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言霊を雲に乗せて  作者: まきなる
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第1話

 その人は僕に近寄ってきて、顔を確かめるようにその目を動かしていた。僕はその顔に心当たりがあった。知っていた人物だったけれど、僕は一つ質問をした。

「君は、誰なんだ」

 相手の反応を見るとその人は少し驚いたような顔で、僕のことを見る。でもすぐに、いたずらっぽい笑みを浮かべて答えた。

「エリムよね?もしかして私のこと忘れちゃった?」

 やはりそうなのか、彼女は。僕も少しいたずらっぽい笑みを浮かべてから答えた。

「覚えているよ、ニュア」

 彼女は少し安堵していたようだ。でも、少し酷かもしれないが、聞く必要があることがあった。詰まりそうになりながら続ける。

「君が死んで以来だから…4年ぶりかな」

 彼女は真剣な、そして少し暗い顔で僕の問いに回答する。

「うん、そうか、もうそんなに経ってたんだ。ねぇ、詳しい話は後でしない?あなたとゆっくり話がしたいんだ」

 僕はもしかしたら今、人ならざる者と話しているのかもしれない。それとも頭がおかしくなったのかな。すでに亡くなったはずのニュアが隣にいるなんて、本当に何が起きているのかさっぱりわからない。でも今は、彼女とココアでも飲みながら色々と話したい。あれ、ココアは家になかったかな。まぁいいか、今は家に足を向かわせることを考えよう。僕は後ろを振り返らずに、自分の家に足を進めた。これが幻覚なら、家に着くころにはもう消えていると信じて。



 僕の家は出会った場所からは本当にすぐに着いた。何でもない、ただのボロアパートだ。彼女に悟られないように、部屋の明かりをつけた後、再度彼女の姿を確認した。幻覚ではなかったみたいだ。間違いない、ニュアだ。あの頃の、かなり昔だな。その時よりは大人びている気がしているけど、ニュア本人ということは理解できる。

「とりあえずさ、シャワー浴びて湯船にゆっくり使ってきなよ。話はそれから」

 彼女はすぐに話をするつもりだったのか、一瞬キョトンとしていた。そして、自分の姿に気づいて言葉を並べた。

「あ、そうだね。わかった。じゃあちょっとシャワー借りるね。場所はどこ?」

 僕は彼女の手を取り、シャワー室に案内した。淡々と説明をこなす。

「バスタオルは洗濯機上の棚に積んである。着換えは入ってる間に何か用意しておくよ。あと何か気になることはある?」

「ううん。ないかな。ありがとう」

 そう言って彼女はシャワー室に向かった。彼女の後姿を見る。すると、今まで気づいていなかったものが見えたような気がした。何か青い色のものが肩についていたのだ。疲れてるんだ。きっとそう。見なかった振りをして、僕は冷めきってしまっていたカプチーノを流しながら考えていた。

高鳴っていた心臓が落ち着いてきたことにより、様々な思いや考えが僕の中で渦巻く。死んだはずの彼女が生きている。本当に訳が分からない。ついに頭がおかしくなったと思うほどだ。さっきも言ったが目の前にいるのは紛れもないニュア、その人だったんだ。

 

 よくわからないものへの恐怖が込み上げてきた。それと同時に、ありとあらゆる疑問は神経回路が焼き切れそうなほど流れていた。どうしてニュアがここにいるんだ?もしかしたら、僕は今さっき死んでしまって死後の世界にいるのか?それともこの人は僕の知らないニュアの双子の姉妹とかなのか?意味不明な答えも混じっていた。だからなのか、それとも急に頭に意識を使いすぎたためか、僕の体はまるで金縛りにあったかのようにしばらく動かなかった。それが何だったのか、もう僕にはわからない。


 どうにかなってしまいそうだった。その間でも、彼女がシャワーを浴びている音が聞こえていた。思い出したように僕は着換えになりそうなものを脱衣所に置き、キッチンに向かう。ココアがないか探したが、やはり切らしてしまっていたようだ。仕方なく、コスパが良くていつも買っている紅茶を淹れることにした。心が体に現れることはよくあることだが、今の僕の感情は紅茶を淹れるその手に強く表れて…手の震えが止まらない。頭を振り、気持ちをリセットしつつお湯をティーポットに注ぎ、数々の疑問は彼女と話してから考えよう。そう自分に言い聞かせていた。これが精一杯だ。


「あ、いい匂い、これは…レモンティーかな」

 急に話しかけられたこともあり、僕は思わず身構えた。気は抜くべきじゃない。まだ、ニュアと決まったわけじゃない。

「そうだよ、よくわかったね。お気に入りでさ、いつも買ってるものにレモンを浮かべたんだ。ホットのままでいい?」

「うん、ありがとね」

 急にお礼を言われたが、僕は心当たりがなかった。

「どうしたの?」

「いつもエリムは私とお茶を飲むときは、レモンティーに合わせてくれてたよね。だから、その気持ち」

 僕は、一瞬ハッとした顔をしただろう。そういえばそうだった。ニュアはコーヒーも紅茶もそのままは飲めない人だった。ほんの少しでも何か加えないとダメなんだ。少し懐かしい気持ちになり、僕は頬を緩める。そんな僕を見て彼女は言う。

「なんで、笑ってるん?何かついてる?」

 彼女のつい出た言葉に僕の心は少し軽くなっていた。その聞き方は、僕の覚えにあったから。君の「笑ってる?」の聞き方はいつもこうだった。何故かその聞き方だけは、耳に強く残っていたんだよ。

「いや、何もついてないよ。お礼を言うのは僕の方だ。君のおかげでレモンティーが好きになったんだからね」

僕がキッチンに戻ろうとした時、彼女の方向から生きている証が聞こえた。彼女は顔を真っ赤し、照れながら言う。

「…聞こえちゃった?」

 微笑みかけながらそれに応えるように、いたずらっぽく答えた。

「よく聞こえなかったけど、朝ご飯にしようか」

 ニュアの顔はリンゴみたいに赤くなっていた。



「私が知らない間に、料理もできるようになってたんだ」

 机の上には昨日の夕方から卵液を漬けていたこともあり、少し照っているフレンチトーストと、ちょっとしたサラダを並べていた。これぐらいのことで料理ができると言われるのは意外だったが、それでも彼女からしたら立派な料理だったのだろう。でも、僕は特に取り繕わなかった。

「まぁ、朝はこれくらいは作れるよ。他はあんまりだね」

「ほんとに?じゃあ期待していいんだね」

 その顔と返答で、僕は笑いが含んだため息をついた。大方考えていたことは彼女にはバレているのだろう。僕は観念してレモンティーを口に含んだ。

 食べながら、僕は彼女を注視していた。彼女の生死の証明というわけではなく、ただただ彼女の口に合うものなのか気になったんだ。食べている間、ニュアの首がたまに上下に揺れているのがわかる。彼女の癖の一つだ。一応、気になったので聞いてみた。

「どうかな?これは僕の好みに合わせて焼いているんだけど」

 彼女は一旦食べるのをやめ、口を拭いてから僕の質問に答えようとしているみたいだ。所作の一つ一つが綺麗なのは、彼女が厳しく躾けられてきた証なんだと、いつしか考えるようになっていた。綺麗なのもさながらだが、実はこの行為が彼女の欠点でもあることは他人はおろか、彼女自身でも気づいていない。

「うん。美味しいよ。カフェみたいだ」

「そうか、それならよかった。甘さはちょっと控えたつもりだったから、心配だったんだ」

「大丈夫、とてもおいししい」

 彼女がはちみつの壺を指差すと、そこに先ほど見えた蝶のようなものが止まった。彼女自身も驚いているようだったが、後で説明するよと、答えただけだった。


 皿を洗い終え、あらためて彼女と向かい合うと彼女はテーブルの上に一つの糸電話を持ってきていた。この部屋に飾ってあったものを持ってきたのだろう。僕たちにとって、僕たちが僕たちでいることのできた大切な代物だ。ニュアの手はゆっくりを糸を撫で、全体を一通り観察するとと口を開いた。

「残してあったなんて、もうとっくに捨ててしまっていると思っていた。嬉しい。でも、これは…」

 詰まりながらも彼女は続けて答えた。

「これは、あなたを苦しめてきた。そういう代物、違う?」

 答えることができなかった。その通りだからだ。僕はどうしてもこれを捨てることができなかった。それが過去の自分を、ニュアといた時間を否定することにつながってしまうのではないのか。それが怖くて捨てられなかった。

「意地悪な質問しちゃった。でも、答えてないことはそういうことなんでしょう?」

「そうだよ、この4年間君を忘れたことは無かった」

 彼女の顔は険しくなり、そして全てを見透かす、いや、僕がそう感じているかもしれない目で言葉を続けた。

「話すよ、私のことを。何があったのか、今どんな状況なのか、私には話す義務がある」

「うん、少しずつでいい。君の言葉は信じれる」

「君らしいところは変わらないか。うん、ありがとう」

 レモンティーの湯気はまだその体を揺らしていた。


 4年前、彼女は確かに死んだ。よくある交通事故だった。朝まで酒を飲んでいた犯人が飲酒運転をし、その日たまたま寝坊して慌てて登校していた彼女をはねたのだ。治療は施しようのないほぼ即死で、学校側からその連絡が来た日はどうやって過ごしたのか、今でも覚えてはいない。それから僕が大体1年は引き籠ってしまったことも、きっと不思議なことじゃない。けれど、ニュアは目の前にいる。僕は彼女の言葉を一切聞き漏らさぬように、静かに聞いていた。

「あの日ね、私は確かに死んだって思ったんだ。でもその時に何か光るものが見えて、意識もほとんど飛んでたんだけど何だろうって掴んだんだ。そうしたら、ここに居たんだよ。不思議だったよ。訳の分からない衝撃が体に当たったと思ったら、少し目線が高くなって髪も伸びた自分が居たんだ」

 レモンティーが彼女の中に流し込まれていく。その様子も見ていたかったけど、一息ついた後の彼女は説明を続けた。

「少しふらふらしているとね、肩にこの子が飛んでいるのに気づいたんだ。私は縹の蝶って呼んでるんだけど、この子がね私と一緒にしばらく歩いているとさ、あるところへ飛んで行ってそこから動かなくなったんだ。私はそこで、ただ待ってた。よくわからなかったけど待ってた。すると、しばらくしたら君が現れたんだ」

 怖いな。いくら何でもおかしすぎるだろう。彼女は嘘をついているのだろうか。そんな雰囲気は無い。嘘はつかない。いや、ついていない。彼女はそういう人だ。じゃあこの話を全て肯定したとして、わからない点は何だろうか。

「ニュア、君が掴んだ光るものは何?」

 彼女は胸の中から小さな欠片を取りだしてテーブルの上に置いた。それはピンク色と黄色が混在したような石だった。半分ほどは綺麗な局面を描いており、一部はわざとらしく欠けたような形状をしている。僕が手で触れようとすると、それを否定するように彼女の手が遮った。

「待って。これについてもだけど、先に説明しておくことがあるんだ」

 なんだろう、まぁいいか。伸ばした手で代わりにコップを手に取ることにした。

「これは、心の欠片。これをすべて集めることが私がここに残れる条件なんだ。それと、この情報は私が縹の蝶に気づいて触れた時、これについてともう一つのあるものについての説明が頭の中に流れたんだ」

「縹の蝶って?」

 指を出し、その先に蝶が止まる。

「この子のこと。私が名前を付けた。何か名前は必要でしょ?」

 説明している彼女は何かに取憑かれているみたいだ。ここまで流暢に、説明をこなすなんて君らしくない。でも、この不自然さが心地いな。自分がどうしようもない奴だと再認識していた。

「もう一つ、壇の憎悪というものについて説明するね」

 あまりに聞きなれていない言葉に変に反応してしまった。

「え、な、何?壇の憎悪?」

 彼女の頬が緩んだと思ったら、また説明をし始めた。

「えっとね、壇の憎悪って言うのは化け物なの。この心の欠片を狙っている怨念のようなものらしいんだ。そして、この欠片をその化け物に奪われないように集めないといけないんだ」

「なんだかゲームみたいだね。楽しくはなさそうだけど」

 彼女は挑発的な笑顔でその石を撫でていた。僕はその様子を見ながら、最低なことに気づいてしまった。

「ニュア、楽しんでるね?」

「バレちゃった?私はね、これはきっと神様が投げた賽なんだと思っているんだ。楽しくないわけない」

 賽は既に投げられてしまっているのか、始まってしまったならやるしかないか。君のためなら、破滅だろうが、幸福だろうがとことん付き合ってやろうと腹をくくった。

「壇の憎悪については他に何かわかる?」

「これ以上はわからないんだ」

「そうか、わかった。これ触っていい?」

「うん、遮っちゃってごめんね」

 僕は改めて心の欠片に触れた。とても軽く、触れると温かい、ほのかに熱を浴びているような様子だ。確かに、不思議な力が入っていそうだが、叩き割ったらどうなるのだろうかと、そんなことを考えていた。すると、いつの間にか僕の手の甲に縹の蝶が止まっていた。そんなことはしないよと心の中で思いながら、欠片をテーブルの上に戻した。


 もう、この話はいいかな。ただ純粋に彼女と話がしたくなった。そう思っていたが会話の糸口を見つけるのに苦労していた。すると、先に彼女の方から口を開いた。

「何年ぶりだったかな」

頭の中で思案する。大体4年かな。もうそんなに経っていたのか。君がいなくなって。何年振りかわかった。けれど、僕は素直にそれに答えたくない。

「最後に会った記憶はずっと遠くな気がする。でも、昨日ぶりにも感じられる」

彼女は少しむせながら笑い、僕にこう言った。

「変わってないね、そうゆうとこ。その答え方がよく話すきっかけになったんだっけ」

そうだ。あの時も話しかけてきたのは彼女の方からだった。懐かしいな。君への記憶が鮮明に思い出せる。今度は自分の気持ちを素直に言う。

「そうだね。ずっと蓋をしていて思い出していなかったんだ。さっき君と会ってから蓋が外れかけたのかな。…あ」

 自分のミスに気付いたがもう遅い。

「僕、再会したとき何年振りか言ってたよね…」

「あ…」

 二人で笑いあった。こんなやり取りも随分久しぶりだ。たわいもない話は暖房器具がいらないほど、体の芯から心までを温めていてくれた。もう、こんな時間を手放したくない。けれど、二日ほどまともに睡眠をとっていなかった僕の体はもうとっくに限界を迎えていた。いくらこの再会が心躍るものだったとしてもどうにも体は正直なんだとそんなことに感心していた。

「ごめん、ニュア。ちょっと眠たくなってきた。今日はレポートで徹夜だったんだ。ちょっと寝るから、ゆっくりくつろいでいて」

彼女は微笑みながら、こう言った。

「わかった。おやすみ、エリム」

僕はまどろみの中で、彼女の顔を見た。どこか悲しそうな顔だったのを覚えている。

そして、次に目が覚めた時、彼女は家にいなかった。


 時計を見ると時刻は昼過ぎだった。ニュアがいないことに気づくのはそう遅くなかったが、なぜか焦燥感は無く夢を見ていた気分だ。心のどこかではこれは明晰夢と思っていたのだろう。

『疲れてたのかな。不思議な夢を見たもんだ』

 そう、ニュアはもういない。僕は自分が弱っていること、疲れていることを理解せざるを得なかった。でもしばらくして、夢は夢ではなかったことに気が付いた。僕とニュアが昔遊んだ糸電話の位置が変わっていたのだ。今でも大切にしている代物を見間違うことは無い。さらに、朝食べた食器類は洗った後があり、そばには一枚のメモが置いてあった。

『エリムへ、冷蔵庫の中に食材が無かったので買いに行ってきます。驚かせちゃったらごめんね。昼過ぎには帰ってきます。』

 手紙を読み終わると、視界がゆっくりぼやけてきた。手元のメモが濡れていくのが分かる。理解した。夢じゃない。もう、感情が、衝動に近い何かが抑えきれない。しずくが僕の手に落ちると、自然に言葉が出てきた。

「ありがとう。でも、でもほんとに昔から何にも変わってないな、そういうところ」

鏡を見たらきっと僕の顔は人には見せられない様になっているだろう。けれども、この瞬間はそれをふき取る気なんて全く起きなかった。


 しばらくしてニュアは帰ってきた。けれども、何か不満げな顔を浮かべ僕に聞いてきた。

「コンビニしかわからなかったから行ってきたけど、野菜すごく高いよ。全然買えなかった。しかも、レジ袋も有料になったんだね」

「おかえり、じゃあ何買ってきたの?」

彼女はレジ袋を開け、その中身を僕に見せた。その中に僕が絶対に食べなかったトマトが入っていたことに少し動揺した。ニュア自身も食べるのを嫌っていたはず。そんな会話をしたのは覚えている。最近になって食べれるようになったのは誰にも教えていない。ましてや、今朝再会したばかりの彼女が知る由もなかった。レジ袋を受け取った僕はそれをそのまま冷蔵庫に入れ、不思議そうな顔をしている彼女に向き合った。

「ニュア、これは晩御飯にしてさ、外で食べに行こう。僕の知り合いの人にさ、ここ周辺の伝承とかいろんなことに詳しい人がいるんだ。君に少し変わったこの街の案内もしておくべきだと思うしね」

 彼女は否定することも、何故かを問うこともなくただ頷いてくれた。安堵し、早速準備をし始めた。準備といっても簡素なものだが、何もしないのはいけない。そして、考えていた。彼女のことについてあの人にも相談するべきか否かだ。あまりにニュアに置ける状況は特殊過ぎる。下手に人に知られるのも良くは無い。まぁ、9割9分普通の人は信じないはずだが。

「すぐに行くの?」

「あぁ、ランチタイムが終わらないうちに行かないと」

食べて寝ただけなのにおなかがすいている。僕たちはすぐに喫茶キャットブックに向かった。喫茶に向かっている間でも、相変わらず彼女の肩付近には縹の蝶が飛んでいる。本当にこの蝶はただの蝶には思えない。新種だったら観察してこんど論文でもまとめてみようか。そんなことを考えながら蝶を見ていると、それに気づいたのかニュアが口を開いた。

「ほんとにこの蝶は何を見ているのだろう。」

彼女の言葉の意味することは僕には理解できなかった。けど何か応答は必要だ。

「不思議な表現をするんだね。でも、確かに不思議な蝶だと思う。もしかしたら、魔法とか使えたりして。」

彼女は何も答えずにただ――

 喫茶キャットブックの姿はもうとっくに見えていた。


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