表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
徒然みなもの非日常  作者: でぃあぼろ
第1章:みなもアドバンス
9/19

炎歌サティスファクション

番外編のようなもの

 「カラオケに行きたい!!??」

 それはある日の目覚めだった。

 どんな夢を見ていたのかは、残念ながら忘れてしまったが、なぜか今無性にカラオケに行きたくなった。

 今日は月曜日。この前の土曜日に行われた参観日の代休。

 休みであるにも関わらずレジャー施設には平日料金で入れる特別な日!

 カラオケ行くなら今日しかない!

 そう思ったあたしは、つい先日買ってもらったばかりの携帯電話を手に取った。数少ない連絡先リストから仲の良い友人をピックアップし、メールを送信する。

 一斉送信! とりゃあ!

 ふふふ……、一斉送信を覚えたあたしに敵はない!

 とりあえずは仲のいい雀ちゃんと梓ちゃんを誘った。

 あとはこのグループ的には……みなもちゃん!

 しかし連絡先リストを見てもみなもちゃんの名前はない。当然だ。みなもちゃんは携帯電話を持っていないのだから。まったく時代遅れにも程があるよ! と、つい最近まで持っていなかった癖に調子にのってみる。

 みなもちゃんとの連絡手段。みなもちゃんの家には固定電話があったはずだ。そして電話番号はクラスの連絡網に書いてある!

 あたしの勝ちだ! 堪忍しな、みなもちゃん!!


 『いやなのです』

 「…………」

 すぐに断られた。

 「えー……なんでー…………」

 『外が寒いからなのです。みなもは夏は能力で涼しくできるから嫌いじゃないけど、冬は能力を使ったって温かくならないのです。だから冬は嫌いなのです』

 「そうかー……。あたしは逆に冬は能力で温かくできるけど、夏はねぇ……」

 『そういう訳なので、みなもは家でゴロゴロ―――

 「じゃあ11時に神璃駅前こうりえきまえに集合ね! じゃ!」

 『行くなんてひとことも言っ―――

 無理矢理通話終了。



 午前11時。

 みなもちゃんは来た。

 「そこまで言うならしょうがないのです。来てやったのです」

 「そこまで言ってないけどね。んじゃ、カラオケ屋さんはここから歩いて5分くらいだから、いこっか。ちなみにちゃんとお金は持ってきた?」

 「もちろんなのです。のど飴も」

 「準備万端だね……。じゃあ行こう。雀ちゃんと梓ちゃんが待ってる」

 



 カラオケ到着。

 「フリータイムはドリンクバー付きで600円なのです」

 「下調べ完璧だねみなもちゃん。店の名前教えたっけ?」

 「神璃駅周辺のカラオケ屋さんの価格をすべて調べたのです。ぐーぐるはとても便利なのですっ」

 「ノリノリだねー」

 ボックスに入り、1曲目はみんなが知ってそうな曲を雀ちゃんが歌い上げた。

 「みなもちゃん何か曲入れる?」

 「カラオケは初めてなので最後でいいのです」

 「そうなんだ」

 その後あたしが演歌を歌い(炎歌だけに)、梓ちゃんはよく知らない歌を歌い、そしてみなもちゃんの順番が回ってきた。

 画面上部に『シャイニーシャイニー☆プリンセス』という文字が表示された。

 やはりアニソンか……。

 「しゃいにぃーしゃいにープリンセぇスー♪」

 下手だ……!

 ずば抜けて下手だ……!

 「おっ! みなもそれマシャイレ(魔法少女シャイニー☆レティの略称)だろ!! 懐かしい歌持ってくるねぃ!」

 略称の無理矢理感……。人気なのか? これ。

 その後も微妙にズレた4人はそれぞれジャンルの違う曲を歌った。

 雀ちゃんはロックとアニソン、みなもちゃんはアニソン、梓ちゃんはよく分からない歌、そしてあたしは演歌(炎歌だけに)。

 曲の方向性こそバラバラだが、それなりに盛り上がった。


 お金も気力も有り余ったあたし達は、一緒に晩御飯を食べてからお開きとなった。

 あたしは、それなりに充実した(休日だけに)月曜日を過ごせたのだった。おしまい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ