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蒼星月下の怪異譚  作者: 和泉 鋏華
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序章

3人の中の一人、帽子屋 黒兎と申します。なにぶんリレー小説という形式も初挑戦ですので、誤字脱字誤表現等あるかと思いますが、ご理解ください。

昔、まだ祖父が存命だったころに聞いたことがあった。大名行列が来たら自分たちはいつまで頭を下げていればいいのかと。

祖父は少し考え込んで、「一番後ろを歩いてるやつの足音が聞こえなくなったらだ」と言った。それまでは何があっても顔を上げても、立ち上がってもダメだと。

例えば、厠に行きたくなってもダメ

例えば、かまどに火を入れたままでもダメ

例えば、むつみごとをしていてもダメ

例えば、痴話喧嘩をしていてもダメ

例えば、周りの女衆を舐るような視線で見られていてもダメ

例えば、自分の妻や娘が連れていかれそうになってもダメ

例えば、隣の男が切り捨てられてもダメ

例えば、頭を踏まれてもダメ

「貴様ら、この行列をどなたのものと心得る、道を開けぬか」

「だってー、どうする?」

「ええい早くせぬか、退かぬなら切る!」

例えば、平伏していないやつに先頭の刀を持った奴が切り掛かっていってもダメ

「えー、切られるのは痛いからやだなー」

例えば、切り掛かっていったやつが、返り討ちにあっていてもダメ

「なっ! 貴様らよくも」

「あーもー、五月蝿いですねー」

例えば、その返り討ちにあったやつの敵討ちを命じられたやつが急に同士討ちを始めてもダメ

「残ったやつどうするのさー」

「とりあえず、埋めときましょう」

例えば、その同士討ちの被害者も加害者も土に飲まれ、道の中に埋もれてもダメ

「お?なんだか楽しくなって来ましたよ?」

「また始まりましたか」

「一番偉そーにしてるやつとその周りは残しといてよー、情報がしぼり取れなくなるー」

「善処はします」

「「それできない人が言う言葉」」

ならさ、じいさん。教えて欲しいんだ。

大名行列の一番後ろを歩いているやつだけじゃなく、肝心の大名以外、全員が血の海に沈んだら、自分たちは頭を上げてもいいのかな?

序章、いかがでしたでしょうか。これより始まる3人の旅路、行く先は天国か地獄か。はたまたどちらでもないのでしょうか? これよりも続きます怪綺譚。どうぞ、お付き合いください。

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