表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/15

11

もう何年もゲーセンに行ってないんですが、こんな感じで合ってます?(^^;)

 ゲーセンに入ると月夜見が不思議そうな顔で辺りを見回す。

「ギラギラして騒がしい店だな」

「ここは、ゲーム……遊んだりさせてくれる所だよ」

「ふ〜ん……この小屋は何だ?」

 小屋って……

「これはプリクラって言って、写真のシールが撮れるんだよ」

「???」

 たぶん分かってないな……

「記念にやってみよう!さあ、入って」

 月夜見の手を引っ張って中に入る。

「中は明るいな……な!?」

「どうしたの?」

「こ、この画面の中に裕一郎がいる!……となりはわしか!」

 半日こんなのやってたら、説明するのも疲れてきた……

「これは僕達の立ち位置とかが分かるようになってるんだよ。写真を撮った時の予想図みたいなもんかな?」

「で、わしらはどうすれば……」

「それは機械が説明してくれるし、僕がやるから待ってて。……えーっと小銭は……」

「どれがいるのだ?」

 月夜見から差し出された手には小銭が……

「さっき出してもらったからな……ここはわしが持とう」

「このお金は?……」

「気にするな」

 一瞬で好きな服に着替えられたり、他人の記憶を操作する能力より、この能力が一番羨ましい……

 お金を入れてフレームとか決めて準備が整った。

「月夜見、自然な感じであの画面見て」

「え……こうか?」

 その瞬間フラッシュが焚かれる。

「な!?なんだ今のは!?」

「今ので撮れたんだよ」

 撮れた写真に少し落書きをしてから印刷、出来上がったのを月夜見に渡す。

「これがプリクラだよ」

 月夜見は不思議そうに見てる。

「わしが写っておるな……」

 僕は携帯を取り出してプリクラを貼った。

「ほら、こうやって貼れるんだよ」

「ほぉ〜……では、わしも」

「わしもって、何に貼るの?」

「帰ってから剣に」

「ああ……そう……」




 次に月夜見が興味を示したのが格ゲー。

「これは?」

「これは、このキャラを操って闘うんだよ」

「……闘うのか……」

 目つきが変わった……

「どうやるんだ?教えてくれ」

「このスティックを動かせば左右に動いたり伏せたり跳んだりして、こっちのボタンで殴ったり蹴ったり出来るよ」

「ほおほお」

「で、こうゆう感じにすると……ほら!これが必殺技!」

「おおー!」

 今までとは目の輝きが違う。

「じゃ、やってみて」

「おう♪……おお、動く動く……」

「ほらほら!襲ってくるよ!」

「うわ!?この!……必殺技はこうか!?」

「ちょっと遅いよ!もっと早く!」

「分かった!」






『You!Win!』

「うまいうまい!10連勝だよ!月夜見、飲み込み早いね!」

「わしにかかればこんなものだ!」

 その時、向かいの席に若い男が座る。

「月夜見……挑戦者だよ!」

 僕は小声で言う。

「挑戦者か……受けてたとう!」





 騒つくギャラリー。

「ここのゲーセン最強の男が……」

「あんな可愛いコに歯が立たないなんて……」


『You!Win!』


「7連勝だぞ、裕一郎」

「つ……月夜見って……ホント飲み込み早いよね……」

 向かいの席の男は、ゲーム機に突っ伏してモニターを掻き毟ってる。

「そ……そろそろ帰ろうか、月夜見……」

「そうだな……わしの気も済んだし」

 僕達はギャラリーをかき分けてそこを離れた。

 外に出ると、すでに暗くなり始めてた。

 僕達は来た道を引き返して家路につく。

 歩き始めてすぐ、月夜見が僕の手を握る。

「え!?」

「……嫌か?」

「ううん!行こ!」

 月夜見も嬉しそうに歩きだす。

「また……連れてきてくれるか?」

「うん、いいよ」

「やったー♪」


「おい、お二人さん」

「仲が良くって妬けるねぇ」

 いつの間にか、僕達の目の前に4人の男が立ちはだかる……チーマーとかそんな感じ……

「何だ、お前等は……」

 月夜見の顔に、さっきまでの笑顔はない。

「そんな怖い顔しないで、俺等と遊ぼうよ」

 チーマーの1人が月夜見の型に手を置く。

「お前等のような者が、気安くわしに触るでない……」

 ……僕には何が起きたか分からなかった……

 月夜見が言い終わった瞬間、チーマーが空を舞った。

「てめえ何しやがる!」

 それを見ていたチーマー達が叫ぶ。

 僕の方は因縁をつけられた時から、足がすくんで動けない……ど……どうしよう……

 月夜見とチーマー達は睨み合ってる。

 先に動いたのはチーマーの方だ。

「ちょっと出来るからって、俺達をなめんじゃねぇぞ!」

 チーマー達が月夜見に襲い掛かる。

 月夜見はチーマー達の攻撃を滑らかな動きでかわす……まるで舞いを舞っているかのように……

 その時、チーマーの1人が僕に向かって走ってきた……僕は恐怖で動けない……

 チーマーは僕を捕まえると、僕の後ろに回り込んで、僕の首を腕で絞めてきた。

「ぐあ!」

「裕一郎ー!!」

「おとなしくしねぇと、こいつの首へし折るぞ!」

 月夜見が下唇噛んで僕の後ろのチーマーを睨んでる……

「わしには何をしても構わん……だから裕一郎を離してやってくれ……」

「……つ……きよ……み……」

 さっきまでやられてたチーマー達が月夜見を囲む……

「よくもやってくれたな……」

「俺等なめてたらどうなるか、教えてやるよ」

 チーマー達が高笑いをする……月夜見は下唇を噛み締めたまま……

「おい!そこの路地連れてけ!」

 1人のチーマーがそう言うと、僕は首を絞められたまま、月夜見はチーマー2人に肩を掴まれて路地に連れていかれた。

 どうしよう……このままだと月夜見が危ない……



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ