砂漠のど真ん中で詰むかもしれない
どもども。
「ルカ様、朝です。起きて下さい」
ルカはアーネスにベッドの上で揺さぶられる。
「もう、そんな時間…だけど」
ルカは二度寝の体勢にはいる。
「なりません!これから国王様にご挨拶に向かわせるよう言われているので!」
アーネスは必死にルカを起こした。
とりあえずアーネスには自分の周りの世話役と言う名目を与え、出会った日から数日が経っていた。
アーネスは真面目に世話をしてくれいる。
ちなみに…それ以上の関係は決してない。
相変わらず取っ替え引っ替え有名な治癒師やら医者やら他にもインチキそうな呪い師とか占い師とかがルカに会いに来て治療してみたがいっこうに記憶が戻ることは無かった。
戻ったら今の人格は…。
アーネスに起こされ寝ぼけながらルカは歯を磨く。
準備された物に着替え部屋を出てエト王の待ついつもの場所に入る。
「よく来たルカよ」
「父、エト王の為ならいつでも」
「やはり、記憶は戻らぬか?」
「申し訳ありません。今の所はまったく」
「そうか。色々と考えた結果、記憶が戻らぬとは言えお前は時期国王になるのは変わりない。しかし今のままでは周りが納得しないのも確か」
「はい…」
「よってお前は今後、王たる資質を周りの者達に示す必要がある」
「はい。とは言えどうすれば?」
ルカに嫌な予感がした。
「これよりお前に兵を貸し出す。その兵をもって1つの国を落としてくる事を命ずる」
「村や町ではなく…国をですか?」
「そうだ。それを成すまではこのミュゼールへの入国を禁止する!許せルカよ!私は虎となりお前を谷底に突き落とす事にした!」
「……!!」
ルカ、絶句!
可愛子には旅をさせろとは言うがコレは旅どころの話ではない。
国滅ぼして来いって戦争に行くようなもの。
エト王の顔を見るルカ。
冗談で言っている様には見えない。
兵を貸してくれると言っているし、それなら何とかなるかもしれない。
「わかりました!必ずやらエト王の名に恥じない成果を上げて見せます」
「期待しておるぞ。我が息子よ」
ルカは自分の部屋のベッドに倒れ込んだ。
「ルカ様?」
アーネスの呼びかけに全く反応しないルカ。
ルカは今後の事を考え、知恵熱を出した。
国の落とし方とか攻め方なんて知らない。
まず何から始めたらいい?
そもそもどこに向かえば?
ルカ、プチパニック中。
「ルカ様!いつまでそうしているのですか!準備が整いましたので早速出発しましょう!」
「なんでアーネスも準備してるの?」
「世話係である私も当然、ルカ様に着いていくに決まっているじゃないですか!」
非力そうな美女を戦場に連れ出したとしてもろくな事が無いに決まっているのでここに残るよう説得したが全く聞いてはくれなかった。
「だから!コレから出かけるとこはとても危険だしアーネスに何かあれば俺が困るからここに残ってくれないか?」
「嫌です」
「そこを何とか!頼む!」
「お断りします!」
やっぱりダメでした。
「ここにいてもまた何処かに連れ出されてしまうに決まってます…それならどんな危険があろうともルカ様の側に私はいたいと」
「…危なくなったらすぐ逃げる事。それが連れてく条件だけどよろしいですか!」
「はい!」
アーネスもついて来る事になった。
「それでは出発しましょ!」
何故か元気なアーネスさん。
ピクニックと何かを勘違いしてませんか?
城壁を出るそこには見た事のある顔が。
「お待ちしておりました!ルカ様!」
「お久しぶりです。バハ副騎士長…ではなく騎士長でしたね。バハ騎士長がなんでここに??」
「私の名前を覚えていてくれたのですか…」
「命の恩人ですから当然では?」
バハの目から涙が溢れた。
「どうかいたしましたか!?」
「いえ!お見苦しい所をみせてしまい失礼しました!」
「いえ…」
ルカをここに連れてきた近衛騎士団グラン隊元副騎士長、バハ・ロマヌがいた。
「私に力を貸してくれる兵とはバハ騎士長でしたか!とても心強いです」
「微力ではありますがグラン騎士長の後を引き継ぎ尽力させていただきます!」
「宜しくお願いします」
騎士長他兵の数は約10000。
「こう言ったことは初めてで何の知識も無いのですが私は何を?」
「作戦や指揮は我々騎士等にお任せ下さい。ルカ様は兵達を鼓舞し高らかと開戦の宣言をしていただけたらそれだけ宜しいかと」
「わかりました!それでどこに向かうのですか?」
「それでは向かいましょうか、砂漠の中で発展を遂げたオアシス国へ」
以外と簡単なんだなとルカは思うがそれは大間違いだった。
「ルカ様お逃げ下さい!」
「アーネス!逃げろ!」
10000もの兵が今やなんと50未満になった現在ルカは再び命の危機に陥った。
最初は順調に進軍していた。
そして砂漠に入り遠くに見える砂漠都市オアシス目掛けて突き進むが一向に辿りつかない。
馬は砂に脚を取られ思うように歩いてくれず、暑さを防ぐものがないので大量の汗が垂れ、その分準備していた水も徐々に減っていく。
夜は昼間とは真逆で凍えるような寒さとなり震えで満足に睡眠を取ることも出来ずルカはまだ寝床がある分マシだがそれでも多くの兵と共に疲労が蓄積していった。
それからさらに歩き続け砂漠に入り5日目の事だった。
突然、地面の砂が崩れていった。
「な、なんだー!?」
「ルカ様お気をつけ下さい!蟻地獄です」
「こっちにも!」
「あっちにも!そっちにもいるぞ!」
蟻地獄、聞いた事があるようなフレーズ。
周りにボコボコと凹みが現れその底には黒い何かが潜んでいた。
「バハ騎士長!これからどうすれば!?」
返事はなかった。
「バハ騎士長!!」
返事はなかった。
「まさか!バハ騎士長はこの穴に!?」
ルカ焦る。
もう国攻めなんて言っている場合じゃない。
今はこの場から脱出するのが先決!
「アーネス!」
「はい!ここに!」
アーネスが無事で安心したルカは次の瞬間文字通りどん底に突き落とされる。
ドンッ
「え?」
誰かがルカを背後から穴に向けて突き落としたのだ。
後ろを振り返りながら穴の中に落ちていくルカ。
その時みた自分を突き落とした相手は見覚えのある相手。
バハ騎士長だった。
その時のバハ騎士長の顔はとても怒りに満ちていた。
ルカの目の前の映像がゆっくりと流れる。
これが走馬灯か。
手脚を無くし、金も無くして、それでも何とか生き延びたと言うのに訳もわからず裏切られた自分。
美人に世話された数字だけでも生き延びた価値があったと思うべきかとふと笑う。
「ルカ様!!」
アーネスがルカを助けようと飛び込んで来るのがみえた。
「なんできたの!!逃げる約束したよね!!」
「どんな罰でも受けますから」
「罰とかいまそれどころじゃないんだけど!」
ルカは意外と冷静だった。
城に連れてこられたルカの日常はただダラダラ過ごす毎日ではなかった。
真っ先に取り組んだのは得体の知れない力の正体と条件の把握。
何が必要で何が可能なのか、その為には自分は何をすべきなのかを調べ尽くしたのだ。
「とりあえずこの場から逃げないと」
「どうやってですか??」
「アーネスにだけだよ。この事は秘密にしてね」
ルカはそう叫びポケットに手を突っ込んだ。
ただただぼんやり三連休の2日目を過ごしてます。
嘘つきな猫です。
働くのってもっと楽しいかと思ったらそうでもない現実に打ちのめされそうですが何とか頑張って行きたいです!
ブックマ、評価、感想お待ちしてます!




