巨乳エルフの存在理由とは?
エルフの話をしよう。
この世界のエルフは、長寿種族における悩みのひとつである少子化を驚異的な方法で解決していたのである。
簡単に言えば体外受精。中で生めないなら外で生めばいいじゃないとファンタジーな世界に喧嘩を売るようなオーバーテクノロジーだった。
男女から取った「命の素」を錬金術で掛け合わせて「命の樹」に埋め込む、すると「命の樹」の樹液を吸ってすくすくと成長した子供が数年たつと自力で樹洞から這入れてくるのだ。
そのようにして樹から産まれた試験管ベイビーなエルフの子は馬の子のように数分で二足歩行が可能なほど成熟していた。
未成熟児のまま体内から出さなければいけない人類の欠点をもカバーした非常に効率的な方法だと思う。
ただ元人類の俺から言わせれば産みの痛みも夜泣きの辛さも知らないエルフの母といきなり「あなたの母です」と告げられた子にはどこか他人行儀なよそよそしさが拭いきれなかった。
まぁ日本にも血の繋がっていない親子なんて数多にいるだろうし、時間をかければこのエルフが母だと実感が沸くのかもしれない。
エルフなんている異世界で向こうの価値観に囚われているのも愚かだと思うわけで。
「それで母上、一つ疑問があるのですが」
このおっぱいってなんのためにあるんですか?
前述の通り母乳の役割は樹液に取って代わられており、そもそも体外受精するのだからエルフは性交をする必要性すらない。母性の塊である乳が退化してみんなツルペタなのも納得だ。
なんで俺、異端な巨乳エルフになってしまったし。突然変異というにも胸囲の格差がありすぎる。
いやね?サブカルでは定石ツルペタエルフとは別の王道な変化球としてダークでもないのに巨乳なエルフなんて稀によく登場するキャラだったけど。
みにくいアヒルの子の如く周りから浮くというのは=で煩わしさが増えるということだ。
これから来るだろう暗澹たる未来にため息を吐きつつ自分の胸を揉みしだくのだった。
エルフがなぜツルペタなのか考えてみました