理不尽で不公平で最悪な世界
ルドベキアを構えた。
この男を止めなければこの先には進めない。
出来るだけ迅速に仕留める。
…決して殺してはならない。
全力で打ち込む。
「…ッ!」
私の全力の一振ははそれ相応の力を持って打ち消された。
吹き飛ぶだろうと思いはしたが、展開は最悪だ。
そして一振で私は理解した。
明らかにただものでは無い。
いくら人間とはいえ、魔族である、ましてやその魔族を総べる王の私の全力を受け止めたのだ。
普通じゃありえない。
それほどの力を持っている。
「どうした…っ魔王ッ!こちとら妹救うためにやってんだ!愛国心もクソもないさ!!」
剣は振り払われた。
鎧兜越しでも分かる程の怒り、憎しみ。
「絶対に殺すッ!」
間合いが近い。
素早い下からの切り上げ。
軽く後ろに飛んで避ける。
情けをかければかけるほど倒せなくなる。
殺せなくなる。
…もしかしたら私は彼を殺さなければいけないのだ。
力でねじ伏せる。
今することはそれだけ。
ねじ伏せるためなら殺しも考えうるもの。
私は…私はいつまでも最善の択を目指せない。
感情、それが私の邪魔をする。
滑り止めではあるそれが私にはいらなかった。
なければ悪魔のようだったかもしれない。
あるからこその動きだ。
私は感情があるから我儘を通す。
できるだけ救うという。
「はアァッ!」
心臓を狙って連撃。
実力は私の方が上のようだ。
彼は攻撃を受けるので精一杯に見える。
「がっ…っぐ…。」
私の剣撃を受け大きく後ろに下がる。
「…そうだ。私ならお前を救えるかもしれない。お前の妹もだ。ッ人王に仕えるのは嫌なのだろう!?」
「あぁ!嫌さ!誰があんなんに仕えるもんか!…でもな…無理なんだよ。」
「何故だッ!?何故私ではダメなんだ!?私はお前を本当に救ってやりたいんだぞ!?」
私ではダメな理由なんてあるはずがない。
この人間が人王の事をしっかりと分かっているのなら私を選んでもいいはずだ…!
「俺だって出来ることならそうしたいさッ!いいさ、聞かせてやるよ。人王の言葉をな。『私の元へ魔王に堕ちず帰ってこい。首も取ってこい。でなければ妹は放置する。等価交換だ。』だとよ。理不尽だよなぁ。クソだよなぁあの王様はよ。なぁ、あんたもそう言われたらさ、殺すしかねぇだろ?」
「…ッ。」
返す言葉もない。
彼もまたあの人王の被害者だった。
私にできることは一つだけ。
その妹を救うだけ。
妹を救うために兄である彼を殺す。
あくまでも私の望む世界が先だ。
「お前の妹は救ってやる。だが私の為に死んでくれ。」
「結局はあんたもクソだな!…光魔法…準備開始。」
人間が構え始める。
「身体強化…ハッ!」
迷わず胴体を狙う。
鎧を身につけてはいるが魔法で強化した私の力ならば問題は無いだろう。
「光よ…俺を守れッ!」
彼の周りに光の守護防壁が展開される。
「大人しく喰らえ…ッ!ジャッチメントッ!」
魔法陣が空に展開される。
光の魔法だ。
それと同時に柱状の光が降り注ぐ。
当たれば怪我ではすまないだろう。
「フローズンシールドッ!」
こちらも魔法を使う。、
彼と同じような氷の守護防壁を展開する。
後ろは守れないが正面と上からの攻撃はある程度凌げる。
「魔法も出来んのか…クソッ。」
魔法陣が消えたのを瞬時に確認、氷の防壁を砕いて目くらましに使う。
「ぐっ!洒落臭いッ!」
氷は相手の防壁で弾かれるがもちろんそれと同時に攻撃する程私も甘くない。
砕いた瞬間に高速移動して後ろに回る。
魔法の光は闇と互いに相殺し合う性質にある。
私は闇をぶつければいい。
「ブラッティリング。」
後ろからの奇襲。
大きい円状の闇のチャクラムを作り出し投げつける。
単純ではあるがこれで防壁はある程度崩れるはず。
「後ろは読めてんだよっ!光よッ!」
防壁に穴が空いたと同時に光魔法を打ち込んでくる。
「…。」
寸前で回避をする。
…この攻撃のチャンス、逃す訳には行かない。
「そこッ!」
不完全ではあるが魔法を放つ。
テンペスタージ。
私の作った雷魔法。
雷の性質上即座に攻撃がしやすい。
穴を狙ってルドベキアで雷の魔力を少し貯めて放つ。
「ガッ!?」
防壁が崩れたのは足元だったため、足の鎧が少し剥がれる程度だった。
人間ならばそれだけでも十分足枷になるだろう。
しかしあの鎧、特別なものだろう。
普通なら鎧ごと消え去るほどの威力はある。
不完全でも鎧を壊すくらいの威力は絶対にある。
ならば鎧に問題があると言えよう。
「なんだか気に食わなそうな顔してんなッ!輝剣ヘリオスッ!力を貸せっ!」
聞いたことの無い剣だ。
人間側の剣だろう。
その剣には光が宿った。
少々面倒だ。
我々魔王の一族は代々光魔法だけは扱えず、耐性が無い。
耐性があるのなら食らっても怪我で済むのだが。
光魔法だけはそうはいかないのだ。
故に勇者と呼ばれる存在は歴代全て光の魔法を使ってくる。
そうなれば私達、魔王の血筋も当然対抗策を見つける。
闇の魔法だ
現在一般的に使用されている闇魔法とは違う。
光と闇、いつしか私たちは光と闇ではなく正義と悪のように見られていた。
…だが、闇の魔法はそう言っても差し支えない。
私達魔王一族が作った闇魔法は相手を殺すためだけに生まれた魔法。
相手を壊すまで、相手を殺すまで、相手が消えるまで。
自分が壊れてもいい。
自分の体を代償に使う魔法なのだ。
闇に蝕まれる、その代わりに絶大な威力を誇る魔法を使える。
魔王一族は許容できる闇が限りなく多い。
耐性もあった。
故に使えた。
「光は集う、我が敵を穿てッ!!」
彼に光が集まっていった。
大きい一撃なのは一目瞭然。
光の防壁もより厚みが増し、到底一瞬じゃ破壊できないだろう。
防ぐしか道はない。
「輝剣解放、くたばり…ッやがれェッ!!!」
剣を振り下ろすと巨大な光がこちらに向かってくる。
速度は遅い。
避けられはするが奥に見える人間は追撃の構えをとっている。
私もそれ以上のもので反撃するしかない。
もっと闇を。
深く、深く。
濃い闇を。
心が堕ちて行く気分。
殺意のみて放たれる闇の魔法。
やりたくないがしなければならない。
魔力を込める。
闇魔法にとって重要なのは魔力ではない。
そもそも魔力と言っても2つ種類がある
自然魔力、自己魔力だ。
簡単に言ってしまえば前者は空気宙に浮いている魔力。
後者は自分で生成する魔力。
どちらもメリットデメリットなどはあるがこの私の魔法はどちらもあまり使わない。
私はある程度の魔力の代償を引き換えに強力な魔法を発動させる。
私は苦しみを代償とする。
魔力を込めている段階で段々と息苦しくなってくる。
体を刺すような苦痛。
痛い。
腕が痛い。
苦しい。
息が出来なくなりそうだ。
体が蝕まれていくような感触さえある。
吹き飛ばせそんなもの。
私は魔王だ。
「光は堕ち、闇は全てを屠る。月蝕 ッ!!」
私の周りから闇が溢れ出す。
闇は目の前の光を求めるように食らいついた。
私の体内から何かが抜けていくような感触に陥る。
腹が裂けるように痛い。
いつまでもいつまでも出続ける闇はいずれ目の前の光を覆い尽くしても尚拡大し続ける。
止まるな私。
今が攻め時なのだ。
「ざッ…けんなァ!!!」
再び光が増える。
拉致があかない。
ここは強引に押し切る。
闇を押しのけ先陣を切って人間に切り掛る。
「はぁっ!」
「っルァ!」
私の上からの斬撃を受け止めた。
ここで終わるわけが無い。
何度も斬る。
斬る。
斬る。
圧倒的に攻め続ける。
闇の魔法も止まる事を知らない。
「ぐぁっ…っ負けるもんかよォッ!」
「しまっ!?」
反応が送れた。
手痛い一撃を受けるのは避けたがそれでも腹部に切り傷。
深めに入った。
「油断してんなよッ!」
あちらも同じく剣撃。
痛みに耐えつつ攻撃を凌ぐ。
体勢が少しずつ崩れていく。
「そこッ!」
「うぐっ!?」
鎧の足が私の腹部を蹴る。
大きく吹き飛んで木に叩きつけられる。
おおよそ人間の力ではない。
「くっ…。」
急いで立ち上がろうとする。
「へ、調子に乗って一騎打ちするのは間違いだったな。永遠と休んでな…よォ!」
光の魔法が飛んでくる。
避けられない…ッ。
「うぅっ…!」
足に直撃。
光線のような魔法は私の足をしっかりと貫いている。
血が吹き出す。
骨にも穴が空いしまっているだろう。
応急処置程度に魔法で少し癒す。
「回復してる暇かッ!」
迷わず走り寄って私の首めがけて剣を振り下ろす。
「ここッ!」
腕を狙い思い切り切り上げる。
私を狙った剣は私の力で払い除けられる。
腕の切断とまでは行かなかった。
「…ッ。」
「…はァ…はァ…。強いなァ魔王ってのは。」
この状況、このまま続けると相打ちだ。
それほどこの人間には力がある。
なるべく誰も巻き込みたくない。
…足りない。
力が足りない。
もっと圧倒的な力が。
「ルドベキア。」
なんでしょう。
「『力』を貸せ。」
そうだ。
力だ。
私にはまだ力が足りない。
ですが…これ以上の力は先代でも無理でした。貴方が使っても暴走するだけです。
「構わない。」
それでいい。
私なら出来る。
しかし……いえ。分かりました。貴方に従います。想いに馳せてください。
力、今はそれだけが欲しい。
この時だけは平和はいらない。
この人間を力で止めることで平和があると信じて。
圧倒的な力が欲しい。
剣がみるみる姿を変えていく。
白い剣は黒く。
姿形は変わらない。
私は堕剣ルドベキア。…時間は数分。それ以上は貴方の安全を保証出来ません。
「十分だ。」
力を授けます。どうかご無事で。
途端に体が重くなる。
何かが私に乗っているようだ。
重い。
次第に体の自由が奪われていく。
動けない。
動けないが現に私は動いている。
私の意思では無い。
私の本能が体を動かしている。
今の私は意識と本能が別の状態になっているようだ。
それではダメだ。
闇に飲まれるだけ。
はっきりと自意識を確立する。
私は私だ。
この体を動かすのも私以外にありえない。
段々と体が動かせるようになった。
「…なんだよそれ…まだ強くなるってのか!?」
力が無尽蔵に湧き出る。
私の周りには濃い闇が出現していた。
魔力が許容量を超え、闇として溢れだしている。
何故か心地よい。
この状態を体が欲している。
今度は視界から色が消えていく。
黒、白で形成される世界。
見にくい。
空間を把握しにくい。
ただ一つを覗いて何も分からない世界。
そのただ一つは血の色だ。
赤では無い。
血の色だけははっきりと見える。
体が戦いを欲している。
私が先に闇に飲まれてはいけない。
「来い。」
素早く決着を。
「チッ…輝剣最大解放、こいつで決めるッ!…ルナティックオルタナティブ!!!!」
先程の数十倍もあろう程の光。
一瞬で消えてしまいそうな程の光。
だが。
無駄。
今の私には無駄なんだ。
「せいぜい足掻け。エクリプスダムド…ッ!」
使っても使っても増えてくる魔力を常に使い続ける。
闇を常に最大火力で放ち続ける。
闇の光線はあっという間に人間を喰らおうとしていた。
「ガアアアアアアアッッッ!!負けるもんかァァァァァァっ!!!!」
私の放った闇を全力で光で打ち消し、さらに私に向かって打ち出した。
光線1つだけでは無い。
無数に有る光線。
まばらに私がいるあたりを狙って放っている。ら
空中には魔法陣。
恐らく上からも追撃が来る。
…無駄なんだ。
自分が放っていた魔法を1度止め、再び空に向かって再放出する。
私の周りを闇で覆い守りに徹する。
「嘘だろ…ッ…はァ…っぐ…。」
魔法による攻撃が止まったのを確認しすぐさま闇の防壁を解除。
人間目掛けて斬りかかる。
「ッ!!!!!くっ…そォォォォ!!!!」
「今、お前の負けが確定した。」
「…は?」
「ゾーク。」
侵食する闇の魔法。
1度触れると相手を壊し尽くすまで消えない魔法。
それを剣に纏わせた。
人間の持っている剣を会して闇を付与した。
いくら鎧を着ていても闇は隙間をみつけ侵食するを
数秒後、人間が血を吐き出す。
「まだッ…光よ…っ!闇を消せっ!…消せよッ!」
「私でもその魔法は解呪出来ない。呪いと闇の複合魔法のようなものだ。」
乱雑に剣を振り回している。
「大人しくしろ。」
腕を狙い、切り落とした。
「ガッ!…は…。」
素の力も向上し鎧も破壊できる程の力を得ていたようだ。
血飛沫が舞う。
相変わらず血だけは鮮明に、色鮮やかに見える。
「ぁ…あー。無理だったな。」
「終わりだ、人間。」
「カハッ…。流石は…魔王って訳だ。」
鎧の兜がこちらを向く。
残った片腕で兜を脱ぎ捨てる。
「あー息苦しい。…どうせ死ぬんなら空気吸ってからだ。」
…何故、何故だ?
見覚えのある首筋の紋章。
どこかで見た事のある紋章だ。
…全身に拡がっている…?
「すまないが鎧を剥がせて貰う。」
「…今更何にも出来ねぇよ。」
そうじゃない。
私がしたいのは殺しじゃない。
「…ッ!」
やはり…やはりそうだ。
母上と全く同じ紋章だ。
見間違えるはずがない。
「なんだ、この紋章に興味あるのか?」
「…待てッ。この紋章は私の母唯一の物だぞ!?だぞッ!」
有り得ない。
同じものが2つ現れるなんてどんな確率だ。
いや、そんな気が遠くなるような確率を当てたに違いない。
偶然だ。
きっとそうだ。
「…待て、母…?今母と言ったか?」
「…だったらなんだという。」
「ッハ!とことんクソか、人王。」
サラリとほくそ笑む。
「何が言いたいッ!貴様、生前の母上に何かしたのではないだろうな…!」
「深山形美。もうひとつの名前はリエルだったか。」
「なぜその名前を…ッ!」
「はー。合点がいった。俺たち、異父兄妹だ。名前はノーザ、聞いたことあるだろ?母さんから。…グハッ…ッ…あー目の前がぼやけて来た。」
「…え?」
「あぁ、どうやらお前の兄だ。」
「嘘だ…。…あぁ落ち着け私。私が母上から聞いた話では死んだと言われている。あぁ、そこまでして私を油断させて殺したかったのか。」
そうに違いない。
私が陥れられるところだった。
「俺は人間じゃない。人造人間だ。母体がリエル。」
「何が言いたい、その紛いの嘘程度で騙されるとでも?」
「なあ、ごめんな、薺。」
「その名前で呼ぶな。」
「お前の兄貴はさ。妹の顔すら知らずに殺しにかかったんだぜ。」
「口を開けるな。今すぐ黙れ。」
違う。
違う違う。
こんなのは嘘だ。
こんなの望んでない。
「俺な、本当はそうなんじゃないかって思ってた。その紋章、髪の色。もしやってね。でもな、俺のプライドが妹が魔王なはずないってさ。無理言った。我儘だ。」
「喋るな。喋るな喋るな喋るなッ。」
「結果こうなった。俺の我儘で家族殺しさせちまった。俺はお前に会いたいくて前を見られなかった。」
「それ以上言うなッ…!聞きたくない…っ。」
「悪ぃ兄貴でごめんな。家族殺しさせてごめんな。お前をお前と認められなくてごめんな。」
「…っ違うッ!…っなんでッ…なんでこうなるんだ…っ!」
「なあ…薺。会えて嬉しかった。」
「こんな状況…っ嬉しくないだろうがッ…!っぐ…。あぁそうだ!今からでも私が全力で治療すれば間に合うッ…!」
「その前に死ぬさ。もう意識が遠い。出血死が先だろうよ。俺がちゃんと剣を受けていたとしてもこの受けた魔法が俺を壊すだろ。…俺のせいだ。お前が気にする事はないさ。」
「…ぁ…っ。ぁ…あ。」
「俺は人間じゃない、だが人間の酷さと人間の優しさは知ってる。」
ノーザが片手を私の額に当て涙を拭う。
「全部さ、取り返しつかないな。俺はお前に会うだけでよかった。でもお前はこれではダメなんだよな。お前はお前を信じる奴らのために動いている。ごめんな。兄貴らしいこと、出来なか…た。会って…我儘だ…けでごめ…ん…な。」
「死ぬな…ぁ…死なないで…ぁ…あ…。」
「もひとつ…我儘言いた…い。」
「ダメだ…死なないでよ…まだ生きろよ…っ。」
「母の意志を…継げ…。慈愛は…忘れ…る…な。」
顔に当たっていた手が床になだれ落ちる。
ドサッと言う音を立てノーザの力が抜けるのを感じた。
「あ━━━━━━」
死んだ。
1つの命が終わった。
人間ではなかったものが完全に空となった。
人形が落ちているだけだ。
「ああ━━━━━━━」
殺した。
1つの命を殺した。
他人ではない家族を殺した。
「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」
紅い池が映る。
それに映る物を見た。
おぞましい怪物が居た。
目は紅、白目の部位が黒く染まっている。
翼がある。
角がある。
黒を纏っている。
闇を纏っている。
髪は黒い。
紅い。
怪物は私だ。
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「心は無事か!?ならよし!後書きだぞ!別世界!ここで精神を落ち着かせろ!世界観がぶっ壊れるぞーッ!苦手なヤツら、見終わったら速攻閉じろ!」
「はい、皆さんこんにちはー!放課後補習室ー!」
「生徒の漆ー」
「後輩のイルミナ!」
「いやー。うん。…なんつーか。なんも言えない。」
「そだね…私たちはやるべき事をやろう!」
「自然魔力と自己魔力だな。んーーー端的にわかりやすくみんなに伝えるなら…」
「そう!マナとオド!」
「自然にある魔力と自分の中の魔力だな。」
「魔王様の使ってた闇の魔法はなんか違うらしいけどねー。」
「どっちをどう使うか説明しよーう!」
「炎、水、雷の魔法は主にオドを使う魔法だ!」
「そして光、闇、風、大地!これがマナを使う魔法だね!」
「例外として氷はどちらも多用するぜ!」
「その認識で間違いないですわね。」
「あ、レーヴァさん!」
「私とアルマス、実はこれからもう出番は無に等しいんですのよ。なのでこちらでお邪魔させていただきますわ!」
「サラッとメタいな。まあそういう世界線だが。」
「もちろん魔法を極めればどの魔法の属性でもマナとオドを使うことができますわ!」
「利点とかってあんのか?」
「そうですわね…オドはビームが出しやすいですわ!マナは爆発ですわ!芸術ですわ!」
「…いやわからん。」
「私も光魔法使ってるけど…オドはビーム!マナは…うーん。ば、爆発?」
「無理すんな。一応教科書通りに行くと、自分の体を使ってた出す魔法はオドの方が良い。レーヴァさんみたいに炎まとったりするやつな。」
「それでーマナは爆発!とかそう言う遠距離のところをピンポイントで狙うみたいな魔法が合うらしいよ!」
「オドは自己魔力!マナは自然魔力!この世界での魔力という言葉はそういう認識でいいですわよ!」
「今回はここまで!」
「また今度!次はお堅いがーる!…ってなに?」
「ぐふ…っ!面白。…ってあああああああああっ!!!お堅いがーるが鬼の形相でこっちにッ!アバヨー皆!」