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挟魔<HAZAMA>優花  作者: karon
変化
14/42

気がつかないうちに大事に

なかなかホラーな展開になりません。

 学校につくと沙依は隣のクラスに向かう。

 どうやら日常習慣は変わらないらしい。優花は不意に沙依に得に支持しなくても沙依はそうする。

 そしてその後ろ姿を見ていると、やはり沙依はお化けなんだと納得する。

 沙依の姿を見えている人間と見えていない人間がいることに気づいたからだ。

 視線や、沙依の身体をわずかに避ける仕草で認識しているかどうか判断がつく。

 明らかに避けている人間とまるで見えていない人間。

 座敷わら知ってこんな感じなんだろうかと優花は場違いな感想を漏らした。

 自分のクラスに入る。

 時間割の教科書を出しながら、宿題をやったか聞かれる。

「やったもなにも、昨日、休んだから宿題があったかどうかも知らないよ」

「あ、そうだった。やばいな、だったらあたしあたるわ」

 小太りな同級生はそう言って盛大に嘆く。

 だったら連絡くらいよこせよと優花は毒づいた。

 どの道、この女は深くものを考えない。

 チラチラとピンクとオレンジの光が大変目に優しくない。

 優花は軽く眼を細めた。

 切りっぱなしの短髪は無造作に櫛を入れただけ。制服は単に改造するのが面倒くさいからという理由で一度も手を入れていない。

 しゃれっ気というものを全く持っていない優花は顔立ち事態はそれほど悪くないが、可愛げは全くない。

 彼氏やおしゃれ等の話題にも喰いつきが悪いので、少々浮いている。

 そんな優花の周りには同じように少し浮いているのが集まっていた。特にぽっちゃりカワイイが売りのこの女はとにかく空気を読まない。相手がどうあろうとお構いなし、むしろわかりやすいので今の優花にはありがたい存在だった。

 光に触れても裏腹なことは何もない。まあ、ちょっとムカつく女だが。

「そう言えば、優花、最近つかれてない?」

 唐突に聞かれて優花は戸惑った。

 この女が人に気遣いを見せるなんてと。

「さっきずっと独り言をつぶやいてたでしょう、そんなこと前まではなかったのに」

 少しだけ冷や汗が出た。

 はららはまったく、沙依は人によって姿が見えないだからあの二人といれば、優花が独り言を言っているように見えるのだ。

 だからと言って無視できるか。

 おそらくはららあたりは気にしないだろうし、沙依は優花に完全服従なのでそのへんはまったく問題はないのだが、それでもうっかり人に見られたらと思ってしまう。

 もっと他に大きなもんだがあるが、それには全く気付いていなかった。


 ゆかりは深夜にふと目を覚ます。

 誰かが囁いている。

 何度か声のありかを探すが、誰もいない。何かがゆかりの髪を掴んだ。

「苦しめ」

 それは少女の声に聞こえた。

「苦しめ」

 息が詰まる。そして本当に目を覚ました。

「夢だったの」

 そしてぶるっと身震いした。

 その声は優花に似ているような気がしたから。


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