いつものじゃない今日
ここは現代日本某県某市、小さな公園に飼い主とワンちゃんがいつもの散歩に来ていた。
飼い主の女性は20代半ばくらいの黒髪のロング、名前は栞、ワンちゃんは茶色い毛の雄のポメラニアン名前はシュークリーム愛称はシュー、1人と1匹は今日も元気にお散歩中。
日は明るいが夕方時、この時間この公園の広場には人は余りいない、栞はいつものようにシューのリードを外しいつもの遊びの準備に腰のポーチから小さな木の棒を出す。
「シュー、さあ取っておいで」と小さな棒を広場に投げた。シューは駆け出し棒を取って来る、
「いい子ね」取って来た棒を受け取り頭を撫でる栞、シューも嬉しそうに尻尾を振っている。
それをいつも何回かやって帰るだけのいつもの散歩。
そう思っていたのに、この日はそうはならなかった。
最後にシューと遊ぼうと棒を投げシューがそれを取ったその時、突如、栞の周りが円形に輝き始めた。
それは見る人が見れば魔法陣のような模様があった事に気付くだろう、しかし栞はそのような知識は無い。
栞は呆然と立ち尽くし、そして思い出したようにシューを探しにあたりを見渡した。
シューはいつものように棒を持って栞の元に駆けて来る。
「シュー!来ちゃダメ‼︎」
ところがシューはそれに気付かずやって来る、そして栞に棒を渡す。
するとどうしたことか光は栞からシューの方に移りだした、そしてシューの体は徐々に姿が消えていく。
「シューー!シューーー‼︎」
栞の声も虚しくシューの姿は消え、そして光も消えていった。
「シューーーーーーーーーーーーーーー‼︎‼︎」
いつもの散歩のいつもの遊び。ただいつものじゃない今日、シューだけがいなくなった…