15
人型兵器で戦う世界。
地球合同軍の敵、月国の月面軍の人型兵器の基本的な武装は、人型兵器用90ミリ短機関銃(実体弾使用)である。奇襲攻撃を主な戦術とする彼らにとって、取り回ししやすく、発射サイクルも早いサブマシンガンタイプの銃器があっていたのであろう。
月面軍の量産機にビーム兵器を装備した機体が見当たらないのは、コストの面と言われているが、実はビーム兵器関連の特許の83パーセントは地球合同軍に「電動マッサージ機から戦艦まで」売っているスターム社が取得していた。
今大戦の前に「下着からミサイルまで」作っている月の企業ルナテック社がスターム社に特許使用を打診してきたことがある。地球と月の戦争を予期していたのかスターム社は、法外な使用料を提示した、とか。
スターム社の技術者で創業者、アンソニー・スターム社長は少年時代、やっとできたカノジョが月に引っ越してしまい音信不通になってしまった。2週間後、SNSで月面のフォトスポット「アポロ着陸跡地(星条旗はあらたに立てた)」で見知らぬ男の子とツーショットのカノジョの写真を見た。
このことが、特許使用を許可しなかった理由とも・・・
「新型機のパイロット」
地球合同軍側の隊長機である005改が、
「残りは1機だろ」
3機撃破+それを見て赤い機体が逃亡で1+スコルピオンXのビームで1=5
ナナミは、
「計算できないと思われた!それより2機じゃキスじゃん・・・」
人形兵器同士の近距離での会話に使う赤外線通信でまた、
「新型機」
005改の男性パイロットが、
「まわりをよく見ろ。隠れられるところはない」
建物という建物は破壊されていた。
ナナミは、見つけた。
「アレなんです?白い卵みたいなの」
「カプセルじゃないの」
005カノン(キャノンとなまらない)の乗員は女性で、
「敵の大気圏降下カプセル」
「新兵なもので・・・」
ナナミは、
「なぜ、カプセルがここに?」
「地上に着く前に溶けるのよ、普通」
「敵機はカプセルの中!」
ナナミが気づいたときには、カプセルに閉じ込められた敵が撃ってきた.
90ミリの実体弾が偶然か005カノンの右腕に当たり、203型人型兵器用自動小銃を落とした。
「キスかよ!」
ナナミは、特殊な樹脂でできているらしい降下カプセルごしに撃ってくる大量量産機モブをビーム兵器で破壊した。
戦闘が終わったころ宇宙巡洋艦アレックスコードが着陸して、
「ナナミくーん」
Fカップのマルチナが駆けてきた。
地球合同軍の女性用の隊服の色はネイビーブルー(赤やピンクではない!)だが、スカートはかなり短めだった。
「マルチナさん。ゴメン。2機しか倒せなかった」
そう言うナナミに一つ年上のマルチナは、
「ナナミ君はよくやったわ」
「そう・・・じゃあ2点だから約束通りキス」
「しかたないなあ」
「ほっぺかよ!」
「文句ある?」