兄弟
「どうした?」
彼はこちらを向き優しく微笑む、それだけで僕は嬉しくなるが今日は大事な話をしなければならない
ドクドクと脈打つ、心臓はないがそれぐらい緊張が走った
「僕!体が欲しいんです _みたいな体が」
言い切った、彼の言葉を待った その間は僕にはとても長く感じた
そう、僕の願いは人間になることだった
それは勿論彼の手伝いを出来ると思ったから
少しでも、手伝いたかったから そんな些細な事だ
「駄目だ」
はっきりと言われた、そうだよね ごめんなさいと言おうとした時 彼の事をみて言葉なんて出てこなくなった
彼は初めて僕に涙を見せた とても悲しそうな今にも壊れてしまいそうな、そんな表情だった
「_さん!ごめんなさい 僕そういうつもりじゃ」
そうだ、貴方を泣かせる為に言ったんじゃない 少しでも貴方に笑って欲しくて役に立ちたくて そんな言葉は口から出てこなくて泡になって消える
「ごめん」
そう一言だけ言われ、彼は出て行ってしまった
引き止めるなんて僕に資格はなくて、苦しい思いを押し殺し、涙を流した感覚がした
「うわあああぁぁ」
ごめんなさい、ごめんなさい 僕が望まなければこんな事にはならなかったのに
それから、彼はこの部屋に暫く戻ってくることはなかった
多分、弟達の研究が忙しいのだろう
寂しい、寂しい このまま居たら心が壊れそうだ
それから、数ヶ月がたった
開かなかった扉はガチャリと音を立て開いた
扉を開けれる人は一人しかいない
心を躍らせれ、扉へと目をやる
彼の姿を見た瞬間、言葉を失う
目の下にはクマが出来ていて、服はヨレヨレで洗濯していないようだった
僕が数日前に見た時より、はるかに疲れていた
ここまでは、僕も初めてだった
僕の言った事がここまで、酷くなるなんて
本当にごめんなさいごめんなさい
口ではっきりと伝える事は出来ないので、心の中で謝り続ける
彼が運んで来た物は多分兄弟だと思えるガラスに入った 僕とそっくりな光の玉だった
置き終わると、彼は出て行ってしまった
寂しかったが、そんな事言えない
兄弟と話そうとしたが、兄弟は寝ているのか僕が近くにいても何とも言わなかった
僕もしばらくの間眠っていなかったので、眠気が襲って来た
それに抗う事なく僕は目を閉じた




