第9話 読める、読めるぞ!!
わずかに修正。
「其の手に掴めるは闇、闇手っ、 リア!」
オーガの巨体に漆黒の影が忍び寄り、その身体を束縛したっ!
「まかせろ」
リアの手元から放たれた矢がオーガの額に命中する!
しかし、倒れ伏したオーガのうしろから更に大きなオーガが、
ゴブリンの腕らしきものをしゃぶりながら出てきた。
「あれれ?」
「はあ」
現在モンスターハントのクエスト中。
どのような経緯でこのようなことになったかと言うと・・・。
+++ +++ +++ +++
「えっ!!登録にはゴブリン2体を倒さなきゃだめなのか?」
「はい。詳細をご説明してもよろしいでしょうか?」
「あ、はい。よろしくおねがいします」
現在、リアの勧めにしたがい、冒険者ギルドで登録をしようと思ったのだが。どうやら、登録にも実力の証明が必要らしい。
「ギルドの冒険者枠の規定により単独でのゴブリン2体の撃破が必要です。撃破の証明にはゴブリンの破壊部位を持参して下さい。なお、このクエストには時間制限はありません。何かご質問はございますか?」
「いえ、だいじょうぶです。」
「そうですか、それでは御武運を」
武運なんぞ一切願っていないであろう無表情を貫いた受付のお姉さんから、破壊部位の詳細について書かれた本を受け取ると、冒険者でにぎわうギルドを後にした。
「終わったか?」
ギルドの建物の前で待っていた。リアが声をかけてきた。
「いや、ゴブリン2体の単独撃破が必要だってさ~」
「ああ、そうだったな。私がギルドに入った時は、ずいぶん昔だから忘れていたよ。それにしてもゴブリンか・・・・この辺りだと南の山辺りに住んでいたと思う」
「おーし、とっとと行きますか!」
「待つんだ、ここはひとまず宿を取って、情報を集めてからにしよう」
「いやいや待ってられないでしょ!!」
ダッシュ。
「あっ、こら待てっ・・。」
後ろで声がしたが無視。
+++ +++ +++ +++
「だから情報集めをしろって言ったんだ!!」
オーガの振り上げる棍棒をよけながら叫ぶリア。
「いやー、ゴブリンをむしゃむしゃ食べるって、グロいな~オーガ」
なんて余裕をかましながら、俺もサイドステップでよけようとしたら、・・・・間に合わないっ!
「スグルッ!!」
ゴンッと鈍い音がして・・・。
へぇー、オーガも目を丸くするのか。
受け止めた棍棒から手を離すと、腰から抜いた2本のフォースダガーでオーガの首を刈り取った。
戦闘が終わり、戦闘の証明になるオーガの破壊部位を回収しようとすると、
「こらっ、肝を冷やしたぞ。もう」
リアが頭を小突いてきた。
ちょっと涙目になっているリアに怒られても怖くなかったが、申し訳なくなって話題をそらした。
「ごめんごめん、それにしてもこのナイフ切れ味抜群だよなぁ」
我ながら不自然だったかもしれない。
「・・・そのフォースダガーは、君のエクシードに反応して切れ味を増すからな、あれだけのことができたんだ。当然それに比例して切れ味も増すはずだろう」
ちょっと言葉の端々にとげを感じるなぁ。
武器屋で結局、俺は刀を買うことが出来なかった。
俺の気に入る刀がなかった上に高かったのだ。五百万ユンロ。
ユンロはお金の名称のことだが、五百万ユンロで4人家族の一般家庭が4年ほど遊んで暮らせる。
高い!高すぎる!!金貨五百枚だと!?足元見過ぎだろっ!
命を預ける道具に対してケチるつもりはないが、気に入らない上にリアの懐具合に相談して断念した。
そんなわけで、
俺は、防刃グローブと、このダガー。リアは弦無しの弓を買った。
リアによると、弦のところには自分の髪の毛を数本まとめたものを張るそうだ。
柔らかそうなリアの髪は、機会があれば触ってみたいものである。
ギルドに戻ってきた俺は、袋に入れた破壊部位を提出した。
「・・・確認しました。ギルドカードを発行させていただきます。ギルド使用上の注意を説明します。
まず、ギルドメンバーはランク付けされています。ランクはS~Fの段階があり、その中で、プラス評価、マイナス評価がございます。例えば、最高ランクですと“S++”また、マイナスがつく場合は“B--”などに評価されます。ほかにも詳細な情報がギルドカードに記載されます。ギルドカードを紛失された場合は必ず届け出て下さい。20ユンロで再発行が可能です。
ギルドでは、クエストを発行してます。ランクによって受けられるクエストには、制限がかかります。クエストには、民間からよせられたものから、国家規模に及ぶものまで多岐に及びます。なお、掲示板に載せられたクエストは優先順位が高いものが載せられます。参考にして下さい。
クエスト外でのモンスターの討伐で破壊部位を持参して下さい。多くの場合が結晶化した水涙晶ですが、換金が出来ます。
ギルド内での喧嘩はご法度です。外でやって下さい。
最後に、ギルドは禁煙です。何かご質問ありますか?」
く、口の挟む隙がないッス。
「あーあのう、“しづく”ってなんですか?」
「モンスターの涙とも魔力とも言われていますが、詳細は謎です。ギルドではこれの利用法を所持しているため、然る大きさ、純度、種類に応じたユンロで引き取っています。他に何かご質問はありますか?」
心なしか無表情の顔に、もうしてくんじゃねえぞって書いてある気がする・・・・・・。
「ご質問は?」
「あ、ありませんっす。」
「そうですか、御武運を」
決り文句と共にオーガの分の報奨金と銀色のカードをもらった。そこで、書いてある言葉が日本語だと言うことに気がついた。
しかし、
「ど~でもいっか」
・・・・・便利でいいや、ぐらいにしか思わなかった。
全く、お気楽である。
今の私はこんばんわ、《すずかぜ らいた》です。
話の長さがまとまりませんねぇ。
っていうか、こんな後書きの代わりの失敗書きを読んでいる人はいるのでしょうか?
この疑問に答えて下さる方、感想お待ちしております。
さて、じたばたと足掻いてきましたが、進まない話に業を煮やしている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
作者もその一人でございます。
・・・広く寛大な心で読んで下さると感無量です。
では、ごゆるりと