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唾棄すべき偏愛  作者: 平遥


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10/19

非科学的な策

突然だが聡明なる読者の皆さんにお伺いしたい。皆さんは占いやおまじないの、類いは信じるだろうか?自らの人生をそのような物に委ねるなど馬鹿げている。私はそう思っていた。……今朝までは。


『お目覚めテレビ、続いてのコーナーは、お目覚め調査隊!今回のテーマは、おまじない!』

「全く下らない。一体、こんな物の何が人を引き付けるのか。大体、おまじないなど漢字で書くとお呪いではないか。呪いだぞ!人を呪わば穴二つと言う。人を呪って墓穴を二つ掘るがいい!」


しかしながら、次の一言がわたしの耳と目と心をテレビに向けさせた。


『恋愛のおまじないですか?そうですね……』


そのインタビューの女性曰く……

洗髪の際シャンプーを懇意の人の名前の数使うと仲が深まるとか深まらないとか。


「これは実践するしかあるまい!早速朝からシャワーを浴びるとしよう。……しかし待て。私は5回シャンプーをプッシュすべきなのか?それとも2回で良いのか?」


取り敢えず今は、2回で試して今夜3回で試すことにした。


そして、慣れぬ事をした所為もあり、この時点での時刻は7:40であった。


・・・・・・・・

「オッス、お前今日は遅刻寸前だなー。」

「五月蝿い。ところで聞きたいのだが岩田、貴様はおまじないは実行したりするか?」

「は?おまじない?嫌いじゃねーけどな。藁人形に髪の毛入れて釘を「それは、呪いだ!」」

「おまじないも呪いって書くからいーじゃねーか。」


今朝私が言ったことと同じ事を言われてしまった。


「貴様、私の家に盗聴器を仕掛けているだろう。」

「いきなりなんの冤罪だよ!?」

「で?実行するのか?否か?」

「ま、お手軽なのはやるけどな。」

「ほう、ならば洗髪の際、懇意の人の名前の数プッシュして洗うおまじないを知っているだろうか?」

「知るか、んなアホらしいの。」

「そうか、ならばもう何処へなりとも行ってしまえ!さらばだ、我が友。貴様のことは忘れない。」

「なぁ、何か?あれか?お前は俺が嫌いなのか?」


さて、何か言っている岩田氏のことは無視するとして如何にしたものか。

・・・・・・

散々考えた結果、私は別のおまじないを調べるため本屋へ赴いた。


「何故、世の中にはこれ程、呪いの書物が繁茂しているのか!?」


思わず独りごちる。それだけの量の本が存在していた。


「とりあえず目の前のこれでも……。」

「あ、やあ君。」

「!?や、やあ。足立さんではないか。」

「……それ買うの?」

「ん、あぁ。一応そのつも……」


そのつもりだが。と言おうとした直後本のタイトルに気づく。『世界の歴史的まじない百科』(定価2500円)

うむ、欲している物と違う。そして、高い。


「いや、買わない!この様などろどろ黒々ジメジメした物買うわけがない。」

「そ、そうなんだ。そうだよね。何を探してるのかな?」

「おまじないの本を探しているのだ。」

「あ~、藁人形とか「それは、もういい!」」


本日3度目であった。


「じゃあ、消しゴムに好きな異性の名前書いて使う方?」

「うむ、そっちだ。」

「じゃあ、貸してあげよっか?」

「何を?」

「本を。」

「足立さんが?」

「あたしが。」

「私に?」

「君に。」

「貸していただこう。」

「貸してしんぜよう。」

「じゃあ、今渡すから家に付いてきてよ。」


なんと!朝のおまじないの効果は絶大であった。この調子で毎日続けていれば、足立さんと恋仲になり、さらにはそう遠くない未来には同棲することになるだろう。ひいては、庭付き一戸建ての家で一人の息子と一人の娘、更には白い犬を飼い、毎日幸せに暮らし、二人の子供と沢山の孫に看取られて大往生するという私の夢もきっと……!


「お~い、君~大丈夫か~?」

「はっ!すまない、少々考え事をしていた。」

「で、家まで付いてきてくれる?」

「ご同行しよう。」

・・・・・・

「ところで何で急におまじないなんか?」


この質問は、どう答えるべきだろうか。

早速脳内会議に諮る事にした。


「おまじないについて調べて纏め、国語教師に成績の便宜を要求したいと考えているのだ。」―こんな事信じる阿呆がいるものか!


「おまじないと呪いの」―それは、もういいと何度言わせる!


「ならば正直に告白してはどうだろう。意中の異性との関係向上を図っていると。」―そうか。それならばその意中の異性とは?と聞かれて告白すると言う風に持っていくことができる。中々の妙案ではないか。よし、それで行こう。脳内会議終了。全会一致で可決された。


「その理由はだね………………今朝のお目覚めテレビに有るのだ。」

「あぁ。そういえばおまじないを特集してたね。」


何故こうなるのだ!私よ!しかし、これで何とか誤魔化す事が出来た。


「そういえば、何故おまじないの本を所有してるのだ?」

「そりゃ、私も女子だもん。占いやおまじないに興味があるよ。」

「因みにどういった占いやおまじないに興味が有るのか?」

「普通に勉強運とか健康運とか……。あ!あと、恋愛運も。」


何!?恋愛運だと!一体何処の男だ!足立さんをたぶらかしたのは。私の恋路を邪魔しおって。馬に蹴られて死ぬがいい!いや、寧ろ現代風に車に轢かれて死ぬがいい!!それよりも、誰にも迷惑をかけぬように、自分の運転する車で自分の家に突っ込んでささやかな肉片となってしまえ。安心しろ、骨は拾ってやる。勿論、拾った後磨り潰して東西南北に分けてばら蒔くが。


「ええと、大丈夫?着いたよ?」

「おお。ここが足立さんの家か。」


中々の綺麗なアパートであった。


「では、待っているから本を持ってきて頂けないだろうか。」

「来て、渡して、はい、お終いじゃあ、味気無いしさ。上がって行ってよ。お茶くらいなら出すよ。」

「大変魅力的なお誘いだが。時間も時間だ。家の人は……。」

「居ないよ。独り暮らしだし。」

「何と!?それは、知らなかった。」

「だって、先生以外には言ってないし。そういうことだから、さ。一人だと暇なんだよね~。」

「そういうことならお邪魔させて頂こう。」


こうして、私は我が愛しの黒髪の美少女の家へと入った。中でのやり取りは次回に回すとして一先ずこの時点での結論は『非科学的な策』も馬鹿に出来ないと言うことである。


久々の投稿。今度は1週間以内に書けると良いなと……。

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