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第228話 今こそ革命の時 その9

◆ アバンガルド王都 ◆


「ぁたし、かぁいいしぃ。もてちゃってぇ」


 ルークが溜息をつくように口から吐き出したピンクのモヤ。エルメラの想像魔法すら通さなかったこのスキルはボクにとっても未知だ。甘ったるそうな、目に痛いピンク色が団長を含む4人を包む。試しに小石を投げてみたけど、モヤに入ってそのまま中にいる奴らをすり抜けた。


「うわぁ、なんか嫌なスキル」

「多分、あのモヤはルークの電波女にとって受け入れられないものは侵入できないんだ。自分の世界しか確立していない、究極の自己愛が生み出したスキルだな」

「そうなのよ、私のスキルもいくつか試してみたけど全然ダメ。もうSランクなんてやめちゃおうかしら。ねぇ、どう思う?」


 真面目にイークスさんが解説している横で、ティフェリアさんがわざとらしく溜息をついている。本気でやめる気なんて絶対にない。ボクが来たものだから楽が出来ると思ってるに違いなかった。


「クックックッ、ルークの"マイラバー"はいかなる障害も通り抜けるのみ。まさに彗狼旅団が誇る盾よ」

「そうなのよ、あの人さっきから何もしてないくせに解説だけはうるさいのよ」

「だ、黙れ! 貴様とて私のスキルに畏怖して何も踏み込めなかった分際で!」

「自分が受けるダメージを相手に負わせるとか、そんなところでしょう? 確かそんなスキルというか魔法があったのよねぇ、かなり高位なものだけど。そしてあの子のモヤがあれば、自分はノーリスクでそれが実行できるのよねぇ……」

「な、な、なぜそこまでわかった」

「軽装な後衛職が自信満々で前に出てくる理由なんて、それくらいしか考えられないわ」


 テンケイをからかうティフェリアさんのやり取りを見ていると、ここが悲惨な戦場だというのを忘れそうになる。

 それはおいといて、あのモヤはダイガミ様の絶対神域みたいなもの。消滅こそしないけどあの中に入っても、ルークが受け入れてないものは全部すり抜ける。なんてスキルだ。


「死んじゃえばいいのに! ねぇ早く死んでよ! はーやーくぅ! 今すぐ! 死ーねっ! キャハハッ!」


 ナイトのレイピアがモヤの中で一突きするたびにものすごい衝撃波が飛んでくる。建物への被害はティフェリアさんとイークスさんが防いでくれているけど、ナイトの猛攻は止まらない。狂ったように突きをひたすら繰り出して、その威力もまともに当たれば城壁なんか木っ端微塵に吹き飛ぶほどだった。


「フハハハ! ナイトの"デストロインビシブル"は範囲も威力も自在! その気になれば、この城下町を一瞬で更地にする事も可能なのだ!」

「た、確かにこれはきついぜ……!」

「これ、威力も自由に変わるの? すごいね」

「平然とさばいてらっしゃるぅぅ!」


 イークスさんが、そんな素っ頓狂な声を上げないでほしい。平然となんていうけど、力下限を間違ったら余波でもっとこの辺りが大変な事にある。すでに危ない建物もあるし、あのルークを含めて何とかしないと。


「フハハハ! マイラバーこそが絶対防御なり! 力押ししか能のない瞬撃少女ではいささか、分が悪いかな? これも天啓よ! ハハハハ!」

「本当に? それじゃ破るよ」

「出来るものか! フハハハ!」


「あのおっさん、うるせぇな……さっきから何もしてないくせに」


 確かに目玉焼きみたいな頭を光らせて、得意げに笑っている。それはそうと、マイラバーはエルメラの想像魔法すらも通さないほどだし、単純な方法じゃ破れない。破壊の力を使えばなんて事ないけど、それじゃ前のボクだったら倒せただろうか。いやいや、ダイガミ様の絶対神域でさえ破れてアレが破れないはずがない。つまり破壊の力を認識した今なら、考えるまでもなく倒せる。

 でもそれじゃつまらない、目玉焼きおじさんの笑いを止めるにはもっといい方法がある。


「それっ!」


「フハハ! 何を……」


 ほら、テンケイの口が塞がった。アイスクリームにスプーンを差し込むように、ディスバレッドをさっくりと。そこから高速で地面をくり貫くようにして剣をスライドさせる。4人の周りの地面だけに切り込みを入れたら後は完成だ。


「う、おぉぉぉぉ!」

「なぁにぃ?」

「おーおー! なぁんだぁ?」

「キャハッ!」


 4人の足場をアイスクリームみたいにくり貫いて、上まで飛ばす。突然、足場ごと飛ばされた4人が転ばされるようにしてバランスを崩して地面に落ちる。


「きゃぁんっ」

「ぐぉっ!」

「いったぁぁぁぁい!」


 団長を含めて情けなく地面に転がる4人。Sランク級のレベルのこいつらにダメージなんてほとんどない。ボクがやりたかったのは、マイラバーなんてこうやって簡単に破れるという事。現にビックリしたルークはマイラバーを解除してしまっている。

 レインボーバリアみたいな補助魔法と違って、こういう欠点もあるという一つの証。そして解除されなかったとしても、こういう攻撃は効くという証。すり抜けるといっても地面に足で立っている以上は、それはすり抜けていない。だったら足場ごと崩してやればいい。ルーク自体が何らかの衝撃で飛ばされた場合には無力なのも弱点の一つだ。

 どうでもいいけどフライパンの上の目玉焼きを飛ばして、失敗して泣きそうになっていたクリンカを思い出した。


「ルーク! 地面をすり抜けるんだ!」

「ぅまちゃうょ、はぁげ」

「今、ハゲっつった?!」

「チッ、もういい。ナイトよー、決めちまえ」


「死んじゃえ、クソガキィァァァァァ!」


 すごい形相でさっきのスキルを放とうとしたナイトに対して、剣を水平にしてそのまま頭に振り下ろす。頭が割れるんじゃないかと思うくらいの鈍い音がした後、カエルみたいになってうつ伏せで地面に落ちる。

 彗狼旅団が誇る最強の一人を一撃で終わらせた事態を飲み込めないのは敵も味方も一緒みたいだ。うるさい笑い声も止まって、こんなにも静かだったんだと思った。


「あれが……瞬撃少女……」

「レベルはいくつなんだ?」

「確か噂によれば2000は超えているらしいが……」

「たゆまない努力も才能の前では霞んじまう、か」


 そんな風に言われるとボクもちょっと辛い。ズルをしたわけじゃないのに、そこまで言われたくない。


「リュアちゃんはね! 奈落の洞窟で10年も戦っていたんだから! 誰もいない、暗くてジメジメした洞窟でものすごい魔物と戦い続けてきたの! それなのに簡単に才能とか言わないで!」


 声がかすれるくらい大声を出したクリンカに圧倒された皆、かばってくれてうれしいけど多分完全には理解されてないと思う。


「へー、ほー? なんだか知らねーけど面白そうなガキじゃん?」

「ルーク、もう一度マイラバーを」

「ナイトちゃんが、いっぱつでぇ。ぁりえないしぃ」

「いいからマイラバーを展開しろと言っているんだッ!」

「やぁだぁ、だんちょぉ。はげいぢめるぅ」

「テンケイよー、こいつはあのガキを恐れちまったんだ。だったらもうマイラバーでは防げねー。自己中の塊みたいなこいつの中にあいつっつう存在が深く刻まれちまったんだぜー?」


「クッ! いかれ脳みその分際で、一丁前に恐怖だけは忘れてなかったか……!」


 さっきからあのテンケイが一番ひどい。唾を吐き捨てて、憎々しくルークを睨んでいる。そんなテンケイを無視してヴァッテルは上着を脱いで投げ捨てた。


「これはもう、オレが相手するしかないよなー? 彗狼旅団のトップであるオレ様がよー」

「お前は本当に王国なんてなくなったほうがいいと思ってるの?」

「当たり前だろぉー?! だってオレの上に立ってるんだぜー?」

「え?」


 喋りながら跳びかかってきたからちょっとビックリした。武器を使わないで素手で攻撃してきたところを見ると、こいつもデドロフと同じかもしれない。


「そらっ! そらそらそらぁ!  スキル、百烈拳ンン!」


 ただのパンチの連打にしか見えない、お世辞にもすごいともいえないスキル。弱くはないけど速さもデドロフほどじゃないし、なんでこんなのが団長なんだろうと思えるほどだった。


「狩り蜻蛉ォ!」


 今度は逆立ちしたまま、足を広げて回転。器用だと思うけどこんなのも当然、当たらない。巧みな動きをするなと思った次の瞬間。あのナイトの衝撃波がボクにぶつかってきた。素手でナイトのスキルを放ってきたのはさすがに予想外で、これには飛ばされるしかない。

 後ろにいたのがイークスさんでよかった。ガッシリと受け止めてくれて、その後ろにいる大勢の人達が助かる。今の勢いなら、確実に何人か死んでいただろうから。


「ジャストヒットォ!」

「さすが団長!」

「おー、もっと褒めろよー」

「だんちょぉ、かっこいぃ」


「じゃあ次はもっとかっこよくなるからなー」


 今度はマイラバー、ヴァッテルの体全体をピンクのモヤが覆う。まさかとは思ったけど、あいつは手下のスキルを全部使える。さっきの格闘スキルも、他の誰かのものなんだ。強奪の天性のおかげなのか、それともあいつの別のスキルなのかはわからないけど。


「かっこよく決めるぜーっとぉ!」


「ソニックリッパー」


 正直に真正面から挑んできたヴァッテルに浴びせるソニックリッパー、もちろん微妙に左肩辺りを狙って、ちょうど切断されるくらいに威力は調整している。デドロフならまだしも、ソニックリッパーの速度に対応できずにヴァッテルは見事に左肩から先を失って転げた。


「うごあぉぉぉ! い、いでぇぇぇぇ! なぁんだよぉぉぉ?!」


「馬鹿な! マイラバーを纏っていたはずなのに一体?!」

「そんなのダイガミ様の絶対神域に比べたら屁でもないよ。モヤさえ斬れたらすり抜ける効果も消える。ボクだってわかる事だよ」

「マイラバーを……斬った? いくら瞬撃少女でも実体のないものなど、斬れるはずがない! 物理的に! 物理法則として有り得ない!」


「スキルばかりに頼るとそうなるの」


 歯をむき出して睨まれても本当の事なんだからしょうがない。スキル一つで戦いが決まるなら、ボクは奈落の洞窟攻略に10年もかからなかった。いろんな敵がいて、信じられない攻撃に対応して、避けて。そして勝利が掴める。といってもボクは考えるのが苦手だったから、結局は力押しだった事が多いけど。


「彗狼旅団さんよ、もう諦めろ。何の算段があって王都に攻めてきたのかは知らないが、瞬撃少女がいる限り魔王軍だってここは陥落できないぜ」

「おのれ……! 王家の家畜の分際で! ここで我々が倒れたら、ついてきた団員達に申し訳が立たん!」

「意外と情はあるんだな……」


「私と息子のテンメイはノイブランツ出身だった。教会を立てて、我が宗派に賛同したわずかな者達と慎ましく暮らしていた」


 テンケイが震えながら語り始める。気のせいかと思っていたけど、小さな雨粒が段々と大きくなってきた。


「ところが、あの国では思想活動は禁じられている。何故ならあの国ではブラームド王こそが神。つまり他の信じるものを持つという事は神であるブラームド王への反逆に他ならない。隠れ家とも言えた私の教会は一夜で焼かれたよ。かわいい信者達は人の尊厳すら剥奪するほどに惨たらしく殺された。辛うじて生き長らえた我々親子に手を差し伸べて下さったのが団長だ!」

「だったら、ノイブランツを狙えよ。お門違いもいいところだ」

「最終目標はノイブランツ! 団長はそう約束して下さった! だがまずは王家という概念をこの世から消さねばならん! 大小あれど、国など結局は王家という神を信じる異教徒! もはや邪神だ! 邪神を討たねば世界が滅びる!」


「……こりゃダメだな。憎しみをこじらせすぎて、もう何を言っても通じる相手じゃない」


 狂ったように笑うテンケイは降り注ぐ雨を体全体で受けるようにして、両手を空にかざしている。胸がちくりと痛む。あんなテンケイに同情する事なんかないのに、ボクは何を感じているんだろう。

 クリンカと一緒にいる時間が幸せと思うのも、悪いとさえ思っちゃう。もしあのテンケイが、何事もなく生きていたらこんな風にはならなかった。ある日、突然幸せが消える。10年前のあの日みたいな事が他の人にもあって、そこから不幸が始まる。もし今のボクがここにいなかったらなんて、考えたくもなかった。


「魔法学会から爪弾きにされた元水属性魔法の第一人者、歪んだ性欲を満たせずに劇団を追放された元俳優、地属性魔法の才に長けながらも醜悪な外見や体型のせいで忌み嫌われて名家を追放された息子、殴る事でしか快感を感じられない暴漢……そんな彼らも夢半ばにして散ってしまった。いつの日か、必ず地の底から光を浴びてやると誓った。それなのに……」


 重い足を引きずるようにしてテンケイは倒れているヴァッテルの前まで行って、しゃがみこむ。そして何をするかと思えば、ヴァッテルの手を握って。


「団長……! この命、受け取って下さい! 私のすべてはあなたのものです! この屍を越えて、必ずや理想郷を!」


 ヴァッテルを掴んでいるテンケイの手に皺が増えて、そこから肩にかけて皺同士が競争をしている。増えに増えた皺は全身を覆って、テンケイの体が何かに搾り取られたみたいに干乾びた。骨と皮だけを残して体の中身を抜き取られたみたいに、生きていた時よりも遥かに小さくなる。


「ひぃぃぃ! な、な、何が起こった!」

「お、うえぇぇぇ……」


 パニックになったこの場であまりの気持ち悪さに吐いたり、もう武器を構えようとすらしない人達が大半だった。

 雨に打たれたテンケイの小さい死体の横で、ヴァッテルがむくりと起き上がる。斬ったはずの腕もくっついていて血も止まっていた。


「悪いな、テンケイー。絶対こいつらぶっ殺すからなー」


 気のせいか、ヴァッテルが少しだけ大きくなったように見える。いや絶対に気のせいじゃない、さっきまではイークスさんよりも小さかったのに今は頭一つ分、腕や足腰も太い。


「だんちょぉ、ぁたしもひとつになりたぃ」

「お前はかわいいからなー、じゃあナイトと一緒に一つになるかー」

「はぁぃ」


 倒れているナイトの頭を掴み、もう片手で頭を差し出すルークを掴む。ルークとナイトは苦しむ様子もなく、テンケイと同じように干乾びていった。かさかさになった2人の死体を投げ捨てたヴァッテルの体は今じゃさっきの3倍くらいだ。


「これで数百レベルくらい上がったんじゃねー?」


 その一言だけで状況を把握できていない人達にすべてを理解させて恐怖に落とす。何が起こったかなんて、一目瞭然だ。ヴァッテルは、あいつは手下を吸収した。強奪の天性を自覚していなくても、ここまでの事が出来る。そして何より、何も迷わないで手下を吸収して殺した。

 今のあいつはお酒でも飲んだ後みたいな満足感を見せている。お風呂上りでのぼせたみたいな、気持ち良さそうな表情。ダメだ、もうこんなの人間じゃない。こんな人間がいるなんて、ボクは絶対に信じない。


「こいつ……!」

「ダメだよ、イークスさん。今のあいつ、レベルが1000を超えている……」

「な、何だよそれ?! いや、そんなのわかるのか?!」


【ヴァッテル Lv:1407 クラス:バンデットクロス HP 24020】


 ディテクトリングの数値を見て、イークスさん達の顔が強張る。吸収した分だけ強くなるという理不尽に納得がいかないのはボクも同じだ。あいつはほんの一瞬でボクが10年かけたレベルに届こうとしている。しかも仲間を殺して、平然と。


「アニキがよー、なんとかっつう騎士の名門学校を主席で卒業しやがってよー。オヤジもオフクロもちやほやしてよー、ムカつくよなー。才能だか何だか知らねーけどよー、オレの上に立つんじゃねー。あまりにムカついたんで夜中に刺しまくってやったわー。あんだけ無敵だの100年に一人の逸材だの言われてた奴も呆気ないもんだよなー」


 ポケットに手をつっこんで、巨体を揺らしてかなり機嫌がいい。なんで楽しそうにこんな話を出来るのか、意味がわからない。


「それでムカつきが収まるわけないんだよなー。アニキを褒めたオヤジもオフクロも両方殺してよー。ま、そんな話はどうでもいいかー。なんか王様とかいってよ、国を立てて偉そうにオレの上にふんぞり返ってるのがムカつくんだわ」


「お前、まさかたったそれだけの為に……」


 テンケイを拾って、その他にも大勢の手下を連れて盗賊団を作った理由がたった一言で語られた。大雨の中、空の上で光る雷があいつを含めて全体を照らした。


「オレの手下はオレのもの、どうしようが文句は言わせねー」


 辺りに倒れている盗賊達の体から煙みたいに何かが抜け出す。それがヴァッテルに吸い込まれるのと一緒に、盗賊達の体が細く乾燥した。遥か遠くで死んでいる盗賊達からも、こいつは吸収している。


「けどよー、こいつらの上に立っちまったんなら作るしかないわなー。理想郷とか何とかよー。それが上に立った奴の宿命ってもんよー」


――――新たなる時代の幕を開けよ


 また雷の光が空や辺りを照らした瞬間だった。ボクも皆も、今の声をしっかりと聞いた。どこから聴こえてきたのかもわからない、誰かもわからない。まるで頭の中に響いたとさえ思える、重い声が。


「きっと神様もオレを応援してくれてるんじゃねー? 前にもこんな事あったしなー」


 あの魂の中にはデドロフも含まれているはず。手下を全部吸収したこいつはもう人間の姿をしていなかった。揺らめく煙みたいな、光みたいなものに包まれた筋肉質の上半身。そこから下は巨大な狼だ。それを含めた全身は青色に輝いていて、目も鼻も口もない。


「流れ落ちる彗星がよー、なんとなく狼に見えんだよなー。あいつら、単体でも強いのに群れてるべ? じゃあオレ達も群れたら強いっつう事でよー。オレたちゃ彗狼よー」


 ヴァッテル、いやヴァッテルだったものの言葉通りだ。これはヴァッテルじゃない、ボク達の目の前にいるのは彗狼旅団だ。まさに彗狼が群れを作って、ボク達に最後の戦いを挑んできたんだ。


「いくぜ、オレ達」


【すべてを奪いし彗狼ヴァッテルが現れた! HP 391870】


 さっきとは比べ物にならないほどの力を感じる。ボク達が聞いた声がそれに関係していると何となくわかったけど、考えるのは後にしよう。


◆ シンレポート ◆


りゅあ ちからのさを みせつけるために じょうかまちを はかいする

おまえが くりぬいた あしば きちんと あとで べんしょうするです

まったく こういうところが こども なのです


おおかみは おなじなかまのなかでも なわばりをつくって てきたいするです

すいろうりょだんという おおかみは とくべつ なわばりいしきが

つよすぎて 

だれも しんじようと しなかった

りーだーは じつは ただのあほ

うん なんか めんどくさくなった です

しんじるも なにも あいつらは ただの ばんぞく

かざるひつようもない やばんぞく


そんな やばんぞくが いま ひとつに

はかいの ちからを ぶっぱなすのです

それで おわりなのです

おわったら きちんと おこすですよ

しんは ねる

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