13
一年振りの更新orzすいませんでしたm(_ _)m
今日の月夜見は、何かおかしい……
ふとした瞬間に辺りをきょろきょろ……
休み時間や授業中、お昼ご飯を食べてる時も……
放課後、図書室に向かう途中に月夜見に聞いてみた。
「どうしたの?今日はきょろきょろしまくってるけど」
「実は……誰かに見られてるような気がするのだ……」
「えぇ!?……ストーカーかな……」
月夜見は綺麗だからありえる……
「いや……人間ではなさそうだ……わしと同じ、神だと……」
「素盞嗚かな?」
「やつは悪戯好きだからな……かもな」
"部活"も終わり、月夜見と2人で帰る。
校門を出て少し歩いた所で月夜見の足が止まる。
「どうしたの?」
「……こそこそ覗いておらんで、出てきたらどうだ!」
「さすが月夜見様、分かっておいでで……」
目の前の路地から1人のサラリーマン風の男が出てきた。
「活津彦根か……スーツが似合うな……」
月夜見が不敵な笑みを浮かべる。
「月夜見様の制服姿も、凄く可愛らしいですよ」
活津彦根と呼ばれたその男は、爽やかな笑顔で返す。
「で……何の用だ」
「……そろそろ、お帰りになられてはと思いまして……」
「天照の差し金か?」
「いえ……天照様ではなく、伊弉諾様が……」
伊弉諾の名前が出た瞬間、月夜見は呆れたような顔になりため息をつく……
「はぁ……言っておくが、わしは帰らんぞ」
「いや……どうしても帰っていただかないと、私も帰られませんので……」
「じゃあ伝言だ。帰らんと伝えろ」
活津彦根が困った顔をする。
「それはちょっと……」
「お前は、わしの言う事が聞けぬと言うのか?」
「……分かりました。お伝えしておきます」
活津彦根はそう言って一礼すると、また路地に消えていった。
「月夜見……いいの?」
「構わん、放っておけ」
「でも、お父さんが心配してるんじゃ……」
「裕一郎は、わしに帰ってほしいのか?」
「ううん!出来るならいてほしい!」
「そうか♪わしはどこにもいかんから安心しろ」
月夜見はそう言ってニコッと笑う。
なんかはぐらかされた気もするけど……まぁ、いいか。
そして翌日……
「いってきまーす!」
学校に行くため月夜見と家を出る。
少し歩いて、月夜見がちらっと後ろを見る。
僕も後ろを見ると、電柱に隠れてるスーツ男……
「ねぇ、あれって……」
「うっとーしーなー」
月夜見は遮光器土偶のような目をする。
学校に近付いてきた。
活津彦根さんはついてきてないみたい……
前から駐在さんがやってきて、擦れ違いざまに挨拶をされた。
「おはようございます」
「おはようご……ざいます……月夜見、今の……」
「もう、言わないでくれ……」
1回バレてるから、活津彦根さんもなりふり構わないようになってきてるぞ……
休み時間、僕と月夜見のまわりには、仲良し3人組の女の子や、大野君とかが集まってくる。
「今日はツッキー元気ないね、どしたの?」
「なんか悩み事でもあんのか?」
「いや……何もない、気にするな」
月夜見がみんなに笑いかける。
けど、一瞬にしてまた暗い顔に……
「みんなに一つ聞こう……今、何か変わった事はないか?」
みんながまわりを見回す。
「別にないけど……」
「変わった事って、ツッキーの元気がない事ぐらいだよ」
みんな気付いてないみたい……明らかにうちのクラスの人間ではない人が、この話の輪の中にいることを……
僕は、その部外者のそばに行って、小声で話し掛けた。
「何してるんですか?活津彦根さん」
「何言ってるんだい?僕は君のクラスメイトじゃないか」
「……バレてますから」
「……何で君には僕の術かからないの?」
活津彦根さんが不思議そうな顔をする。
「活津彦根さん……制服はさすがに無理があると……」
「そう?僕は万更でもないと思ってたんだけど」
「先生で入った方が良かったと思いますよ」
「僕、そんなに老けてる?」
「いやいや、そうゆうんじゃなくて……」
「僕、月夜見様より年下だよ」
「え!?ホント!?」
「ホントだよ。僕は月夜見様の姉上様である天照様の子。つまり月夜見様の甥なんだよ」
「へぇ……そうなの?」
「お前達がそんなに仲良くなってどうする」
いつの間にか目の前に月夜見が……話に夢中で気が付かなかった……
「活津彦根……お前もしつこいな」
「伊弉諾様より、監視をしておけと仰せつかりましたので」
それを聞いて、僕がぼそっと言う。
「ホントは楽しんでるんじゃ……」
「君はホントに鋭いねぇ!」
「ねぇ、何3人でこそこそ言ってるの?」
クラスメイトの女の子が、僕達に不思議そうに聞いてくる。
「なんでもない、気にするな」
月夜見がごまかす。
「とりあえず、変な真似はするなよ……分かったな!」
「大丈夫です、見てるだけですから。それでは」
自分の席に戻る活津彦根さん……いつの間に……
月夜見は自分の席で頭を抱えてる……
なんとかしてあげたいけど、親子の話にはなにもしてあげられないなぁ……どうなるんだろ?