21/50
29
人型兵器で戦う世界。
地球合同軍のアリゾナ基地でスコルピオンX、ネバダ基地でジェットグライダー、ここスターム社のシズオカ工場で「X2」と書いたコンテナ・・・
「X2って中身バレバレじゃないですか」
敵に奪われたくないらしいコンテナの積み込みを手伝っているスコルピオンXのコクピットからナナミが、
「3つで合体ですか?」
「ノーコメント」
人型兵器部門の技術主任であるミス・テンプルトンが、
「情報解禁前だから」
宇宙巡洋艦アレックスコード内のカフェ。
事実上、パイロットのナナミがコックみたいになっている。
今は『準備中』の札を下げて、一仕事終えたナナミが、自分で入れたアイスコーヒーを飲んでいた。
(夕飯も食わずに出港か・・・)
月面軍の狙いが新造艦であるアレックスコードであることは、明白である。
ドアが開いた。
「17時8分に出発するので本日は営業しません」
と、ナナミが言った。
「ナナミ君・・・」
ナナミの理想のカノジョと言ってもいい、マルチナだった。
「今までどこ行ってたの?」
という少年の問いに、一つ上の女性兵士が、
「ブリッジ。あなたに悲しいお知らせがあるの。あたし艦を下りるの」
「えっ!なんで?」
「このままあなたといると、一線を越えて、あたし汚れヒロインになっちゃいそうだから」




