第14話 告白
少し修正。
俺は自室まで戻り、この世の理不尽に嘆いた。
「しくしく・・・ひ、酷過ぎる」
最終的に、メリッサを捨てた男で、現在記憶喪失の振りをしてリアに寄生しているヒモ野郎、ということで落ち着いた。
―――どこをどう取り違えたらそんな事になるんだっ!!
異世界に飛ばされた時の定番ともいえる記憶喪失の振りは仕方がない。
その場を凌ぐ時に持ち出したのだが、ティナが記憶喪失の振りをしてリアを騙しているんじゃないかと言い出し、結局あの暴論に行き着いた。
記憶喪失のくだりは後でリアと話を合わせなきゃまずいと思いつつ、リアの部屋の様子を覗うも、食堂で解散したした後もリア達は部屋から出てこなかった。
やわらかい枕に顔を埋めて考える。
―――メリッサはいったい何者なんだろう?
スグルは基本的に占いというものを信じていない。相手の身に付けている物、様子、年齢などから推測し、助言する事は訓練すれば可能だと思う。しかし、それだって何かしらの質問をしたり、メリッサの言った通り、デモンストレーションは必要だろう。お金を取る様子もなく、ただ、声をかけただけ。
そして、リアと既知だったこと。このことから、占い師を装ってリアの傍にいた不審者(この場合はスグル自身)の人となりを窺ったと考えられる。
・・・・・その割には大した会話をしてなかった気もするが・・・。
それと、声をかけた時に――――あなた面白い彩をしているのね――――と言っていた事も気にかかる。相手を見定める為に占い師の振りをするならば、もっとそれらしい声のかけ方があったのではないだろうか?
分からない。
あの様子から、偶然を装っていたものの、リアと会うつもりだった事は明白なんだけど・・・。
・・・・・考えてもしょうがないか。
夕暮れ時の部屋で、枕に再び顔を埋めようとした時、扉を叩く音がした。
「・・・スグル、今ちょっといいか?」
・・・ノックの主はリアだった。
+++ +++ +++ +++
なぜかリアの部屋に招待された。
「・・・・。」
「・・・・。」
―――き、気まずい。
何か用事が在ったんじゃないのか?
用意してあった様子の紅茶を勧めたきり、口を開かないリアに焦って口を開いた。
「ええと、今日も良い天気だな~」
「・・・星も見えないほど曇ってるが」
「そ、そうすっか」
「・・・・ふふっ」
―――良かった、笑ってくれた。
笑ってくれたリアに安心して口を開く。
「・・・何か俺に用があったんじゃないの?何か言いたいことがあるなら、ズバッと言った方がリアらしいよ。」
「・・・そうか、今の私は私らしくないか」
「・・・うん」
リアは、もう一度「そうか」と言うと、深呼吸をしてこちらに目を合わせてきた。
「スグルは、自分の世界に帰りたくないのか?」
―――そのことか・・・。
来るべき時が来たかという複雑な気持ちと、奇妙にホッとしたものが入り混じった不思議な気分がした。
リアはこれまでもその話題に触れるそぶりは見せてきた。しかし、その度にこちらに踏み入るのを躊躇するように口を閉ざしてきた。このタイミングでこの話題に触れてきたのはメリッサさんが関ってるのかな・・・。
「君は自分の世界に遣り残した事がないように見える。・・・まるで今ここにいる事が当然で、君の居た地球にはなんの心残りもないみたいだ。」
「いや、なんの心残りもないって事はないけど。こっちの世界は居心地もいいし、このままでもいいかなって。
・・・・こっちにはリアもいるしね」
「そ、そうなのか?いや・・きみは、・・・君はそれでもいいかもしれないだろうが、君にも家族が居るだろう?心配してるんじゃないのか?」
―――言いにくい事に突っ込んできたな~。
慌てふためくリアに多少のうれしさを感じながら思う。
・・・なるべくリアを傷つけないように言わなきゃな。
「あー俺、小さい時に親2人とも死んじゃってるんだよね~」
「えっ!」
「い、いやさ。10年前の事なんだけど、交通事故で2人ともなくなったんだけど・・・ええと、俺はその時の事さっぱり覚えてないんだよね。俺は大丈夫。だから、あんまり気にしないで・・・」
スグルの必死さが伝わったのか、リアは謝罪の言葉を口にすることなく、ポツリと言った。
「・・・私と同じだな」
「え・・・」
今度はスグルが驚く番だった。
「―――去年の事だ。私が暮していた森。セルトの森に一人の男が現れた。黒い仮面、黒いマント、全身黒尽くめのその男は、森に火を放ち、森のエルフを虐殺し始めた」
「それは・・・」
突然の告白に動揺するスグルに構わず、リアは続けた。
「男の狙いは森に祭られていた“時の宝珠”だった。最初から森の住人を滅ぼすつもりだったのだと思う。私も森の深部にある神殿のアーティファクトがなければ、殺されていただろう」
「“時の宝珠”。それはどんな物なの?」
「森の長が継承する宝だ。私の父が今代の管理者だった。“時の宝珠”にどのような効果があったのか、成人もしていない未熟者の私は知らされていなかった」
「・・・さっき私と同じって言っていたけど、その、リアの両親はその時に?」
「ああ、緊急時に連絡を取る場所があるんだが、いつまで経ってもそこには連絡がこなかったよ」
「そっか・・・・。」
リアの顔は暗く沈んでいて、掛ける言葉がなかった。
―――俺と同じだなんてとんでもない。心の傷は簡単に癒えるものではない。
しかし、話はそれだけではなかった。
「・・・私は仮面の男に復讐するつもりだ。」
リアが、琥珀の瞳に映すのは復讐の炎だけだった。
やっほー《すずかぜ らいた》です。
かなりたくさんの人が読んで下さってくれる昨今。
不況なんか目じゃね―やな感じでがんばらせていただきます!!
しかしながら、実は今後の展開でいろいろ悩んでいたりいなかったり。
いやー、グラフで読んで下さる人数が判り易く載っているのはありがたいのですが、人数が増えるとプレッシャーもも3倍!!良くわからないけどそんな感じです。
いえ、皆さんがお暇なときにしょうがないから見てやるかーてな感じで読んで下さっているのは不肖すずかぜ、十二分に理解してます。
しかし、実験感覚でいろいろ書いてみるのはそろそろ止めないとまずいのでは?と愚考している次第です。
まとまりのない文章ですみません。
それでは、ごゆるりと




