表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/15

 なんとか持ち直した月夜見。

「……そろそろ、書物を読ませてもらっても良いか?」

「あ……うん、いいよ」

「じゃあ、私達も描きますか」

「そうだな」

 僕達は机で漫画を描いて、月夜見は本棚の所で立ち読み。




「なあ、月光」

隣に座る彰君が話し掛けてきた。

「何?」

「月光と月夜見さん、付き合ってんのか?」

「ええ!?……そんなんじゃないよ!」

「怪しいな、月光……白状しろ!」

 僕にヘッドロックをかける彰君。

「いたたたた!やめてよ!」

「白状したらやめてやる!」

「だから何もないよ!」

「嘘つけ!」

「やめなよ!」

 麗凪さんが制止する。

「だって月光が……」

「いいからやめてよ!じゃないと陣ちゃんが……」

 そう言われて僕と彰君は彩騎さんを見る。

 彩騎さんは僕達2人をギラギラした眼差しで見てる。

「……続けて」

「……続き描くか……」

「……そうだね……」

「……チッ」

 彩騎さんが舌打ち……怖い……






 みんな漫画描くのに没頭してて、もう帰る時間になった。

 月夜見を呼びに行く為本棚の所へ。

 月夜見は本棚にもたれかかって三角座りで本を読んでいた。

「何読んでるの?」

 月夜見が顔をあげると……また泣いてる……

 月夜見が読んでる本の表紙を見る……新訳・日本書紀……

「また、昔思い出したの?」

「それもあるのだが……わしの事が少ししか書いてない……」

 そっちですか……

「……ところで、なんか勉強になる本あった?」

「おお!色々な書物があって宝の山だな!」

 さっきとは一変、凄く嬉しそうに言う。

「そう。でも、もう帰る時間なんだよ」

「そうか……では、続きは明日にするか」

 月夜見は立ち上がり、本を本棚に戻す。

 そして、2人でみんなの所に戻った。

「月夜見さん……明日も来る?」

 麗凪さんが聞く。

「おう!まだ読んでない書物がたくさんあるからな!」

「じゃ、待ってるね♪」

 麗凪さん嬉しそう……

「じゃ、また明日」

 僕達は図書室を出た。

「うん、また明日!」

「じゃあな!」

 彩騎さんを見ると、不敵な笑いで手を振ってる……だから怖いって……






「今日は迷惑をかけた……すまなかったな……」

 学校からの帰り道、月夜見が静かなトーンで言う……

「大丈夫だよ!もう気にしてないから」

「本当か?」

「うん!だから気にしなくていいよ」

「そうか……裕一郎は本当にいいやつだな!」

 月夜見の顔がぱっと明るい笑顔になる。

 実は、クラスの輪の中心に初めてなれたのが嬉しかったり……

 明日からも月夜見と学校で一緒か……

 昨日までみたいに平穏とはいかないだろうけど、楽しみだなぁ……




「今日の詫びだ。背中を流してやるぞ」

「それ、いつもやってるじゃない……」

「そうか……では、全身隈無く……」

「それは遠慮しときます……」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ