激突!? 物語は0になる
これで序章完結です!
おつかれさまでした!
まだまだ続くのでどんどん疲れてくださいね!!
「――――はい?」
やっぱり炎歌ちゃんは変な人なのです。厨二病なのです。
「いや、だからさ。みなもちゃん他の人には無い“何か”を持ってたり、しない?」
それは……、みなもの“水使いの能力”の事を言っているのですか。いや確実にそうなのです。
ばれるようなことはしていないはず。
「み……みなもは、ただの一般人なのです」
「みなもちゃん……」
完全に疑っている目なのです……。
「き、今日の炎歌ちゃんは変なのです。きっと生焼けのお肉でも食べたのです……」
「今日はみなもちゃんが焼いたお肉しか食べてないよ」
「…………」
もしもここでみなもが能力者であることを打ち明けたら……どうなるです?
研究所に連れて行かれるか、はたまたテレビ局に引っ張りだこか。
どっちも嫌なのです。
「とにかくみなもは能力者なんかじゃないのです……。もう帰るのです…………」
みなもは身を翻し、公園の出口に向けて一歩踏み出したのです。しかし。
轟という音と共にみなもの視界は真紅に染め上げられたのです。先程まであった公衆トイレは真っ赤な炎に焼かれ―――その原型はすでに、この世のものとは思えないほどになっていたのです。
思考は現実に追いつかず、みなもはただ振り返る事しか―――できないです。
「炎歌ちゃん……」
振り返ると、そこにいた炎歌ちゃんは左手を前に突き出して、立ち尽くしていましたです。
「あたしはまだ……“能力”という単語を出していない…………ッ!」
失言。
炎歌ちゃんはおそらく、炎使いの能力者。
みなもの同類。
とにかくこのままでは大事件に発展しかねないので、やむを得ず―――みなもは“能力”を使ったのでした。
近くにあった水道管を水圧で破裂させ、炎を消し去る。無駄な労力を使ったのです。
「…………。徒然みなも。“水使いの能力者”」
もうどうにでもなれ、なのです。
「……枕木炎歌。“炎使いの能力者”」
案の定。
「しかし炎歌ちゃん……これはやりすぎ…………」
「…………」
耳をすますと遠くから消防車のサイレンの音が……。
「…………」
「…………」
翌日。
『昨夜未明、○○県××市の郭丘公園の公衆トイレが原因不明の火災によって全焼した事件について、「突然大炎上した」との近隣住民の声を受け、警察は放火の可能性が高いとの見解を―――』
「…………」
「…………」
「せめてもう少し小さな火にしても良かったんじゃ……」
「私もそのつもりだったんだけど……なんか感情的になったら勢いで大炎上した、というか……その……」
『―――なお、原因不明の火災は消防が駆けつける前に原因不明の水道管破裂によって消火されたとのことです。水道管の破裂口から水圧による破裂だと断定されましたが、―――』
「そういえばみなもちゃんは私が能力者だって知らなかったんだよね?」
「はいです」
「前にみなもちゃんに能力を使おうとしたら、なぜか効かなかったんだよね。なんでだろう」
「みなもを燃やそうとしたですか……!?」
「ち、ちがうよ! 文化祭の練習の時、あまりにもみなもちゃんがやる気なかったから情熱の炎を燃やそうとしただけで……」
「なるほど……。たしかに謎なのです」
「みなもちゃんちょっとあたしに能力使ってみて」
「了解なのです。では炎歌ちゃんの体液を操って胃液を口から……」
「やめて。できるだけ肉体的にも精神的にもダメージがない程度で……」
「だったら、汗を出させるのです。気温的にも今の時期に汗は出ないはず……」
「そうだね。やってみて」
みなもは能力の制御をしやすいように、炎歌ちゃんの手を取って直接体内に能力を―――。
「…………」
「…………」
「何も起こらないね」
「はいです」
その後、色々と試したけれどまともな反応は得られず。
能力者は能力者の体内に能力干渉できないということが判明しましたです。
そして事件が起こったのは、それから数日後――――――