから、ちゃんと出来上がったら教えるから。

さっきのお話は、その時まとめて。 長引きそうなら氷のだけ先に」


「ほな、速攻材料用意させるわ。 鍋の大きさは~ 牛乳の量は~ 砂糖の量は~」


 分かる人には分かる材料。ヒントは+氷魔法に風魔法。

 魔法使えてよかったー。 待ってろ、アイスクリーム!


こんなかき氷食べたい…

アイスも食べたい…

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