表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/23

12話

短めです。

 レオンハルトside



「カバンを見つけてくださり、ありがとうございました」


 またあいつに捕まった。今回はリックに用があったらしく、俺は立ち去ろうとしたのだが、なぜか離してもらえない。


「きっとレオンハルト様も、カバンを見つけるのに協力してくれたんですよね?ありがとうございます!」


「俺は何もしてない。それから名前で呼ぶな」


「それで、リック様とレオンハルト様にお礼がしたいんです」


 俺が言ったことは無視か。


「来週の日曜日、一緒に出かけませんか?」


「断る」



 その日は、ジェシカの誕生日だ。


「どうしてですか?!」


「どうしてって…」


「わたしのこと見て、なんとも思わないんですか?」


 そういえば、ジェシカも似たようなことを聞いてきたな。


「なんとも思わん」


「僕も」


 リックも不思議そうな顔をしながら答える。


「なんでよ………。あ、レオンハルト様!お父様との関係に悩んでますよね?私、相談にのりますよ」



 ―――どうしてこいつが、俺の過去を知っている?



「………なんのことだ?」


「隠さなくてもいいんですよ。困ってることは、人に相談するのが1番です!」


「父親との関係は良好だ」


「そっか。リック様の前では話しにくいですよね。失礼しました」


 こいつ、やっぱりおかしい。


「…いい加減にしろ」


 その後はグダグダと、ジェシカの悪口を言い続けていたが、なんとか振り切った。






「それで、父親とは本当のところどうなの?」


 リックには隠さず話すことにする。


「5年くらい前までは良いとは言えなかったが、いまは問題ない」


「ふーん。じゃあむしろ、そのことを知ってるエミリー・バンドルが異常なんだね」


「あぁ。本来なら知り得ないことだ」



 他にも、話している中でなにか違和感が…。


「そうだ」


「どうしたの?」


「この間、ジェシカの誕生日に出かけようと誘ったんだが、そのときに、なぜか俺に予定があるようなことを言われたんだ」


「そういえば、来週の日曜日はジェシカの誕生日だから、その次の日に学校でお祝いするって、アンナが楽しそうに話してたよ」


「もしかしてジェシカは、俺があいつに誘われることを知っていたのか?」


 しかも、ジェシカの言い方だと、ジェシカとのデートではなくて、エミリー・バンドルの方をとると確信しているようだった。


「ジェシカも何か知っているかもしれないな」


 そうは言ったものの、ジェシカに直接聞く自信は、俺にはなかった。



お読みいただきありがとうございました!

もしよろしければ、評価・ブックマークなどをしていただけると嬉しいです(*^^*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ