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新事実

脱字、空白修正 (2018/2/27)

誤字修正 (2018/3/16)

 「なんかデルを仲間にするのは決まってたみたいだよな」

 

 「そうだな。一緒に行動する事を決めた時にもう逃げ道がなかったって事だな」

 

 「それについてはすまんとしか言えん。私もそうだが、父上も一緒に行動する事がどういう風に見られるか分かってただろう。だから、アロ達に決定権がある様な口ぶりだったけど、実際はなかったという訳だな」

 

 シムさん達に会って、仲間にする事とコライへの護衛依頼を請ける事になった。それで、まずはルークとデルを仲間にする手続きをする為に組合に向かっている途中だ。

 

 「なんだか、騙された様な気分になるな」

 

 「様な、じゃなくて騙されたんだよ。こうならない様にするには最初から突き放すのは正解だったんだ」

 

 「騙されたって、そんな事言わなくても良いではないのか?」

 

 「こうなると分かってて黙ってたんだから、騙したと同じじゃないのか?」

 

 「うぐっ。た、確かに。こうなる事は予想はしていた」

 

 「まあ、もう良いけどさ。短い間でデルの事と連携も確認出来たから。それで仲間にするって判断したんだから、後悔はないよ」

 

 「だよな。もし気に食わないヤツでも仲間にしないと駄目だったんだろ?」

 

 「本当にデルが良いヤツで良かったな。もし嫌なヤツだったら、途中で別れただろうな」

 

 デルを仲間にする事に関して、少しいや結構思うところがあるから、デルにちくちく言っている訳だ。俺だけじゃなくてナックも感じてみたいで、一緒にからかっている。少し位は許して欲しい。

 

 「ちょ、ちょっと。お二人とも、その位で良いんじゃないですか?」

 

 「ルークは良いのかよ。騙されたんだぞ? 怒るとかないのか?」

 

 「お、俺はそんな事考えられませんよ。王様からのお願いですよ? それって事実上の命令なんで、断るなんて選択肢はないんですよ。だから、騙されたとか怒るとかは感じないですね」

 

 「何だよ、分かってたのかよ。それだったら教えても良かったんじゃないのか?」

 

 「うっ。そ、そんな事言える訳ないじゃないですか!?」

 

 「そうか?」

 

 「そうですよ! 大体何て言うんですか? デル様と一緒に行動すると問答無用で仲間にする事になりますよ。って言うんですか? そんな事言える訳ないですよ!」

 

 ふむ、この国の生まれならルークみたいに考えるのが普通なんだな。王族に何かを言うのは出来ないし、願いとは命令だと。まあ、デルが良いヤツだったのが救いだな。

 

 「アロ達、ルークをからかうのはその辺にしろよな。私が一緒に行動してからルークをからかうのが目立つのだが、今までそうだったのか?」

 

 「今回の事に関してはルークじゃなくて、デルをからかうのが目的だったんだけどな」

 

 「そうは言うが、これ以上の事なんてあるのか?」

 

 「いや、ないけど」

 

 「じゃあ、この辺で終わりにしようじゃないか。いつまでもやっていても何も変わらないんだからな」

 

 「お前が言うなよ、原因なんだから」

 

 「うっ、す、すまん」

 

 「俺はまたからかわれたんですか!?」

 

 「うん、そうだよ」

 

 「そ、そんなあ」

 

 面白いな。ルークの顔が驚いたり怒ったり絶望したりと変わって。今なんて肩まで落としちゃって。そんなに落ち込むかな。

 

 「(だから、ルークにとって代官や王族は緊張の対象なのよ。その人達にとって、不利になる様な事を言えると思うの? まあ、この調子だとこの国だけじゃなくて、他の国の貴族相手でも同じ様になるでしょうね)」

 

 「(ああ、そんな感じはするな。でも、身分が関係する依頼はデルが交渉する事に決めたから、大丈夫じゃないかな)」

 

 「(決めたって言うけど、デルは納得してなかったみたいだけど? まあ、この中ではデルが適任だとは思うけどね)」

 

 「(だろ? 俺とナックは明確な身分がある所じゃなかったし、ルークは農家だから身分で言えば普通だろ? で、デルはこの国の王子様だ。これ以上の身分はないだろ。だったら、デルに任せるのが正解だってなるだろ)」

 

 「(まあ、ねえ。デル以外だったら、迂闊な事を言って相手を怒らせたりするかもね。それで、罰せられたりしたら他の人が迷惑よね)」

 

 そうだよな。王族とか貴族とかややこしい身分が出てきたら、全部デルにやってもらおう。仲間になるなら身分を持ち込むなって言ったけど、これは仕方ないだろ。だって、俺達じゃ分からないんだからな。

 

 「なあ、そろそろ組合だぞ。お遊びはその位にしろよ」

 

 「お遊びって、俺をからかうのは遊びなんですか!?」

 

 「そうだぞ」

 

 「ナックさんまで即答ですか」

 

 「ほら、そんなに落ち込むなよ。これからようやく仲間の手続きが出来るんだぞ」

 

 「そ、そうですね。この時を待ちに待ちましたからね」

 

 おお。落ち込んだかと思いきや、キラキラとした目で見上げてくる。いや、メラメラかな? まあ、どっちでも良いか。期待と言うかやる気と言うか分からないけど、とにかく良い目をしてる。

 

 「あ、二人を仲間にするのは良いとしてさ、グループ名どうしようか」

 

 「ああ。あれは俺等二人の時に決めたヤツだからな」

 

 「変えないってのは駄目なのか?」

 

 「んー、変えないってのも良いけどさ。何だかなあ」

 

 「だな」

 

 「因みにどういう意味なんだ?」

 

 「俺達の森にある昔からの言葉なんだけど、緑色って意味なんだよ」

 

 「緑、か。それは確かにアロ達森人族の為にある様な言葉だな。しかし、無理に変える必要はないんじゃないか?」

 

 「んー、そうなんだけどさ。何かこう、上手く説明出来ないけど、違和感があるんだよな」

 

 「そう。俺等二人だから緑ってのも良かったんだけど、ルーク達を入れるだろ? そうすると、緑ってのは合わないんじゃないかってな」

 

 「それじゃあ緑の物を何か身に付けるってのはどうですか?」

 

 「緑の物をか、なるほどな。それは良いかもな」

 

 「とりあえずは、それで良いか。今から特別な物を作るってのも無理だろうから、緑の布を右腕に巻くって事でどうだ?」

 

 「うむ。後で買いに行くか」

 

 まあ、今はこれで納得しておくか。揃いの布を巻くなんて、俺達以外でも考えそうだしな。布も良いけど、何か真似されない特別な物があった方が良いよな。

 

 

 

 「すいません、仲間を増やす手続きをしたいんですけど」

 

 「おお、お前さん達か。ッ! これはデル様! ようこそお越し下さいました!」

 

 「うむ。そんなに畏まらなくて良い。私は冒険者のデルだ。新人と同じ様に対応してくれると有難い」

 

 「はっ! 分かりました」

 

 組合に行くと、案の定と言うか入った瞬間から周りの目が集中する。もちろん、俺達じゃなくて、デルに、だ。まあ、そのデルを連れているって事で俺達には恨めしい視線が集中してる。中には殺気も混じってる。ああ、早くこの国から出て行きたいな。

 

 「それで、この二人加えたいんですけど」

 

 「え? デル様を加える!? デル様が新しくグループを作って、そこに入るじゃなくて?」

 

 「はい、そうです」

 

 「デ、デル様はそれでよろしいんですか?」

 

 「よろしいも何も、私が望んで仲間になるんだ。当然だろ」

 

 「分かりました、それでは手続きをしますね。とは言っても、カードに追加情報を書き込むだけなんですけどね」

 

 「はい、カードです」

 

 

 「はい、これで四人は同じグループになりました。それに伴って少し説明させて頂きます。今回は二人加入しましたので、位階は二段階下がりましてⅠからになります」

 

 「「「「え!?」」」」

 

 「え? って。デル様は冒険者になって日が浅いですから、知らなくても別に可笑しくはないのですが。他の三人はどうして知らなかったんだ?」

 

 「いやー、依頼を達成する事しか興味なかったですから。それに、仲間を加えるのは今回が初めてですから」

 

 「では、この際ですからグループに関する事を説明しておきますね」

 

 「お願いします」

 

 明らかに呆れた表情になっちゃったよ。そりゃそうだ。仲間にします。でも、それに伴う事を知りませんでした。だからな。

 

 

 「まず、仲間を一人加える毎にグループの位階を一つ下げます。そして、脱退若しくは死亡した場合は、一人毎に二つ下げます。それは位階に係わらずです」

 

 「それはグループ側の位階って事ですか? それとも入る人、抜ける人の位階ですか?」

 

 「どんなに高い位階のグループであろうと、入る人、抜ける人がいるだけでグループの位階は下がります。それは、入る人、抜ける人の位階には関係ありません」

 

 「極端な例えですけど、ⅩのグループにⅠの新人が入っても一つ下がる。ⅠのグループにⅩの人が入っても一つ下がる。って事ですか?」

 

 「極端な例ですけど、そうなります」

 

 ええと、つまりは増えようが減ろうがグループの位階は下がる。増える時は一つ、減る時は二つ下がる。それはその人の位階に関係なく。だから、俺達はⅢだったから二人増えてⅠになる、と。え? 知らなかったぞ、こんな事。てことは、増やすにも減らすにも慎重にならないと駄目って事か。

 

 「因みに、グループの人数に上限は基本的にありません」

 

 「基本的にと言うと?」

 

 「大体どこのグループもそうなんですけど、人数が多くなると統率が出来なくなるんです。だから、どんなに多くても二十人は超えないかと」

 

 「なるほど。あ、そういえば俺達はⅣに上がる資格があったはずですけど、それはどうなるんですか?」

 

 「その場合はⅡに上がる資格があるⅠになるって事ではありません。最初からになります」

 

 「え? と言う事はⅣに上がってから増やした方が良かったって事ですか?」

 

 「少なくともそうなりますね」

 

 「そ、そんなあ」

 

 あれだけ沢山の依頼を請けて上げたのに、まさかこんな事な罠が待っていようとは。

 

 「ま、まさか個人の位階まで下がる事はないですよね?」

 

 「それは安心して下さい。個人の位階はあくまでも個人です。グループの位階が増減したからと言って、個人の位階に影響はありません」

 

 「ああ、それは良かった。あ、後、グループの名前って変える事って出来ますか?」

 

 「出来ます。ただ、ある程度位階が上がって認知されている状態で変えますと、新しいグループだと認識されてしまうでしょうね。ですから、変えるならば周りに知られていない位階が低い時がお勧めですね」

 

 「なるほど、分かりました。後、グループで知っておかなければ損をする事ってありますか?」

 

 「先ほど極端な例を挙げていましたが、グループを組めるのは個人での位階の差が二つまでです。ですので、Ⅹの人とⅠの人はグループを組めません」

 

 「と言う事は、今回は大丈夫だったって事ですよね」

 

 「そうなりますね」

 

 「ありがとうございます、勉強になりました」

 

 シムさんからの依頼がどうのって事はすっかり忘れて、落ち込みながら組合を出る。主に俺とナックだけど。幾ら位階に拘りがなくても、何も失敗をした訳じゃないのに下がるなんて、な

 

 「何か色々とすまんな」

 

 「良いって。デル達のせいじゃない。俺達が知らなかっただけだしな」

 

 デルとルークが申し訳なさそうにこう言ってくれるが、二人の責任じゃない。冒険者になって旅が出来るって事だけしか考えてこなかった俺達だ。はあ、また一からやり直しか。個人まで下げられなくて良かったと考えるしかないか。


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