表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
徒然みなもの非日常  作者: でぃあぼろ
第1章:みなもアドバンス
12/19

みなもチーム、始動

 靴箱に、さっそく入っていたのです。

 手紙が。

 「あたしの方には何も入ってなかったよ?」

 「宛先に『みなもチームへ』って書いてあるのです」

 「また“先読み”か……」

 「あ、開けるのです」





 『みなもチーム結成おめでとうございます!

 さっそくですが、徒然みなもさん、枕木炎歌さん。(わたし)の方から指令です。』





 「きた……!」

 「はいです」

 そこから数行下に孤立した形で“指令”が書かれていた。





 『一週間後のクラスマッチでQ組に勝利してください。』





 「…………」

 「…………それだけ?」

 「はいです」

 しょぼっ。

 「いや、でもこのお題は以外と難しいよ……」

 「たしかにです。勝敗は意思だけでは変えられないのです」

 「Q組かぁ……。結構強敵だね」

 「Q組がどうかしたのか?」

 「いやね、今度のクラスマッチ、Q組に勝てなきゃ…………って雀ちゃん!? いつの間に!?」

 「さっきだけど……」

 みなもは急いで持っていた紙をバッグに仕舞ったのです。

 「んで、勝てなきゃどーなんの?」

 「えぇ……、えと……。そう! 次のクラスマッチでQ組に勝てなきゃ死ぬ病気にかかったんだよ!! ―――みなもちゃんが!!」

 「!? ……そ、そうなのです……。まだ生きていたいのです……」

 一生恨むのです。炎歌ちゃん。

 「だ、大丈夫なのかみなも!?」

 「大丈夫じゃないのです……」

 主に精神的にっ。

 「よぉし、そういうことなら一肌脱ぐぜい! 安心しなみなも!」

 「わ、わぁい……。大安心なのです……」

 信じちゃうんだ……。

 「Q組かぁー……。Q組といやぁ、今年は留学生が来てるよなー。名前は忘れたけど、……エレなんちゃら、だったかな」

 「留学生……」

 留学生、Q組。なにか関係があるのです?

 きーんこーんかーんこーん……。

 思考を巡らせていると、始業5分前の予鈴が。

 「とりあえず教室に行こうよ。みなもちゃん。雀ちゃん」

 「おうよ!」

 「…………」

 「みなもちゃん?」

 「あ、はいです」

 クラスマッチは1週間後の金曜日。果たして、我々A組はQ組に勝利できるのでしょうか。


 「みなもちゃーん。いくよー」

 「ああ。はいなのです―――」

 そう言って振り返るみなも。

 ――――その刹那、みなもの頬を撫でる黄金の髪。

 「!?」

 みなもは思わず振り返りその“黄金”の正体を確認したのです。

 後ろ姿しか見えなかったですけど――――、後ろ姿で十分なほどの存在感。

 紫鹿寺中学校は染髪厳禁。つまり、あの“黄金”は、本物の髪色―――。

 「みなもちゃん? どーかしたの?」

 「……なんでもないのです」

 あれが留学生……。


 みなもは悪い予感がしていたのです。

 とてつもなく、悪い予感が。

 吐き出すほどの、おぞましい予感が。

 できれば予感は外れていてほしいな。と、とても思いましたです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ