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唾棄すべき偏愛  作者: 平遥


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3/19

無意味な策

彼女が去って、早々に私は策を考えることにした。

しかし、この世に生を受けて17年。意識的に異性との関わりを避けてきた私が一体どうすれば、女性との会話を繰り広げられようか。


「互いに共通の話題である本を持って声をかければよい。」イヤ、待て前提がおかしい。そもそも声がかけられないのだ。


「ならば、彼女の居る会話の輪に入っては如何だろうか。」ふざけるな、女子の会話の輪になぞ入り込める訳がない。


「ならば、いきなり後ろからそっと抱きしめてI love you.と言ってみてはどうだろう。」馬鹿げているを極めている!嫌われるで済めば良い方、最悪、教師の方々にタップリ絞られた後教室からつま弾きにされ、遠い未来にくるであろう『同窓会の便り』が1000年経っても届かない事態が起きる!


「それならばいっそ、黙って向こうから声が掛かるのを待つがよかろう。」と、最高に後ろ向きで阿呆な考えに至ってしまった私は、ふと視線で彼女を探してみることにした。


しかしその目論みは脆く崩れ去る事となる。


「お前は何を怪しく視線を泳がしてんだよ。」

「!?貴様、突然現れて人を驚かすな。そして私のような清廉潔白な人間を捕まえて怪しくとは何だ。失敬な。」

「清廉潔白な人間は休み時間に女子の人だかりをなめ回すように見ねーよ。」

「なめ回してなどない。人探しだ。」


突然現れた彼は私の数少ない友人、岩田氏である。


「つまり、女子の人だかりを見ていたのは否定しないと。」

「む。まぁ、肯定せざるを得ない。」

「ま、どうせお前の事だ、何か教師からの頼まれ事だろ。何なら俺が伝えてやろうか?え?」

「そんな事は……いや、大方、そんなところだ。そして余計な事をしてくれなくても事務連絡ぐらいできる。」


どうやら彼には黙っていても問題無さそうだ。ならば、わざわざ教える必要もあるまい。


「ま、精々早めに伝えろよ。」

「うるさい。さっさとこの場から消え去れ。塩を撒くぞ。」

「そんな人を地縛霊みたいに扱わんでも……。」

岩田氏は、ブツブツ文句を言いながら立ち去って行った。


さて、どうしたものか。唯、待つだけで、あちらから声をかけられる訳がない事くらい私でもわかる。

しかし、本を読んでいるだけで来るとも思えない。ならば、どうするべきか……。



と、思案している間にチャイムが鳴り響いたことにも気づかなかった私は、始業式の日に行われる春休み課題テストの監督にきた教師に「さっさと、準備をしろ!!」と叱責されるのであった。


余談だが、結局そのテストの時間を犠牲にして策を弄したにも関わらず良策の浮かばなかった私が得た物は、沢山の赤く染まったテストと『無意味な策』であった。


過去3話の、中で急に文字数が増えた!

そして、岩田氏が今後どの様に動くのか自分でも

分からないですが……。

岩田氏と『私』の会話は、書いていて楽しいのでどんどん出していきたいですね。

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