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徒然みなもの非日常  作者: でぃあぼろ
序章:みなもデイズ
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みなもデイズ

ただの番外編のようなものです。

 夏休みは億劫なのです。

 みなもは友達がいないので夏休みはクーラーの効いた家に籠りきり。環境破壊バンザイなのです。

 夏休みといえば、借りてきたアニメDVDを見るかパソコンを触っているかの二者択一なのです。オルタネイティブなのです。

 今日のみなもは前者です。

 みなもはいつものようにビニールプールに水をはり、浮き輪でぷかぷか浮きながらアニメを見ていました。

 たまに「ビニールプールは普通室外で使うでしょ……」とかほざきやがる奴がいるですが、訳が分からないのです。わざわざ超暑い室外に出る理由が分からないのです。

 室外でビニールプールを使う奴は多分アホなのです。

 ぴんぽーん。

 みなもがアニメに夢中になっていると、家のチャイムがなったのです。

 空気読めないのです。

 みなもは、着替えているうちに来訪者は帰ってしまうのではないかと思い(そこに気が付くとは、さすがみなもなのです)、水着のまま玄関に向かいます。パンツじゃないから恥ずかしくないのです。

 「みなもちゃん、やっふー。……て何で水着!?」

 「プールを満喫してたです」

 やってきたのは枕木炎歌ちゃんでした。

 こいつは暑苦しいのであまり好きではないのです。

 「どうやって!? ああ、ビニールプールとかか」

 その通りなのです。

 「何の用です?」

 「ああ。実はあたし、これから一人で海に行くつもりなんだけど、駅に行く途中にみなもちゃんの家があったから来てみたんだ! どう? 一緒に海水浴とか」

 「……………………」

 「……………………」

 「…………間に合ってますです」

 みなもはドアを閉めるのです。

 「そこをなんとか頼むよぉー!」

 面倒なのです。

 「大体、一人で海水浴に行く意味が分からないのです」

 「うぅ……それについては……。実はあたしこう見えて、ガングロに憧れてるんだよねー!」

 「はぁ」

 「でも何故だか毎年、いくら外に出てもちっとも日焼けしないんだよねー。だから、今年こそ肌を焼こうと思ってね!」

 「……………………」

 「……………………」

 「…………頭がおかしいのです」

 みなもはドアを閉めるのです。

 「ちょちょちょちょっと待ってよぉー!」

 「だから、一人で行く意味が分からないのです……」

 「あたしも分からないよぉー! だからこうして突然みなもちゃんを誘ったの!」

 「事前に誘えなのです。……みなも以外の誰かを」

 「あたし携帯も持ってないし家に電話もないしぃ……」

 みなもも持ってないのです。

 パソコンで十分なのです。

 「…………お友達を誘えばいいです」

 「? だからみなもちゃんを誘ってるんだけど……」

 「……………………」

 「……………………」

 「……………………」

 みなもはドアを閉めるのです。

 「ちょっ!? 何で!?」

 急に友達とか言うからなのです……。友達になった覚えはないのです。

 「お願いっ! みなもちゃん!!」

 「……………………」

 「今度わかめうどん奢るから!!」

 「……………………」

 「……………………」

 「………………のです」

 「…………?」

 「しょうがないのです。行ってやるのです」

 「…………!!」

 みなもは厳しい社会に揉まれて金で動くような薄情な女に育ってしまったのです。

 悪く思うななのです。

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