#3始動 BEAUTIFUL STORY
神々しい太陽の光に反射し、ガラス張りで
できている無色の砦は、まばゆく光り輝い
ている。アポトシス本館前。鱸蓮と百々凪
の二組は捜査へと向かう最中ダ。
百々凪捜査官は急に足を止め、僕に向かっ
てどこかわざとらしいような、わざとらし
くないような急に思い出しでもしたかのよ
うにこう質問をした。
「あ、そうだ蓮君。自分のもとに新人が
きたら必ず聞こうと思っていたことを
思い出した。君は小柄、というより、全体
的に細いようだが君のような新人は初めに
どのような武器を与えられたのかい?。」
「気になるんだよ、今の新人捜査官に、
どのようなアーマスが与えられているのか
ガ。」
「はい、わかりました。」僕は百々凪さん
ノ要望に答え、自分の左胸ポケットに
入っている、小さな懐中電灯ほどの大きさ
ノ棒状のものを取り出しそれを握りつぶし
た。小さな懐中電灯という表現はしたが、
それは形と大きさのことであって、実際
そこまでの硬さはなく、軽く握りつぶせる
ほどの硬度になっている。握りつぶした
瞬間、プシューという空気の抜けるような
音のすぐあと、その棒状のものは巨大化し
武器の形へと形態変化させた。
・アーマス・説明
アーマスとは、アポトシスが対キメラ用に
開発した武器である。形態変化する前の
形、大きさは一貫して同じで小さな棒状
であるが形態変化後の武器の形は様々で
ある。材料の一部にキメラの死体を解剖
した際の研究で作られた、キメラに対する
特殊な素材が使われているので、
キメラに対してとても大きな致命傷
を与えれる武器になる。
ト、りあえず、説明終了 終わり
「なるほど、なるほど。」百々凪
捜査官は形態変化し赤黒い不気味な
色のした、僕のアーマスを見たが
特に大きなリアクションが返って
来ることもなく、勝手にひとりでに
納得したような顔をしている。
「鱸蓮君、君はなぜ自分に太刀型の
アーマスが支給されたのかわかる
かい?。」「いいえ、わかりません。
「そもそも武器の系統にそこまでの
大きな意味というものがあるので
しょうか?。」僕は凪さんの質問に
答えその後、質問を返した。
「ああ、あるともだがその答えを
私は知らない、君にしかわからない、
君が自分で答えを見つけるんだ。
君はキメラをどう倒す?どう殺す?
正面から馬鹿正直に戦いを挑めば
君は真っ先に死ぬだろう。なんの
成果も挙げず、誰も知らない場所で
ネ。」僕は少しイラっとした。
配属初日の初調査の直前に部下に
対して`真っ先に死ぬだろう`などと
残酷なことを言ってくる上司が他に
いるだろうか?
ト、思ったが冷静によくよく考えて
思考してみれば、百々凪さんは
何か、とても重要なこと伝える、
知ってもらうためにあんな嫌味を
オブラートに包むこともなく、
言ってきたのではないか?そう思う
と少し気が楽になり百々凪という
人間に対しての怒りは収まった。
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必要最低限の明かりに照らされ、
とあるビルのある階層は薄気味悪い
雰囲気を漂わせている。その階層に
一人の女性の歌声といくつかの、
哀れでみっともない恐怖におぼれた
悲鳴がこだましている。
「一つ、二つ、三つ、四つ、五つ
六ツ。はぁー、これだけ大きなビル
なのに警備員はたったの6個しか
いないのね。ざんねん」その女性は
あきれたようにそう言った。
「いやいやいやいやいやいやいや。」
「まさか本当に現れるとはねー。」
「流石アイツの情報力はバケモノ級
だなー。」突如現れたその男は、否
その男が突然現れたわけではないの
だろう。その男はもとよりこのビル
ノ、この階層にいたのだろう。
現れたと表現されるのは女のほうだ。
#3 えんD 終わり 終了。