第8話 アサギ スグルという男 2
スグルにブーツを買い与えた後、私達は武器屋に向かった。
「スグルはどんな得物を使うんだ?」
「うーん、武道を習っていたとかそういうことはないからな~。魔法が使えるようになったし、べつに何もいらないんじゃない?」
「ふ~ん、朝に起き出してあんなことをしていたのにか?」
「げっ。み、見てたのか?」
「シルフが教えてくれたのだ。君が起き出して何かしようとしているよ、ってな。実際注意を払っていたら、武踏をしだしたので驚いたよ」
・・・・・・あの動きは、相手を想定した本格的な動きのそれだった。
スグルの話を聞く限りは、平和な国だったそうだが・・・スグルは何か隠しているのか?それとも、彼が話していたこととは嘘なのか・・・?
「いやさ、正直言って恥ずかしい話なんだけどさ。俺って臆病なんだよね」
そう嘯く彼の横顔は、本当に恥ずかしそうにしていて・・・。
「そんで、どこかで絡まれたり、襲われたりした時に抵抗も出来ずに終わるのはいやだな、ってさ思って・・・・うまく言えないけど。
・・・・・・俺の国は平和だから、そうそう何かの事件に巻き込まれることがあるわけなんかないだろうけど、何か備えをしたくて自分で鍛えてたんだ、昔。
で、朝していたのは鈍らないように身体を動かしていただけなんだけど・・・。」
そう、言い訳がましく言う彼がおかしくて笑ってしまった。
「やっぱ変だよね~俺。」
「・・・いや、いいんじゃないのか、モンスターがいるこの世界ではそれは役に立つだろうし。」
・・・・実際のところ、少し歪んでいるとは思う。でも、きっと私のほうがもっと歪んでいると思うから、ここでは何も言わない。
そんな話をしているうちに武器屋に着く。
店内に入るとスグルは断言した。
「男なら黙って刀を選ぶ」
一瞬納得しかけるほどの妙な説得力があった。
ずんずんと刀剣コーナーに向かう彼を見て、私は思った。
(―――スグルはすごいやつだが、変なやつだな)
その考えがおかしくて、私は笑いをかみ殺しながら、お目当ての弓を探すために店員に声をかけた。
私はスグルと出会ってから笑ってばかりいるな・・・・・・。
どーも《すずかぜ らいた》です。
・・・ひっぱった割にたいした事書けなかった(汗)
もっといろいろと言及しようかな?と思って書き出した今回の話。ミスったっす。
でも失敗は成功の素といいますし、あまり気にしない方向でお願いします。
さてさて、お気に入り登録をして下さった方に感謝をささげつつ。
では、ごゆるりと