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Re☆vival  作者: リバイバル推進プロジェクト
6/12

千本の槍の雨が降ってきたとしても

目の前に困難が待ち構えていたとしても

諦める、なんてつまらない。

でも我慢して耐えるなんて絶対にイヤ。


如何にして早くやっつけるか、先手必勝の方法を考えて走り抜けるのだ。


それが千本の槍の雨だとしても。

「行かねばならない道に千本の槍の雨が降ってきたら、どうするか」


それは31歳頃の出来事だったと思う。


とあるコンサルタントと当時の上司(そしてありがたいことに現在はメンター)の3人で飲んでいた時に

そのコンサルタントが尋ねた。


曰く、反応にはいくつかのパターンがある。


その1

痛いの?それ、と何も感じないで進む人


その2

痛いけれど、歯を食いしばって進む人


その3

え、無理だし…と諦める人


コンサルタントに

「あなたはその1タイプではないか」

と言われた。


元上司からは

「実はその1に見えて案外そうではない。その2だ」

と言われた。


……。


ああ。なるほど。

人からはそう見えるのか。


まだ話して日の浅いコンサルタントと

日々話している元上司とでは

見え方が違うんだなあ。

面白いなあ。


……。


違う、そんなことを言いたいのではない。


この問答はストレスマネジメントの例え話である。

とても印象深かったので

何年も経った現在でもよく思い出している。


多分私の内面は元上司にしてメンターの言う通り、

その2に近いのだと思う。


世間の平均からしたら相当鈍感だけど、

天然&不思議キャラではない。

当然ドMでもない。


むしろ痛いことや苦しいことは大嫌いだ。

なので、

暗示のように自分に言い聞かせて

その1みたいになるのだと思う。


「ああ見えて実は痛くない。気のせいだ」

「進めばそのうち槍の雨も止んでいる。だから、行こう」


一刻も早くこの状況から抜け出したい、だから動く。

防衛本能の一つだ。



こんなことを考えたのは

以前の生活を思い起こしたからである。


高校生の頃から

私は毎日3種類の日記を付けて

日々の内省を潔癖なまでに繰り返してきた。


それを、実家を出てからはピタリと止めてしまった。


内省をしたら、ストレスが溜まりそうだったからである。


マトモにこの特殊な生活を内省したら

「あの時こうしていれば良かった」

という不毛な積み重ねになりそうだった。


……。


以前学んだカウンセリングの世界では、

クライアントは自分の過去と向き合うべきなんだとか

習った気がする。


でも

少なくとも私はそれ、すごくヤダ。


だって、過去だし。

ドラえもん、いないし。

変えられないし。


代わりに

「大丈夫、大したことではない。次にやることを考えよう」

と暗示のように考えるようになった。


大したことではない、のでどんどん忘れていく。

忘却も防衛本能の一つなんだと思う。


事実、

「結婚生活はどんなものだったのか?」

と聞かれても、鮮やかには思い出せない。

(葬儀の時に聞かれた)


……。


それだけいろいろ忘れてしまったけれど

肌身に染みているものはある。


確実に大人に近づいた、という実感である。


無意識では相当なストレスを受けて

この数年で確実に若々しさを喪った、とも思うけれど


動じなくなった、というプラス面はある。

小さなことでオロオロしなくなった。

(可愛げがなくなった、ともいう)


人間のキレイではない部分も沢山見て

驚きの連続だったけれど、


でもそういう所も含めて

人と関わることは素晴らしい、と思えるようになった。


ちょっとしたサインを見逃さずに

どうすべきかを短時間で冷静に考えて、すぐ動くようになった。

(浅慮ではない、瞬時の判断的なサムシング)


いろいろあっても、悪いことばかりではない。


だから。


人生の先を進む途中で

千本の槍の雨が降ってきたとしても

そこで諦めることは、そもそも考えない。


でもマトモに向き合ったら痛いから

「大したことではない」

「そのうち止むでしょう」

と敢えて楽観視してさっさと抜け出すのだ。



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