表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
唾棄すべき偏愛  作者: 平遥


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/19

無計画な策∽side story of 岩田氏∽

唐突に俺だぜぃ。

いきなり何か?って奴の為に説明しとくと、まぁ簡単に言えば本編の『無計画な策』の時の俺について話しとこうって訳だ。

この話を読めばあの時何で俺が名古屋に居たのかが分かるって寸法だな。

あまり、語ることでもないが聞いてやってくれ。

・・・・・・

6月某日(土)、11:01発の電車に乗るために俺は休日とは思えない早さで起きた。つっても7:00だけど。

正直、ダルい。11:30集合で、11:16に着こうとしているんだから俺はなんて、出来た人間なんだろう。などと呟きながら飯食って、シャワー浴びて、歯磨いて、服変えて、適当にザックリ今日の予定を立てて(ブティック入る、とかスイーツでも食う、位のザックリさだ。)いる間に10:30になっていた。


「っと、そろそろ出るかね。」

・・・・・・

電車に揺られて数分程して名古屋駅に着いた。

階段を上り中央改札口に移動する。

んで、ごちゃごちゃっと行って集合場所に移動して俺の、『俺たちの』目的地への移動中。ナナちゃん人形の前を通った。それはいいんだ、いいんだが何であいつが居るんだよ。


「むぅ、集合時間40分前はさすがに早すぎたか。」


うわー、しかも何か独りで呟いてるし。怖っ!あいつ怖っ!しゃーない、不審者に間違われても可哀想だ。声をかけてやるか。


「よっす!なにやってんだ?」

「人を待っているのだ。誰を待っているのか教えて欲しいか?ん?」


ウザっ!しかも、顔を見りゃ何となく分かるわ!


「イヤ、もうその弛緩しきった顔で分かるからいいわ……。」

「弛緩しきってはいまい、キリっと締まっているだろう。」

「めっちゃ緩んでるっつーの!」


言うと顔をペタペタ触って確認しだした。うん、気持ち悪い。むしろ、おぞましい。なんて、醜いんだ。あ、あれは……


「やぁ、君。おはよう。」

「おはよう。足立さん。」

「ちょ!?どうしたの?その緩んだ顔?朝から何が有ったのさ?」


だから言ったじゃねーか。


「い、いや何でもない。それより、集合時間まではまだ、30分有るのにずいぶん早い到着だなぁ。」


いや、誤魔化し方が雑だろ。


「そう?それでも君に負けてるからね~。30分前行動から1時間前行動に切り替えるべきかな?」

「イヤ、足立っちゃん、その理屈はおかしいから。」


ついに、ツッコむのを我慢できなかった。


「お!岩田君も居たんだね。おはよう。」

「おはよっす。」


イヤ、っていうか気づいてなかったのかよ!それは、酷くねーか、おい。


「さぁ帰れ、岩田。ここから先の予定に貴様は必要ない。」

「え~と、君?その言い方は酷いかな~って。」

「良いのだ、足立さん。岩田にはこれ位でちょうど良い。」

「イヤ、良くねーから……。」


いい加減にしねーと、どつくぞオイ。


「さぁ、家に帰りたまえ。聖水を振りかけるぞ。」

「地縛霊扱いから悪魔扱いかよ……。」


あと、帰らねーよ。約束の時間もあるし立ち去りはするけど。

・・・・・・

ったく。相変わらずあのコンビはツッコみ所の嵐だな。相性も良いしお互い意識してんなら付き合えば良いのに、互いに鈍感なんだよな。

ま、そんなこと教えてやる優しさなんかおれにはねーけど。


「っし、到着到着、と。」


時間は……


「11:25か。中々だな。」


予定より遅くなりはしたけど悪くはないはずだ。


「お待たせ。岩田くん。」


待ち合わせ相手のお出ましだ。紹介しとく必要があるな。こいつは、俺の彼女の川上結菜。高二で同じ高校にかよってる。


「待たせてごめん。正直、デートに5分前に到着とかあり得ないよね。」

「お、おぅ。待ってないけどね。」

「またまた、そんな漫画みたいな事言わなくてもいいんだよ。」


俺の場合事実だけど……黙っとこ。


「何分位前に着いてたの?」

「ん?あ、あぁ。そんなことどーでも良いじゃねーか。な?」

「?まぁ、そうだね。じゃあ、今日はどうする?」

「そうだな。んじゃ、適当にその辺ほっつき歩こうか。」

下手にブティックとか行ってアイツらに会ってもめんどくせーし。少なくとも今朝ザックリ立てた予定で行動すると鉢合わせるだろう。そんな予感がした。そして、こういう時の嫌な予感程よく当たるもんだ。

蛇足と知りながらこの後の行動について語るなら、本当に適当にほっつき歩いて、適当に本屋に入って、適当にカラオケボックスに入って、スガキヤで昼飯食って別れた。これだけだ。

・・・・・・

以上が俺のあの日あの時の行動だ。尻切れトンボだって?そう言うな。なんせ最初に述べたように語る程の事でもないのだから。それにどこかの、相性の良い上に互いに意識してんのに付き合わないコンビの方が見ている価値があるだろ。


所詮、俺はこの場限りの語り手。少なくともこの時点では、これ以上語るべき口を持たない。また機会が有れば読者のみんなの前に来るだろうな。

俺は大人しく脇役、端役の座に戻るわ。んじゃ、また必要とされる時に。



初のside storyですね。


お気づきの点が有れば教えていただけると有りがたく思います。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ