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指南役がいます

えっと、お久しぶりです。

前回の投稿から1年以上も経ってたんですね。

忙しくなったとか色々と言い訳はありますが、一番は「飽きちゃった」ですかね。

熱しやすく冷めやすい性格なんで、一年も継続できたのは上出来も上出来かなと。

でも、完結しないで終わるのはモヤモヤが。。。

構想はまだ忘れていないので、良いんですけ読み返しましたよね。

まあ、ぐだぐだ言っても仕方ないですね。

口調とか違うかもしれませんが、リハビリ期間て事で大目に見てもらえると。

では、どうぞ。

 「もっと腰を入れて大きく漕ぐんだ! そうじゃねえ、俺がやるから真似してみろ!」

 

 後ろから何か喚いたと思ったら、俺の横に来てオールでの漕ぎ方をこうだ! と言わんばかりに懸命にオールを動かしている。何を言ってるのか分からないけど、漕ぎ方が悪かったんだろう。

 

 言葉が上手くないことは伝えてあるから、身振りで教えてくれているんだろ。前に船に乗った時もオールで漕いでたけど、特に何かを言われた事はなかったな。身体強化して無理やりって感じではあったけどね。

 

 「こうだ! 腕だけでやろうとするなよ! 身体全体でやるんだ! じゃないと疲れるからな! よし、真似してみろ!」

 

 一通り身振りが終わったのか、もう一度後ろに戻っていった。ふむ、どこがどう違うのかいまいち分からないな。やっぱり言葉が分からないと難しいな。

 

 「後、自分ひとりでやるなよ! 仲間と呼吸を合わせねえと意味ねえからな!」

 

 うん、何を伝えようとしてるのか分からない。後でデルに聞くしかないか。

 

 あ、因みにまだ船に乗ってないから。港の端っこで漕ぐ練習中だ。今日が初日な。

 

 

 

 「で、結局何を言ってたんだ? なんとなく真似をしろって事は分かったんだけど、細かいところが分からなくて」

 

 「そうは言うが、私も集中してたから個々で何を言っていたのかまでは分からないぞ」

 

 今は昼前の練習が終わって、港の食堂にいる。これからも練習は続けるけど一日中やるわけじゃない。昼飯前までは漁の練習をして、昼飯後は組合の依頼を請けて森で狩りだ。金に特別困ってるわけじゃないんだけど、念のためだ。後は、狩りをしないと下手になるからな。こっちの方が大事かな。

 

 「なんだよ。言葉が分かるのはデルだけなんだぞ」

 

 「あのなあ。言葉が分かるのは私だけだ。だがな、何人も一斉に話してたら聞き取れるはずがないだろうが。それに、いつまでも私を頼りにするな。いつになったら覚えるんだ?」

 

 「さあ。次の国に行く頃?」

 

 「「「……」」」

 

 「……なんで黙るんだよ」

 

 三人とも俺の事を呆れた様な目で見てくる。ナックとルークも同じようなものだろうに。そう思って二人を見ると、ついっと顔を逸らされた。デルの事は正面からは見れない。

 

 「じゃあ、代表して言うけど。それ意味なくね?」

 

 え? お前がそれを言うの? そう思ったのは俺だけじゃなかったみたいだ。二人とも目を見開いてナックを見てる。そりゃそうなるよな。

 

 「「「……」」」

 

 「わ、分かってるよ。冗談だ、冗談。それで全部じゃなくて良いから、何て言ってたか分からないか?」

 

 「だからさっきも言ったではないか。とは言うもののそれでは芸がないからな。私に言われたのは腕だけで漕ぐのではなく、身体全体で漕ぐようにとか。一人でやろうとするなとかだな」

 

 「ふーん、そんな事言ってたのか。じゃあ、俺にも同じ事を言ってたのかな」

 

 「それは分からんが、そんなに気になるなら明日にでも聞いてみるか」

 

 「ああ、頼む。じゃあ、ちょうど飯も着たから喰ってから森に行くか」

 

 それからはいつも通りの食事になった。港に来る様になってから、昼飯は港で夜は歩き回って食堂を探すという流れになっている。俺達は魚より肉を多く喰ってるけど、肉しか喰わないって訳でもない。そりゃ肉の方が良い。だけど、その国、町、食堂でしか喰えない物もあるだろうから、出来るだけ喰った事のない物を喰うようにしてる。……つもり。

 

 

 

 「まあ、カタチにはなってきたな」

 

 港に通う事、何日経ったかな。やっとの事で合格がもらえた。……ようだ。まあ、数日やそこらじゃ、言葉なんて使いこなすなんて無理な話だ。何となく、何となくだ。言葉は出来るだけ聞き取る様にはしてるけど、覚える事が多すぎて所々しか分からない。……とは言うものの、身振り手振りで何となく伝わるんだけどな。今もそうだし。笑ってるから多分良いって事なんだと勝手に思ってる。元の顔が怖いから笑うと不気味なんだけどね。それは言わないのが良いかなと。

 

 あー、汗かいた肌に潮風が気持ち良いな。

 

 

 「デル、何て言ってるんだ?」

 

 「だから、覚えろと言ったではないか。ほら、少しでも良いから練習しろ」

 

 「あー、お、俺達、どうでしたか?」

 

 「ん? あー、よ、良かったぞ!!」

 

 にかっと笑って、右の親指を俺に見せつける様に立てた。それはもう、凄い笑顔としか言い様がない。さっき見せられた笑顔とは真逆の感じだ。

 

 「あー、分かった。私が間に入る」

 

 とまあ、言葉に関しては見ての通り上達してない。こっちに来てからそれなりに経つけど、まったくだ。いや、少しはマシになったかな。これでも話す様にはしてるんだよ。こんな状態でもな。

 

 運動した後の風は気持ち良いな。

 

 「(どうして二回も同じ事考えるのよ)」

 

 「(そうは言っても運動したら汗をかくのは当然だろ。そこに風が吹くと気持ち良いだろ)」

 

 「(そうかもしれないけどさ、後でベトベトするじゃないの)」

 

 「(それはそうだけど、少しでも気持ち良いから良いじゃん)」

 

 そうなんだよな。森で風が吹いても不快にならないのに、海が近いとこうなるんだよな。なんでだろ。森ではならないのに、海ではなる。森と海の違いは、水か。いや、森でも湖はあったから水じゃないな。うーん、まあそんな事はどうでも良いか。

 

 「(海水よ。前にも言わなかったかしら?)」

 

 「(海水ね。どうにかならないのかねえ)」

 

 海水、か。……待てよ、汗をかいて舐めてもしょっぱい、海水舐めてもしょっぱい。この違いって何だ?

 

 「(なあ、違いって?)」

 

 「(……そこまでは知らないわよ)」

 

 ふーん、まあ良いか。今はそこは重要じゃないし。言葉をどうするかが重要だな。デルが間に入れば意志疎通できるけど、それだと会話とは言えないしな。でも、こればっかりは練習しかないから。いや、言葉だけの話じゃないな。俺が今まで生きてきた中で苦労しないで手に入れられた物って何もないな。コツコツと練習あるのみだったな。狩りだって最初から出来た訳じゃないしな。今でこそ余裕はあるけど、最初の頃は失敗ばっかりしてたしな。

 

 「(まあ、デルが話せるのが凄いのであって、普通は話せないわよ。ダイスケだって自分の国の言葉しか話せなかったみたいだし)」

 

 「(ふーん、そうなんだ。それじゃあ仕方ないか。練習あるのみだな。とは言ってもどれ位掛かるんだ? 俺が話せるようになったのって……4年か5年か?)」

 

 それまでここにいないとダメなのか? うーん、それは厳しいな。その計算だと、全部の国を苦労なく周るのにざっと30年?

 

 いやいやいや、どれだけ広いのか分からないけどそこまで掛からないでしょ。たぶんだけど。でも、寿命が長いからそれだけ掛かっても良いかな。急ぐ旅でもないし。

 

 「(それは甘いわね。初めての言葉は周りが話してたから自然と覚えたでしょ? でも二つ目以降は違うわよ)」

 

 「(どう違うのさ。二つ目も周りが話すじゃないか)」

 

 「(それはね、元から話せる言葉が邪魔になるからよ)」

 

 「(邪魔に? それは一体どういう……)」

 

 「話してきたぞ。まあ、 何とかなるだろうとの事だ」

 

 「何とかねえ。まあ、その位でいっか。駄目なら何度でも挑戦すれば良いだけだしな。一回で成功しないと次に行けないって訳でもないしな」

 

 「そうですよ。ただ、その場合は時間と金が凄い事になりそうですね」

 

 「まあ、金は狩りをすれば問題ないだろ」

 

 「おいおい、依頼も獲物も無限ではないんだぞ。無くなるこ事はないだろうが、程々にしろよ?」

 

 「あのなあ、幾ら俺らでもそこまでしないだろ。な?」

 

 「「「……」」」

 

 どうして黙るんだよ。そして、どうして揃って俺をそーっと見るんだよ。俺じゃなくナックが言ったんじゃないか!? 言ってもない俺がどうして見られるんだよ。それも揃いも揃って。

 

 「どうして俺を見るんだ?」

 

 「いや。だって、なあ」

 

 「ええ。アロさんならあり得るかなと」

 

 「アロならば出来そうだからな。心配と言うか忠告かな」

 

 「あのなあ、幾ら俺でもそこまではしないし、出来ないぞ。それに、それだったら森から獲物がいなくなって大変になってるだろうが。ナック、森から獲物がいなくなったか?」

 

 「んー、ない、な」

 

 「だろ? だから、そんな心配する必要なんてないんだよ。俺達にとってみれば、森は獲物の宝庫なんだからな。獲物がいなくなったら、生きていけないだろ?」

 

 「なんだかなあ。油断するなよ? まあ、それこそアロには必要ないとは思うがな」

 

 全く、俺を何だと思ってるんだよ。俺は森で生まれ育ったんだぞ。獲物を狩り尽くすって事は自分で自分を殺す行為だぞ。そんな愚かな事はしないし、教わらなかったぞ。父さん達だって、獲物は狩るけど森と共に生きてるって言ってたから、必要以上には狩ろうとはしなかった。

 

 と言うか、ナックも一緒に育ったろうが。俺だけ、変人扱いするなよな。

 

 「(まあ、普段のアロの言動を考えれば当然じゃないの?)」

 

 「(まあ、そうですわね)」

 

 何か言ってるな。そもそも俺がこんな風に言われるのって二人のせいじゃ? たぶん、キューカ達と契約しなかったら、こんな事を言われなかったと思うんだけど、どう思う?

 

 「「………」」

 

 ふっ。二人とも自分と契約したからだって思ってるんだな。そりゃそうだ。元の性格じゃないからな。

 

 「(昔から知ってるけども変わらないけどね)」

 

 結果、俺のせいって事なのか。


次に投稿できるのか。。。

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