旅立ち
そんなこんなで数ヶ月後のある日、シューとボイルは何故か城の謁見の間にに呼び出された
2人が行くと先客が2人いる。1人はローブを被っていて、もう1人は食堂のおっちゃんだ。近づくと2人もこちらに気付いて、そのうちローブの人物がボイルを呼んだ。
「やあ、ボイルじゃないか!どうしてここに⁉︎」
「⁉︎ ピス! どうしたんだこんな所でお前と会うなんて‼︎」
幼なじみがいる事に驚くボイル。
「王様に呼ばれて来たんだよ」
「俺もそうだよ」
理由を簡単に説明するピスと自分も同じと返すボイル。
そして、もう1人の人物からも声をかけられる。
「よう、お前さん達も呼ばれたのか?」
「おっちゃん‼︎ なんでここにいんの?」
「おう、俺もなんでか知らんが王様に呼ばれてな」
と、同じく呼ばれたと言うチップス。
何故、呼び出されたのか解らず疑問符が浮かぶ3人。
程なくして王のザッハ、妃のエクレア、それに王宮魔導師のカシューがやって来た。
3人ともかしづく、シューもおすわりしている。
身を引き締めるボイル達に対し王はそのままて良い言い、そして2人はそれぞれの玉座に、カシューはその横にて立ち止まった。少し間を置き、そして王は2人に告げた。
「シューよ、お前の元の世界に戻る方法が見つかったぞ!」
その言葉にボイルとシューは顔を見合わせ、
そしてシューは言った。
「本当ですか⁉︎」
「私は嘘は付かんよ。 しかしすぐにという訳にはいかないのだ。 これお前達にやって欲しい事があるのだ」
王は微笑みながら答えた。だが、すぐに真面目な顔で続けて言った。
「ここからは私が説明致しましょう。」
続く言葉を隣にいたカシューは受け継いだ。
王がうなづいたのを確認し話を続ける。
「と言うのも、君を喚んだ召喚の儀に対して、君を元の世界に帰す送還の儀と言うのだが、今、我々魔法使いの魔力があの召喚の儀からまだ回復しきっていない、通常の仕事や生活する分には問題無いのだが、送還の儀を行うには今はまだ無理だ。なのでその為に魔力を何処からか供給してもらう必要がある」
そう言うとカシューは懐から古そうな本を取り出し、パラララと本のページをめくり言った。
「この本に書いてあったのだが、昔にも異世界の勇者を送還の儀によって送り帰した事があったそうだ。その時にはこの城から四方にある神々の力をお借りして儀を行ったと記してある」
本を閉じ、また本を懐にしまう。
「して、お前達にして欲しい事とは、その神々の祠におもむき力を貸してくれる様頼んでくる事だ!」
「神様に頼んでくればいいのですね、分かりました」
シューは頷き言った。
「先ず行って貰うのは、南西のベジタの森にある大地の神の祠だ」
シューの肯定の言葉を、聞いて旅の目的地を
告げた。
「失礼ですが、私もですか?」
ボイルは未熟者である自分にも言われている事に疑問に思い聞き返す。
「ああ、そうだ。シューにとって今1番身近にいるのが世話役のお前だと聞く、気心知れた者と一緒の方がいいだろう」
「なるほど、分かりました」
ボイルの疑問に代わりに王、ザッハが意図を話す。
その言葉に納得するボイル。
「それに、騎士隊の人数もそれほど多い訳ではない、そこでお前はここ数ヶ月でメキメキと腕を上げたと聞く、流石に多少の不安はあるが護衛の1人としてシューを護ってやってくれ」
隊長からの話を聞きそれならと騎士隊の本分としての任務を言い渡すザッハ王。
「はっ、命を賭してその使命必ず全うして見せます」
その命令に応えるボイル。
「でだ、今回シューに着いて行ってもらう者はお前を入れて3人、うち1人は魔法隊のピスタチオだ。それともう1人は物持ちと料理番としてチップスに行ってもらう」
「⁉︎、ピスは分かりました。ですが、何故
おっ……チップス料理人も参加なのですか⁉︎」
ボイルが一料理人が来る事に疑問に思い質問をする。
「そうだ。この者は引退するまでは腕利きの冒険者だったのだ、前みたいには動かないだろうがそれでもお前達に指示はできるだろう強くなったとはいえお前達はまだ子供だ、 それに城を離れての任務は初めてだろう、 経験者がいれば心強いと思う。 本当だったら騎士隊か魔法隊の熟練者に頼みたかったのだが、魔族が来るので人を減らせられない、 それ対抗するための準備で金があまり無い、本当は猫の手借りたいの位なのだ、 資金ひこちらで出すすがあまり無いと思ってくれ、すまんが3人に任務を任せる。出発は三日後の朝だ、準備して向かってくれ、頼んだぞ!」
「「「おおせのままに‼︎」」」
3人は声を出して応えた。
王様、お妃、カシューが退席した後、3人と1匹は謁見の間から退出した。
扉を出た所で人間3人は大きくため息を吐いた。
「あー緊張した! 個人で呼び出されたのは初めてだ」と額を拭うボイル。
「本当だね! でも本当にこの国の王様って優しいんだけどヘタ…もが!」
「ちょいと待った! 緊張が解けたからといってそういう事言うのはやめた方がいいんで無いかい。どこで誰が聞いてるか解んねぇからな」
と緊張が解けてつい口からポロッと悪口が出そうになるピスに口を押さえて諌めるチップス。
「ぷは〜、そうだね、ごめんごめん」
と謝るピス。
そして歩き始める3人と1匹。
「でも、本当に魔族なんて来るのかな? それが無かったら王様もあそこまでビクビクしなくて済むのにな」
ボイルがふと予言に対して口に出す。
「それってカシュー様が嘘を吐いてるというの? あの人に関してそれは無いね!」
とボイルのいう事に張り合うピス。
「いやいや、じゃなくて見間違いって事もあるんじゃ無いかって事。例えば牛の獣人とかさ、だって魔族って角生えてるんだろ、だったら牛だって角があるじゃん。だったらそれと間違う可能性もあるんじゃ無いかって思って。 俺、魔族なんて見た事ないし」
と可能性を示すボイル。
「うーん、僕も魔族を見た事ないから見間違いについては否定出来ないね。でも、何者かがこの国にやって来るのは間違い無いよ。
だったら、護りを固めるのは間違い無いと思うな」
と意見を返すピス。
「そんなことより、この任務、長旅になるんだろ、金があまり無いと言ってたが食糧とか大丈夫なんだろな? 最悪現地調達も視野に入れといた方がいいな」
と現実的な疑問を言う料理人チップス。
その言葉に、あっ! とした顔をする2人。
「それに冒険者引退して料理人になった俺に、本職のお前らのお守りって言うのも腑に落ちねぇんだけどな。
まあ、こんな俺を雇ってくれる王様に恩を返すのも悪くねえか」
王のいう事に思うとこがあるもののこの任務にやる気を見せるチップス。
その言葉に2人も意思を固める。
王様のため、そしてシューのために。
「ガンバるのです‼︎」 シューが言った。
なんで、お前(君)が締めてるんだ‼︎
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