宮殿にて<※麗華視点>
「お祖母様には、お会いできないのですか?」
宮殿についた麗華は、さっそく黒鵜に問いかけた。
早く祖母に会って、巫女の仕事について教えてもらいたい。麗華には焦りがあった。
恐ろしい妖から自分や周りを救うため、一刻も早く巫女の術を学ばなければならない。
当分の間、宮殿の奥からは出してもらえないので、じっとしているくらいなら、何か役に立つ事をしたいと麗華は思った。
「現巫女様、菫子様は体力を消耗されています。今、お会いする事は難しいかと……」
「だったら、尚更会わせて下さい。心配です」
少し悩んだ末、黒鵜は言った。
「分かりました、今すぐには無理ですが、様子を見て面会できる様に手配しましょう」
少し不満だったが、麗華にはそれ以上踏み込む事ができなかった。
その代わり、麗華は別の質問をした。
「少し気になる事があるのですが、祖母がそのような優れない状態であるということは、都の結界は大丈夫なのでしょうか」
「……ええ」
「本当に?」
「確かに多少弱くなっている様ですが、問題ないでしょう」
「分かりました。私もはやく結界を張れる様にならないとね」
「焦る事はありませんよ。こちらも麗華様にすぐに結界を張り直してもらうつもりはありません、焦らずに仕事を覚えていって下さい」
少し黒鵜が言葉を濁したのが気になったが、確かに、この街では妖の被害は無かった様に思える。
「やっぱり、都は安全なのですね」
「ええ、安全ですとも。麗華様は巫女交代までは、ゆっくりして頂いてかまわないのですよ」
「……分かりました」
麗華は黒鵜の言葉に一応頷いた。
とはいえ、巫女の術を学べないとなると、手持ち無沙汰だ。
麗華はあとで宮殿の表に出てみようと思った。
やはり宮殿の奥でじっとしていることなど出来ない。




