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 学校からの帰り道、月夜見のイライラも限界になってる。

「活津彦根……もう、隠れんでもいいから、こっちへ来い……」

 僕達の目の前に現れた活津彦根さんは、中華屋の出前姿……

「ホントに楽しんでますね」

 と、僕が言うと

「何か楽しみ見つけないと、こんな事続けられないからね」

 と、爽やかな笑顔を見せる。

「"こんな事"と言うぐらいなら、さっさと帰れば良いものを……」

 月夜見がぼそっと言うのを、活津彦根さんは聞き逃さなかった。

「うふふ……僕も月夜見様と同じで、中津国が好きなんです」

「分かったから……少し黙っていろ」

「あらら……お口にチャック♪」

 うん……だんだん鬱陶しくなってきたぞ……

「しかしお前は、どうゆう性格をしておるんだ?」

 活津彦根さんに問いかける月夜見。

「……」

 黙ってにこにこしている活津彦根さん。

「本当にお前……姉上の子か?……」

「……」

「姉上はそのような所、微塵もないぞ」

「……」

「……」

「……」

「黙っておらんで、何とか言ったらどうなんだ!」

「いや、さっき黙っていろと……」

「わしの言う事だけは答えていろ!」

「黙っていろと言ったり、答えろと言ったり、忙しいですねぇ」

「お前……保食神のように斬り伏されたいのか?」

「いえいえ、滅相もございません」

 ……どこまで本気なんだろう……




 住宅街を並んで歩く僕と月夜見と……出前持ち。

「お前……着替えたらどうだ……」

 活津彦根に月夜見が呆れ顔で言う。

「そうですね、着替えましょうか」

 活津彦根さんは、そう言って駐車場に止まってる車の陰へ。

 そして現れた活津彦根さんは警官の姿……

「その格好で一緒にいられると、僕達が誤解されちゃうから……」

「ダメ?……気に入ってるんだけどなぁ……」

 そう言うと、拳銃を構えてポーズを決める。

「逮捕しちゃうぞ♪」

「とっとと着替えろ!」

 月夜見に一括されて、おずおずと車の陰に消えていく活津彦根さん。

 次に現れたのは、革ジャン革パンにアクセサリーやら鎖をジャラジャラつけた活津彦根さん。

「似合ってっか?」

 喋り方も変える力の入れ様……こうゆうのは本人のために、はっきり言ってあげないといけないな……

「活津彦根さん」

「何だよ」

「全然似合ってません、酷いです」

「が!?」

 驚愕の表情をする活津彦根さん……それを見て、肩を震えさせて笑いを堪えてる月夜見。

「ど……どこがダメですか?……」

「なんか、無理をして着させられてる感が物凄い出てます」

「そ……そうですか……」

「もうお前、凝った事をせず普通にしろ」

「普通ですか……」

 意気消沈して車の陰に消えていく活津彦根さん。

 そして現れた活津彦根さんを見て僕は唖然……

「あの……なぜ着流しなんですか?」

「だって普通にって言ったじゃない」

「いつの時代の普通なんですか!?」

「いい加減にしろ!!」

 月夜見の手には、いつの間にやら剣が……それを活津彦根さんの喉元に突き付ける。

「今すぐここで斬り伏せてくれる!」

 ついに月夜見がキレちゃった!

「月夜見やめて!」

 僕は月夜見の後ろに抱きつき止めようとした。

「放せ裕一郎!」

 物凄い力で振り飛ばされた。

「活津彦根!お前のその性格を黄泉国で恥じるが良い!」

「ちょ!?ちょっとした冗談じゃないですか!?」

「ええいうるさい!覚悟しろ!」

 月夜見が剣を振りかざし、活津彦根さんに向けて振り下ろす。

「待ってください!」

 どこからかそんな声がした。

 その声を聞いて、月夜見ははっとした顔をし、活津彦根さんを斬る寸前で剣を止める。

 声のした方を見ると、女の子が立っていた。



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