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想い

椅子に座る

目の前には白いキャンバス

その先には椅子に座ったきみ


鉛筆を手に取る

自然と手が動き始める

きみの美しさを表現するために


何度もつないだその手を

何度も触れたその頬を

数々の思い出を鉛筆にのせて描く


きみの美しい手足を

きみの上気した肌を

きみの長く艶やかな髪を


私はひたすら描き続ける

時間も気にせずに

空腹も気にせずに


高かった日は落ち

辺りは闇色に染まってゆく

それでも私は描き続ける


筆と絵具を使って

目の前に見えるきみを見据えて

キャンバスをきみ色へと染め上げる


胸が締め付けられる

想いがあふれそうになる

それをこらえて手を動かす


ああ私はなんて幸福なのでしょう

これほど想える人と出会えるなんて


ああ私はなんて不幸なのでしょう

これほどの想いを抱えて生き続けるなんて


時間は刻々と過ぎてゆき

やがてまっ白だったキャンバスは

完全にきみ色へと染め上げられた


私は息をつく

誰もいない虚空に視線を投げだす

きみが使っていた椅子を眺める


描き終えた後は

虚しさ,悲しさが募ってゆく

きみへの想いが募ってゆく


きみにまた会いたい

また話をしたい

また触れ合いたい


そんなことを想いながら

そんな届かない想いを浮かべながら

私は静かに瞼を閉じて


唯一きみに出会える世界に

意識をスッと投げ出した

願わくばそのまま目覚めないでほしいと思いながら

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