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第2話 確認しておこう

「ちまちまとパラメータを確認する度に、にやにやが止まらない」

 目の前に広がるのは喧騒たる音が響き渡る街の風景だった。

 NPCノン・プレイヤーキャラPPCプライベート・プレイヤーキャラが入り乱れる始まりの街…それがチュートリアルを修了させたPPCが基点とする街だった。

 きょろきょろと辺りを見回すと、匆々たる音に混じって、風の感触、匂い等、五感を刺激するもので溢れ返っていた。


 (うーん、やっぱり『マイソロ』はサイコーだ!)


 早速ウインドウを表示させてメニューを表示させる。

 そしてインベントリのアイテム欄からそれを選択しタップ。

 するとどうだろう…さっきまで左腕に無かったそれが現れた。


「ただいま…愛しの“シェル・バンカー》”」


 “シェル・バンカー”と呼ばれたそれは、一見すると籠手の様な形をしたものである。

 それは“武器”であり、“武器”では無い…。

い や、それは武器を発動させるためのただの媒介でしか無いのだ。


「おい、見ろよ。 コイツ『銃術士ガンナー』だぜ? カスの」


 期待を胸に、一歩前進しようとした瞬間、忌避すべき台詞が彼の存在を的に変えた。

嘲笑に続く嘲笑、そして罵倒。


(全く。 ネチケットも守れない奴がネトゲPLAYするなってぇの)


 鬱陶しく思いながら町を移動する。

 では何故少年プレイヤー・アバターのジョブが『銃術士ガンナー』だというと…左腰のホルダーの収められている“銃”であった。

 いや、基本的に『銃術士ガンナー』の象徴が“銃”なのだ。

 では何故彼はそんなジョブを選んだのか……。

 事は二年前に遡る。

 彼、泡沫小雪(うたかたこゆき)は銃という物に憧れていた。

 昔からある“剣と銃を以て果敢に悪に立ち向かう騎士”と言う物を。

 しかし、現実は甘くは無い。

 精々エアガンで遊ぶ以外、楽しみは無かった。

 そんな中、「本物の熱い銃撃戦ガンファイトをネットでも体験出来るゲームがある」との情報を掴んだ小雪は、早速飛び付いた。

 調べてみるとそれは『MISOLOGY ONLINE』という、剣と魔法のファンタジーなVRMMORPGだった。

 そこからの行動は素早かった、先ずクローズドβに応募し、専用のヘッドギア型PC『リンカーズ』を購入。

 テスターの応募当選に伴いプレイ、そしてそのガンアクションの魅力に取付かれ次いでオープンβに事前登録、それすらもやり込み、遂には正式版と呼ばれる製品版を予約購入し、今に至る訳である。

 つまる所、小雪という少年は、根っからのガンマニアであった。

 効率的に進むためには非効率も厭わない、面白ければそれで良い。

 まさにそんな言葉が似合う、ごくごく普通の少年だったのである。

 

 「相変わらずだなぁ…お、ExPエクストラポイント…見慣れないな、もしかして新しく導入した奴だな」


 と、移動しながらウインドウをチェックしていく。


 現在のステータスメニューはこうだ。


 Name   :フィーネ

 Level  :1

 Race   :精霊ジン

 Sex    :男性

 MJob   :『銃術士ガンナー

 SJob   :無し


 Hp     :500

 MP\TP  :500\150

 Str    :35(+75)

 Def    :35(+75)

 Int    :35(+30)

 Agi    :35

 Dex    :40

 Mdef   :35(+80)

 Luk    :25

 

 Money  :1500Czクルツ

 SP     :0P

 EXP    :0P

 Head   :ゴシックドレスブリム

 Acce   :無し

 Bady   :ゴシックドレスジャケット

 RArm   :初心者用正式拳銃

 LArm   :シェル・シールド

 Waist  :ゴシックドレススカート

Leg     :ゴシックドレスブーツ


 Skill  :『銃術』Lv1『盾術』Lv1『潜入』Lv1『格闘術』Lv1『鍛冶』Lv1『細工術』Lv1『調薬術』Lv1『千里眼』Lv1『魂撃(種族特性・控え移動不可)』Lv1


 

 フィーネは改めて歓喜した。

 通常、『銃術士ガンナー』を選択するとどうしても防御が疎かになってしまう。

 しかし、テスターデータをコンバートする際、『武具保存』で、武具データを保管して貰っていたので、初期武装として、装備されている。

 それだけなら見慣れているので格段問題は無いが、どうにも不可解な文字がそこには存在していた。


 「女性用に変化している、だと!?」


 このゲームではネカマは出来ない。

 しかしどう見てもドレスやスカートは女性専用の防具なのだ、メニューを確認するが性別は確かに『男性』とある。


 (というか始めた時から妙に変な感触はあったが…)


 今一度首から下を確認する。

 ――――確かに、そこには絹で出来ているだろう高級感漂う少しひらひらの着いた赤と黒を基調としたジャケットとスカートがその目に映っていた。


 「はは、なんてこった」


 種族の説明文を読んでみる。

 『精霊ジン…霊的能力の高い人間族で、基本的な能力値は平均的だが努力値はやや高め。 特性として容姿と装備の性別が反転』


 人間族に毛が生えた様な説明文は一先ず置いておく事にする。

容姿については、本人としては女性アバターでなかったのが唯一の救いだった様で、早々に諦めがついた。


 続いてスキル項目に目を向ける。


 Skill  :『銃術』Lv1『盾術』Lv1『潜入』Lv1『格闘術』Lv1『鍛冶』Lv1『細工術』Lv1『調薬術』Lv1『千里眼』Lv1『魂撃(種族特性・控え移動不可)』Lv1


 コンセプトは基本的に色物銃術士ガンナーである。

 自分の思う武器で戦うとなるとオーダーメイドで高く付いてしまう。

 出来るだけ出費を抑えたいと考え、この様な形になった。


 ついついにやけ顔になりそうになるが、気を抜いてしまえば考察の意味が無い。


 「さて、スキルレベルはレベリングでどうにかできるが、ExPはどうしようかね…」


 考えたが、何もしていない状態なので情報を纏められない。


 「やっぱりバトらにゃ駄目か」


 やれやれととある場所へ移動しようと方向転換した時、それは突然やってきた。

武器と防具、性能が高すぎるのにはそれなりの理由がありました。



また何か在りましたら削除&修正していきます。

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