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10年の時に  作者: まほろば
ハート国
13/121

討伐の結果



翌日町へ着いた。

アランはその足で冒険者ギルドへ報告に行った。

明日までに今回の報酬の計算をしておくから、僕とロンは明日の夕方ギルドに来るよう言われて頷いた。

自然に僕とロンもギルドの前で別れた。

宿で部屋を確保してからまた屋台に向かった。

もちろん塩の調達だ。

ナビが選んだ塩とサンドイッチや串焼きのストックを買って宿に戻った。

明日は夕方まで時間があるから、薬草の依頼を受けてから森へ行っておむすびの追加を作ろう。

作ってみて、やはりおむすびだけじゃ物足りない。

「ナビ、米の他にも頼めないかな」

米は使った分直ぐ補充されるから心配ない。

主食の心配が無くなると次に欲するのは味噌と醤油。

おむすびに味噌汁。

焼いた肉に醤油。

想像しただけでお腹が鳴った。

『ミソトショウユホカニハ』

「出汁と豆腐とネギ」

『ジョウビシマスカ』

「うん。あとワカメ」

『ショウチシマシタ』

アイテムボックスを見たらもう用意してあった。

火を起こして鍋に豆腐とネギの味噌汁を作っておむすびを頬張りながらふーふーいって飲む。

日本人に産まれて良かったと思う一時だ。

これで風呂があれば文句無いんだけど。

『マホウデ』

「今は無理、風呂は食前と決まってる」

ナビと風呂談義をするつもりはないからゆったり食休みをして町に戻った。


依頼を終わらせに冒険者ギルドへ行くと、もうロンが受付で待っていた。

「トオル遅いよ」

「遅くないよ」

依頼書と薬草をカウンターに置いて確認して貰う。

「薬草の依頼なんかしてたのかよ」

ロンの言い方にムッとして言い返そうとしたら奥から出てきたアランに先を超された。

「ロン、お前もDランクじゃないのか。トオルを笑う前に薬草取りに行け」

「え?だって俺はアランさんとこのパーティーに入るんだから薬草なんか取る必要無いじゃんか」

「俺のパーティーに、じゃない。俺が世話してる新人パーティーに、だ。さてはお前トオルの話も自分の都合で話を作り変えてたな」

アランが咎める視線でロンを見た。

「う…ぅ」

小さくなるロンに構わず受付のお姉さんを促した。

「それでは果ての村の報酬をお渡しします。大金貨で100枚。詳細はこちらです」

細々書かれていて意味不明だった。

「これの半額はボス討伐の報酬だ」

「え?」

思わず見直してる僕に、更にアランは言った。

「そしてランクが上がってトオルはCランクになる」

「えぇー俺も行ったのにトオルだけ上がるのずっ!」

ロンが言い終わる前にアランの拳骨が落ちた。

頭を抱えるロンにアランが淡々と言う。

「お前は村に留守番だったろ。それ以上口から出任せ言うとパーティーにも入れないぞ。口に気を付けろ」

涙目のロンが何度も頷いた。

「俺は明日拠点にしてる街へ戻るがトオルはどおする?この国を回るなら通り道だぞ」

アランはお姉さんが出した地図で拠点にしている街の場所を教えてくれた。

昨日聞いた説明が地図でなおハッキリした。

地図には青い印の街と緑の印の町があった。

「この印の違いは何ですか?」

「街の規模だな」

「規模?」

「この町は世界の果てに近いここだ」

アランが緑の町を指差した。

緑の印の横に(グリーン)と町の名前があった。

次の町は(モスグリーン)とあった。

ハート国の中には青の街が3つ緑の町が7つあった。

「そして俺の拠点の街はここだ」

アランが指したのはモスグリーンの1つ先で(ライト)と書かれた青の街だった。

「ライトまで一緒に行きます」

「決まったな。明日の朝ここに集合だ」

アランは良い依頼があれば受けながら戻ると言う。

これがAクラスだと納得した。

「ロンも良いな」

「おう」

「よろしくお願いします」

改めてアランに挨拶していると、横でロンが報酬の額で受付ともめ始めた。

「トオルは大金貨100枚で、何で俺は1枚何だよ!俺も討伐に行ったんだぞ!」

受付のお姉さんは丁寧にロンに説明していたけど聞かないから、アランに助けを求めてきた。

「ロン。俺に2度も言わせるな。お前は村に留守番だっただろうが」

「留守番だったけど後始末は手伝った!」

うんざりしたアランが、後始末の報酬はギルドマスターに掛け合うと約束した。

「やったぁー」

ロンの返事の良さに笑いながら、ふとロンの妹はどうするのかと疑問に思った。

考えたらロンは1度もアランに妹の話をしてない。

明日になって慌てそうでロンに確かめた。

「ロン、妹はどうするの?この先も知り合いに預かって貰うの?それとも一緒に連れて行くの?その前にアランに妹の話し一言もしてないよね」

「バカっ、しー」

ロンが慌てて口に指を当てた。

「ロン」

睨んでもロンはしーっと繰り返す。

「何だ?」

様子が変なロンと僕を交互に見るアランに、ロンに邪魔されながらロンの妹の話をした。

「何だよっ!明日こっそり連れてくるつもりだったのにっ!トオルのせいでぶち壊しじゃないかっ!」

「そんなのアランを騙す事だよ」

「明日ならアランも仕方無いって連れて行ってくれたのに。トオルのせいで、どうしてくれるんだよっ!」

「黙れ!」

喚くロンにアランが怒鳴った。

ロンがピタリと黙る。

「明日妹を連れてきても結果は同じだ。子供を連れて旅は無理だ。子供は弱い。雨にあたれば風邪を引き熱を出す。居るだけでパーティーに負担がかかる」

「妹の世話は全部俺がするから」

「無理だと言っている」

「お願いだ」

「連れて行ってどうする、今回のお前のように何もしないで村で隠れて報酬だけ貰うのか?」

「そんな事しない」

「戦力外のお前だけでも新人パーティーには負担なんだぞ。そこにただ居るだけで戦力にもならないお前の妹も増えたらどうなる。他人の迷惑も考えろ」

「うっ…」

無理だと分かるとロンが憎らしげに僕を見てきた。

「ロン、恨むのはトオルじゃない。ずるして俺を騙そうとしたお前自身だ。幸い暫く暮らせるだけ討伐の報酬も出る。まず自分のしたことを反省しろ」



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