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裕一郎と月夜見の初デート?です(笑)
「おい!裕一郎!起きろ!」
「んん……今日、日曜日でしょ……」
「裕一郎!約束は忘れたか!」
「憶えてるけど……早すぎるよ……」
今日は休みなので、月夜見に街を案内してあげようと思った……けど、いくらなんでも6時は早過ぎるよ……
「まだ店とか開いてないから、9時ぐらいでいいよ……」
「そうか……」
「じゃ、そうゆう事で……」
9時に叩き起こされた僕は、朝ご飯を食べた後、自分の部屋で着替えた。
「月夜見……」
「何だ?」
「学校に行くんじゃないから制服じゃなくていいよ」
「そうなのか……あ……よし!」
何かを思いついた月夜見……まばゆい光に包まれた後の姿は……
「ご……ゴスロリ!?」
「一度、着てみたかったのだ」
「どこでそんな……」
「どこでって……」
指差そうとする月夜見を止める僕。
「うん、分かったから」
僕は母さんが持ってた通販のカタログを持ってきた。
「えーっと……あ、これいいんじゃない?」
僕が選んだのは可愛いピンクのワンピースとカーディガンのセット。
「ほお……可愛い」
「でしょ?気に入った?」
「裕一郎が選んでくれた服だからこれにしよう!」
そう言った瞬間にワンピース姿になる月夜見。
「うん!似合ってる!可愛い!」
「そ……そうか?……へへ」
はにかんで笑う月夜見が可愛い……
「じゃ、行こうか」
「おう♪」
日曜の繁華街を歩く……さすがに凄い人……
「月夜見……はい」
僕は手を差し出す。
「ん?」
「はぐれちゃ困るから、手を繋ぐの」
「分かった♪」
しっかりと手を握る月夜見。
僕はそれを確かめてから歩きだす。
月夜見は色々なものに興味を示した。
アクセサリーや服、食べ物屋やCDショップまであらゆるものに……1時間ぐらいでまわる予定が昼になっちゃった。
「もうこんな時間……お腹空かない?」
「そう言われれば……」
「じゃあ……あそこ入ろうか」
「うん、任せた!」
僕達はファーストフード店に入った。
月夜見にも僕と同じセットを頼み、空いてる席につく。
「これは何だ?」
包み紙を開けた月夜見が言う。
「これはハンバーガーだよ。まあ、食べてみて」
「そうか……ではさっそく……」
そう言うと、一番上のパンだけ手に取る月夜見。
「ハンバーガーが上から食べてくもんじゃないよ……見てて」
まず見本を見せる。
「こうやって……あぐ……こう」
「分かった!」
そして人目もはばからず、大きな口を開けてハンバーガーを頬張る月夜見。
「ん!ふまい!」
いつもの事ながら、見てて気持ちがいい食べっぷり……
「これは?」
「それはフライドポテトだよ」
月夜見は5〜6本のポテトの束を口に入れる……さすがに恥ずかしい……
「誰も盗らないから、ゆっくり、少しずつ食べればいいよ」
「そ……そうか……ははは」
もぐもぐさせながら赤くなる月夜見。
「しかし……下界の食い物はうまいな……太ってしまいそうだ……」
そう言いながらも、ぺろっと食べてしまった。
「特に気にしてないでしょ?」
「……バレたか」
2人で顔を見合わせて笑い合う。
「そろそろ出ようか」
「おう♪……で、どこに行くんだ?」
「そうだなあ……」
何もいい案が浮かばない……
「とりあえず、またぶらぶらしようか?」
「おう♪」
これが月夜見だからいいものを、普通の女の子なら嫌われてるな……
店を出てぶらぶらしてると、また月夜見の足が止まる。
「この店は何だ?」
「これはゲームセンターだよ」
「何だそれは?」
「うーん……入ってみれば分かるよ。」
「なら入ろう!」
僕達はゲーセンに入った。