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星和隊  作者: 颯華
2/2

二話

「よし、今日から準備するぞ!出発は明後日だ。賢、今日からは遊べないぞ?」


ウィルが言うと、賢はふてくされた顔をして


「わかっとるわ。東京奪還してからのお楽しみに残しとくわ。祭りは。」


「おう!そうだな。じゃあ、解散。武器の確認と自分の隊の確認をしとけよ?」


そして、各自自分の隊の寮に戻っていった。


ーーーー賢の隊ーーーー


賢の隊は計500人。剣を使った近接戦闘用の部隊だ。剣といっても切るだけじゃあWAPには効かない。3年前に開発された全世界の動物に耐性のない毒だ。世界の動物に耐性がないためどの動物と遺伝子組み換えしても耐性ができいないのだ。その毒はWAPの致死量が0.000001グラムという驚異的な数字なのだ。人間はもっと少ない量で死んでしまうのでこの剣は扱いなれている賢の隊のみ扱いが許可されている。


ーーーーウィリの隊ーーーー


ウィリの隊は50人のみだ。指揮するだけなので数は少ないがWAPと武器なしで1対1でたたかえるほどの精鋭部隊である。隊長のウィリは、素手で1対1で戦い、WAPの心臓と頭をつぶし、星和隊最強と言われている。ちなみにカリーナは部隊を持たずこの隊の副隊長を務めている。


ーーーーナルとアーニーの隊ーーーー


ナルとアーニーは合同隊である。合計1200人で最大の隊だ。主武装は、レーザー銃だ。レーザー光線を高出力、高密度ではなつことで高熱を発し武器として利用され始めたのが七年前。WAPのプラナリアの再生力も高温で焼き切られた後その高温で表面を焦がすと有効打のなることが分かったので、この武器が一番利用されている武器だ。


ーーーー承憲の隊ーーーー


承憲の隊は300人。狙撃銃を使った後方支援型の隊だ。弾をスタン弾と炸裂弾を使っている。弾の基本は10年より前に作られていたがそれを強化したものだ。スタン弾は人間が当たると感電死するほどの威力を持ち、炸裂弾は炸裂した後、中に入っている毒が体の内部から溶かしていくというものだ。プラナリアの再生力があるといっても穴をふさいで溶けたところを再生するのは時間がかかる。ベースは人間なので心臓や脳をつぶすと再生しきるまで動けないのだ。それまでの間に近接型の賢の隊がとどめを刺すという戦法を取っている。


そして、すべての隊員に、自爆用のレーザー型手榴弾を持たしている。万が一隊の人たちを見失いWAPに囲まれ殺されそうなときはその手榴弾を使って、道ずれにするというためのものだ。本当はもう一人幹部がいたのだが、そいつはもうこの手榴弾を使って死んでしまっている。名前は、ウェンディという女性だった。この手榴弾は、爆発するとき半径50メーターにレーザーを乱れ撃ちをして爆発するというものだ。


今まで、説明したものが星和隊の全貌だ。最初はたった7人で始めた。星和隊。3年前に今の幹部たちで作ったちっちゃな集まりだった。それが、色々な宣伝や実績を残したことで、今の2100人(50人は斥候隊)という世界でも有数の反抗軍となっている。





そして、名古屋奪還へと出発する2日後の朝。星和隊は大阪の人々に見送られていた。神谷にばれたくなかったので隠れてやっていたつもりが筒抜けだったらしい。どこで知ったか聞くと


「一昨日、いつもの掛け声してたから大事なことあるのかなぁって思って、賢兄ちゃんに聞いたら教えてくれたよ〜?」


どうも、賢が口を滑らしたらしい。まあいい。今日から行動に移すからどうせばれるだろう。


「「「「「「星和隊のみんな、頑張ってね!!」」」」」」


大阪の住民たちに声援を送られ、幹部6人はいや、星和隊全員は、絶対に負けないと心に誓ったのだった。


そして、出発してから次の日、星和隊は名古屋についたのだった。


「じゃあ、みないつも通りだ。少し予定よりWAPが多いようだが想定内。絶対に勝つぞ!」


「「「「「「「おおっ!!」」」」」」」


そして、星和隊は攻撃を開始した。いつものように順調に各所のWAPの拠点を奪い、名古屋もほぼ奪い返せたと思われたその時、


「「うわぁぁぁぁっっっ……」」


いつもは、ほとんど聞こえない悲鳴。今回は珍しく集団の悲鳴が聞こえてきた。すると、賢の隊から緊急連絡が届いた。


「報告です!WAPの上位個体と思われる個体が現れました。数は100体ほどの少数ですが、一人一人が、異常なほど強くなっております……その上位個体に海上隊は半数まで減り、後退の許可をと。」


今まで、崩壊も10人以上かけたこともなかった海上隊。半数まで減るとは何があったのだろう。ひとまず


「海上隊は一時後退。下がって、追いかけてきたら、ナル・アーニー隊と協力して囲んで殲滅!」


「ははっ!」


「いや、やはり俺が連絡する。代わりにお前は、カリーナに上位個体の特徴を言って対策を立てろ。」


「ははっ!」


そして、後ろの拠点に下がっていった。ウィリは眼鏡を取り出した。幹部用メガネ型無線機だ。眼鏡のレンズに文字が出たり、声でも話せるすぐれものだ。


「賢!、一時後退。追いかけてきたら、ナルたちと囲んで殲滅しろ!」


「おう!だが、気を付けてくれ。どうも嫌な予感がする。ウィリは他の奴らに連絡も取ってみてくれ。」


賢が真剣な感じで言ってきた。こういう時の賢の勘はよく当たるのだ。


「ああ、わかった。そっちも気をつけろよ。」


そして、賢の隊は一時撤退。WAPの上位個体といえどその場の状況判断はできないようで追いかけてきて数の差で殲滅した。そして、殲滅した瞬間、賢の勘が当たったかのようにあることが起きた。


ーーズドォォォォォン……ーー


隕石が落ちてきたのかとでもいうほどの爆音が聞こえてきた。すると


「ウィリ、ウィリ!大型だ!」


大型。今は死んでしまったもう一人の幹部ウェンディが命を賭し撃退した個体。大きさは20メートルほどの大きさで、ウェンディが自爆をして下半身がなくなり飛んで逃げて行った上位個体だった。


「ウィリ、俺が行く。あとはよろしくな。」


賢が言った。


「賢、まて。俺があの時にあいつが死んでしまって対策を立てないとでも思ったか?」


「あるのか?何か。」


「ああ、一旦全隊。後退しろ。巻き込まれないようにな。本隊は、大型太陽光レーザーの用意を!!」


大型太陽光レーザー。半径5メーターの太陽光を圧縮した単純な広範囲殲滅用武器だ。ウィリはそれを改造し大型攻撃用にしたのだ。


「あいつの敵、とらせてもらう。」


そして、レーザーを大型に向けて


「つくりはWAPと同じはずだ。縦に切って心臓も脳も潰してやれ!撃て!!」


レーザーが発射された。すると、ウィリの予想通りに縦半分に切れ、再生もしてこなかったのだ。星和隊は過去を乗り越えたのだ。


「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」


戦場から大歓声が上がった。もうそこからは圧倒的だった。レーザーで生き残っていた上位個体も一緒に消えてしまったようで、通常のWAPだけだったら勝ち戦なのだ。もう、大型を倒してから1時間ほどで海上隊から、名古屋制圧の連絡がきたのだった。

そしてその勢いのまま次の日には、静岡まで制圧したのだった。大型も出てこなかったし新型の上位個体は出てきたが、対処方法はわかっていればすぐに倒せる相手だった。上位個体といっても、動きなどの速さは通常と同じで人間の技術も持っていて初めて相手が防具を付けただけだった。防具を付けるという知性が出てきているところは少し脅威となったのだが。


そして、静岡制圧から2日後、一度体制を整えるために名古屋まで戻り、大阪の拠点に食料や武器の予備などを取りに行ってもらい、予定通り今から10日後、大阪を出発してから2週間後に東京に攻め込むことが決まったのだ。賢に10日も時間あるし祭りやっていいぞと言ったとき、はしゃいでいて空気も軽くなり精神的にも余裕をもって東京奪還作戦前夜を迎えた。


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