彼らの日々(デート)
()←この中には心情を書きたいと思います。
「遂に来てしまったか」
尚人はベッドの上でため息をついていた。
決して嫌だった訳じゃない。不安だったのだ。
大好きな愛理とのデートを考えるだけで思考回路がパニックを起こす。
なのでストレス発散程度にため息をついている。
時間は8時20分
俺は部屋でデートに行くときの服を着て下へ降りた。
着替えが終わりキッチンにあるテーブルの椅子に座った。
時間は8時50分だった。
「はい、ご飯」
母の恵子が朝ごはんを出してまたキッチンに戻った。俺が朝飯を食べていると。
「そんなおしゃれしてどこか出掛けるの?」
恵子が聞いてきた。
「あっ?うん。ちょっとね」俺は簡単に言って箸を進めた。
「ごちそうさま」
俺は食器をキッチンに置き二階へあがった。
時間は9時25分。
部屋に戻り、携帯・財布等々を準備した。
「そろそろ行くか」
俺は玄関へ行き靴を履いて 「いってきます」
俺は一言いい、家を出た。
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待ち合わせ場所に着いた。時間は9時45分。
「少し早かったかな?」
そう思いながら待ってると前の方から周りを気にしながら歩いてくるのが見えた。
「愛理!」
「あっ!尚人! おはようございます」
「おはよう」
毎回思う本当愛理は可愛い。
今の俺の中では
愛理=女神
的な感じになっている。美しい本当に美しい。なぜ周りの人々が振り向かないのかが不思議なくらいだ。
とか思っている場合ではなく、まず謝罪を
「ごめん」
「???なにがです?」
愛理は俺が謝ったことにビックリしていた。
「いや、普通デートって男がルートだとかを決めるだろ?
だけど俺、無計画で来てしまったんだよね。
本当ごめん!」
俺は愛理に陳謝した。
だが愛理は
「えぇ、大丈夫です。お互いに初めてだったら仕方ありませんよ」
と一言、優しい言葉をかけてくれた。
「ありがとう」
「いいえ、では行きましょう!」
愛理は俺の手を引っ張って走り出した。
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走り出して10分後人通りの多い通りに出た。
「そんなに走って大丈夫か?愛理」
俺は愛理の体の事もあり楽しさを押し殺して聞いた。
すると彼女はムスッ!とした顔で。
「尚人は私を甘く見すぎです!この通り私は元気ですよ!」
愛理はその場で俺にジャンプして見せた。
「わかったよ、でも調子がすぐれなくなったら早めに言えよ」
(せっかくの尚人とのデートですし言いたくないな)「んっ?なにかいったか?」
「いえ!何にも!
わかりました!なにかあったら直ぐ言います」
愛理は素直に快諾してくれた。
まぁ
その前に言った言葉も気になるが
気にしない方向で。
「じゃあまず あっちに行ってみるか!」
「尚人」
「ん?どうした?」
愛理はモジモジしながら 「あの!せっかくのデートですし手を繋ぎませんか?」
愛理は顔を赤く染めて言ってくれた。もちろんここは。
「あぁ、良いよ」
そう言いながら愛理の方へ手を差し出した。
愛理は少し戸惑ったが
ゆっくり、そして確実に俺の手を握った。
愛理の手は少し冷たくそして柔らかかった。
俺達は手を繋ぎながら行く宛も決めずに歩き始めた。