表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
179/352

第178話 希望を胸に その2

◆ アバンガルド城 とある場所 ◆


「さ、着きましたぞ。ここであなた方は新たなる力を得るのです」


 この宰相にしては要領の悪い発言だった。それもそのはず、今まで私達でさえ知らなかった場所に通されて、おまけに出口はがっちりと塞がれている。後戻りはさせないと暗に言っているようなもの。王国兵士たるもの、一度吐いた唾は飲み込むなという無言のプレッシャー。

 狭い石壁の廊下に列を作って歩いた先に広がっていたのは、言葉を失ってしまうほどの光景だった。


「あの、ここは?」

「ま、一から説明すると長くなりますので簡潔に伝えましょう」


 次から次へと信じ難い事実が宰相の口から語られていた。この国が昔から人体実験に明け暮れていた事、その実験体は捕えた罪人が主だが時には拉致も辞さない事。はっきり言って赤裸々に語る内容じゃない、聞いているだけでクラクラしてくる。

 そう、この光景。血生臭さで渦巻く広い室内にずらりと並ぶ長方形の台。壁には使用用途不明の器具や装置のようなものが大量に並んでいる。台は何度も使われているのか、ドス黒く変色した血が染みついていた。

 思わず口に手を当ててしまう人や私みたいに吐き気をこらえる人、こんなものを見せ付けられて平静でいられる人は一人もいなかった。


「本当にそんな非人道的な事がこの国で行われていたというのか! 宰相ッ!」

「これは国の発展に必要不可欠なのです。そう、我らが王はそれを望んでいる」

「陛下がこんな事を承知しているとは思えん! すぐに確認をとるぞ!」

「おや、先ほどの言葉はどこへやら? 命がけで国を守るのでは?」

「ここにいては守れんだろう!」


「守れますよ。だからこその実験なのです」


 ようやく自分達が何の為にここに連れてこられたのか、全員が理解した。威勢がよかった兵士達もみるみると青ざめていく。


「ふざけるな、ベルムンド! もし、陛下……いや、あの王が了承している事だとしたら尚更俺はこの事実を外部へ伝える!」

「正義感の強い、いや。忠誠心のない()もいたものですな」


 その兵士はすぐに行動に移した。その鍛え抜かれた足腰での走りは、少なくとも老人に追いつけるものじゃない。走ればせいぜい1分とかからない出口、だけどこの実験場を上回る信じられない光景がすぐに飛び込んできた。


「ですから、命をかけるというのは嘘だと?」


 軽やかな半月を描くようなベルムンドの跳躍、それは老人のものじゃなかった。走り抜く兵士の前へ着地するまで、誰もが言葉が出なかった。私達の頭上を飛び越え、老人が退路を塞いだのだ。私達だって馬鹿じゃない、それがどういう事かすぐに思い知った。


「う、うあっ!」

「その命、懸けてもらいますぞ? とはいえ、不安はありましょう。その為にあなた方の隊長は先陣を切ったのです」

「何を言っている……」


「ベルムンド殿、ブラックビーストの出撃が完了しました」


 奥の扉から国の最高権力者達がゾロゾロと出てきた。もちろん全員ではない、だけどそこにいる一部の権力者達はすでにベルムンドの息がかかっていたんだ。そしてそれらの周りにいる護衛の兵士達、いずれも城内屈指の実力を誇るベテラン達ばかりだ。

 そういう事か、何も知らないのは私達だけだった。この国はすでに根元から黒く染まっていた。朝から晩まで、国民が汗水垂らして働いて収めた税でこの人達はこんな風に。人を活かすはずのお金が人を殺していたんだ。私も同じだ、子供みたいにはしゃいで兵士になってがむしゃらにがんばって。ようやく小隊長になれただなんて喜んでいた。

 一体、私はこの国で何をしたかったんだろう。何を学んできたんだろう。何を守ろうとしたんだろう。何でこんなところで、私は。


「イリン……シュリ……リュアさんなら何とかしてくれるかなぁ?」


 すでに私の頬に涙がつたっていた。もう隊長としての威厳も何もない、ここにいる私は絶望をつきつけられて涙を流す女の子でしかない。しかもこんな時になってリュアさんの名前が出てくるなんて、彼女に対して失礼極まりなさ過ぎる。都合のいい助っ人としか考えていない、私は彼女に助けられてばかりなのに。


「さぁ、奥へ進むのです。作業はあちらで行いますので」

「う、うあぁぁぁ!」


 緊張の中、耐え切れなくなった兵士の一人が錯乱してベルムンドに槍を向ける。だけど細い老人は自分を突き刺そうとした槍を避けず。


「いいでしょう、やはり見せしめは必要という事ですかな」


 指2本だけで槍の尖端を掴み、もう片方の腕で手刀を繰り出して槍をへし折った。その槍を兵士の喉に突き刺すまでわずか数秒とない。すぐに辺りに血が撒き散らされ、空気が漏れ出たような異様な音が兵士の断末魔だった。


「ひ、ひぃぃぃぃぃ!」

「ベルムンドさん! あんた、イカれてる! なんだってこんな事するんだよッ!」

「オイ! ウソだろ?! オイ!」


 阿鼻叫喚、そんな光景の中で一際痛々しく私の目に写ったのは、今殺された兵士の友人の訴えだった。半狂乱になりながら友人の亡骸にすがりつく姿だけでも、とても見れたものじゃない。もしあそこで殺されたのがイリンかシュリだったら。全身の震えが止まらないのを自覚しながら、私は必死に胸を押さえて呼吸を整えるのが精一杯だった。


「しかし、この段階でブラックビーストを城内に放つのはいささか早計では? 冒険者もいるのでしょう?」

「実験も兼ねているからな、多少の犠牲は致し方ない」

「それもそうですな、カムラン殿。ハッハッハッ!」

「ベルムンド殿がおられるので、何かあっても心配はないでしょう。研究成果が上がれば、"後の国"での我々の地位は安泰だ。いやはや、やはり下につく相手は考えねばなりませんな。ウワッハッハッハッ!」


 目の前の殺戮をまるで酒の肴にでもしているかのようだった。恐怖と怒りで自分自身がどうにかなってしまいそうで、気を抜けば私もさっきの兵士と同じ末路を辿る。恐怖に打ち勝ち、ベルムンドに刃を突きたてかねない自分と恐怖に支配されつつある自分。今まで味わった事のない不快な二律背反。

 彼の愛国心は国内でも有名だ。それなのに虫ケラのように自国の兵士を手にかけた事が、私の中であの老人を得体の知れない怪物へと変貌させていった。


「始めましょうか。どなたか、先行する方はおられますかな?」


 名乗り出るわけがない。ベルムンドもそれを知っていて、この状況を楽しんでいる。ひどすぎる、私が愛したこの国の宰相がこんな化け物だったなんて。こんなの人間とは認めない、人道に背いた人間なんて人間じゃない。

 ここで、ベルムンドに従ってわけのわからない化け物になるなんて絶対に嫌だ。だけどここから逃げ出そうとすればさっきの兵士の二の舞だ。ベルムンドがあんなに強いなんて知らなかったし、私の実力じゃ確実に殺される。いや、この場にいる全員が反乱を起こしたとしてもあの老人は造作もなく鎮圧する。じゃあ、どうするの。

 最後まで人でいるには、たとえ殺されるとわかっていてもこうするしかない。ここで死ねば少なくとも、人のままでいられるはずだ。カークトン隊長なら絶対にそうする。人の国を守るのは人だ。化け物じゃない。私は自分の中にある誇りをすべて搾り出すかのように、無理矢理にでも奮い立たせた。汗ばむ手の平を拭い、槍を握る。ベルムンド、お前の思い通りにはさせない。私は私のままだ。いざ――――


「これから何を始めるつもりかな?」


 暗い石廊下の奥、つまり私達が入ってきたところからしゃがれた声がした。散歩でもするかのように、そのおじいさんは杖をつきながらのっそりと現れる。白髭が伸びに伸び、白く太い眉はおじいさんの目を覆いそうだ。腰が曲がっていながらも、その人は何の苦もなさそうに歩く姿からして只者じゃない。

 さすがのベルムンドも背後に現れた謎のおじいさんには意表をつかれたみたいで振り返るなり、警戒姿勢をとる。


「あなたは……」

「久しぶりじゃな、ベルムンド」


 このやり取りで二人が知り合い同士だとすぐにわかった。でもこの人が何者でどうやってここまで来たのか、わからない事が多すぎる。にらみ合う互いの視線が激突して今にも火花を散らしそうだった。


◆ アバンガルド城 城壁内側 ◆


「捕えた」


【"新緑魔術士"ノキリ Lv:51 クラス:ワンダーメイジ ランク:A 63位 HP 254】


 なるべく速度を落とさないように駆け回っていたのにいきなり捕まった。どうも、ボクの何らかの動作に対して発動するタイプのスキルらしい。地面から木の根っこみたいなものが何本も飛び出してきて、カボチャみたいな牢屋を作る。しかもこの牢、本命は足元にある粘液だ。このねばねばしたものが、ひっついて思わずこけてしまったから。


「でかしたッ! いきなり捕まえられるとは俺達、ついてるぜ!」


【"跳剣"フランクス Lv:48 クラス:ソードマスター ランク:A 70位 HP 547】


 四方八方から、根の隙間をぬって剣が刺し込んでくる。逃げ場がない上に絶体絶命のピンチ、なんてあるはずがない。


「一撃! 必殺! ハイパーフレアミラクルバーストスペシャル」

「いいから早く撃てや、クソアマ!」

「アタシの一撃美学に口出しするなやぁぁぁぁぁぁ!」


【"一発屋"ドンカ Lv:35 クラス:ウィザード ランク:A 103位 HP 183】


 謎のやり取りにも関わらず、血の気の荒そうな女の人は無事魔法を撃てた。どういう魔法なのかよくわからないけど多分、爆発系だと思う。威力もそれなりだし、下手なフロアモンスターなら一撃で倒せてしまうほど。現に城壁がほとんど吹き飛び、爆風で仲間の二人どころか自分までぶっ飛んでいる。


「んがぁぁぁぁ! これぞアタシの一撃美学! 下らない戦術なんぞいらぬ! 一撃で勝負を決めてしまえばよかろう! よかろおぉぉ!」

「あー、いてて……なんつー威力だ……さすが一発屋……」

「うるせぇぇぇ! 一撃で終わらせれば二発目なんぞいらんわぁぁぁ! 一撃美学に隙はないッ!」

「だからいつまで経っても順位が上がらないんだよ……ていうか、お前がどうやって昇級試験をクリアしたのかが謎でしょうがねぇ」

「うるせー、お前は剣飛ばしてろ!」


 すでに勝ったかのような雰囲気で談笑を始めた3人。はっきり言っておんぶをしているクリンカに何かあったら、こっちが一撃で決めてやったところだ。煙でよく見えていないのかわからないけど、ボクを倒せたかどうかも確認しないなんて。それにしてもあの赤い三つ編みの子、口も悪いし声も大きい。アマネさんとは違った荒々しさがある。


「ねぇ、もう通っていい?」


 無傷のボクが煙の中から出てくると、3人の会話が止まった。だけど身構える素振りを見せただけで、どこか諦めきっている。あれで倒せるとは心の底から思ってなかったようで、小さく2人のうち1人が小さく溜息をつくのを見逃さなかった。


「ウソだ……アタシの最高威力の魔法が、が、が……」


「かわしてすらいないもんな……つまり、真正面から受けてノーダメージだ。ハハッ、なんだこれ。本当に人間か?」


 とは言っても、ボクに剣を飛ばしたこの人はまだ何かをやるつもりだ。もう相手にしても切りがないから放っておく事にした。と思ったらこっちが考える暇もなく、剣飛ばしの人が両手に剣を持ち始める。そしてそれらを見当違いの方向へ投げたと思ったら城壁に当たり、跳ね返った。結果的に絶妙の角度で刃がボクに向かってくる。

 上からも左右からも迫る刃。人によっては目にも止まらない速度だと思う。串刺しに留まらず、並みの肉体ならそのまま貫通してまたどこかに当たって跳ね返り、繰り返す。踊るような楽しい動きの剣、だけどさっきの魔法よりは格段に威力は落ちる。かわすよりここは普通にあえて棒立ちだ。そこそこの値打ちはしそうな剣の数々はボクの皮膚に当たっただけで、力なく地面に落ちた。


「おかしいだろ、こんなの! 何らかの防御系スキルか?! そうでないと説明がつかねぇ! この跳剣は未だかつて破られた事がないんだ! あのミスリルゴーレムだって貫くほどの」

「これ以上攻撃するなら反撃するよ?」


「う……うわあぁぁぁぁぁぁぁ!」


 半分正気を失い、錯乱状態に陥った跳剣の人が今度は自分から接近戦を挑んできた。宣言どおり、ボクは向かってきた男の人の顎に軽く横から一発当てる。くらりと体が揺らぎ、意識を失ったまま倒れ込んだのを確認した後で他の二人がようやく反応した。


「か、か、勘弁して下さい! 一撃美学とか調子に乗ってマジすんませんでしたぁぁ! 命だけはぁ命だけはぁ!」

「いや、この新緑魔術士……まだすべてを見せてはいない」

「もういいってばさぁぁ! こんなの勝てるわけないって普通わかるでしょうよぉぉ! もう張り合わなくていいからぁ! わぁぁぁん!」


 新緑魔術士の腰にすがるように抱きついて泣き叫ぶ一発屋の人があまりにかわいそうに見えた。


「どいてろ。瞬撃少女を相手するにはお前らじゃ実力不足だ」


 城壁の曲がり角から現れたのは、大きな斧を肩に乗せたまま歩いてくるガンテツだった。ここでボクは初めてショックを受ける。まさかこの人までいるなんて、つまりボクの事を疑っている証拠だ。お金目当てで引き受けたとは思えないし、何よりあの不敵な笑い。優しかったおじさんのイメージが崩れていく。


「ガ、ガンテツさん……」


【"豪闘士"ガンテツ Lv:33 クラス:ウォーリア ランク:A 89位 HP 460】


「よぉ、派手にやってるみたいじゃないか。次は一発、俺の相手でもしてもらおうか……そりゃっ!」


 斧を雑に振り上げたせいか、それがガンテツの手からすっぽ抜けて明後日の方へと飛んでいった。いや、握りが余ったんだ。しかもそれに少しの間だけ気づかなかったのか、本人は斧を構えたままだ。間を挟んでからようやく自分の右手の異変に気づき、後ろへと飛んでいった斧に気づいた。


「おわぁぁ?! すっぽ抜けたぁ! お、俺の斧ぉ!」

「ば、バカッ……ガンテツさん、あんた何しに来たんだ?!」

「斧はどこにいった?! あっちか! あっちに飛んでいってる!」

「あんた、しばらくろくに戦闘もしてなかっただろ……。歳も歳だし、いい加減に引退を考えるべきだ」

「あっちだ! あっちだ!」

「わかったって……て、そっちじゃないだろう! あんたの斧はあっちだ! ホント大丈夫かい?!」


 呆れ返った2人は老人でも労わるかのように、揃ってガンテツをサポートし始めた。何をやっているんだろう、ボクだってそう思ったほどなのにクリンカはまたしても意外な事を耳打ちしてくる。


「リュアちゃん、あっちのほうが手薄だって。いこう」

「え、え? なんで?」

「ガンテツさんがそう教えてくれたんだよ」

「今ので?!」


 遠回しすぎてまったくわからなかった。なるほど、その為にあの人はわざわざ参加していたんだ。警備が手薄な場所を調べる為に、そこまでしてくれた。別にどれだけいても、ボクにはあまり関係ないけどそういう問題じゃない。何よりボク達の為を思ってしてくれた事がうれしかった。


「なんか、うれしくて涙が出そう……みーんな、敵だらけなのにさ」

「いい人と知り合えてよかったね。わかってくれる人はちゃんといるんだから」


 直接、お礼を言えないのが歯がゆい。心の中で何度もお礼を言いながらこの場を離れると、今度は迷路みたいな場所に出た。朽ちそうな小さな壁がいくつも並んでいて、置き去りにされた木材か何かが積んである。あまり人が出入りしていないような、寂しい場所だった。

 思ったほど冒険者は雇われていないのかな。城の兵士達はほとんど城壁の上でボク達を迎え撃つ役目を命じられたとしか思えない。確かにあの兵士達よりは高ランクの冒険者のほうが強そうだし、配置としては間違っていないのかも。


「研究施設があるとしたら、こういう人気のない場所なのかなぁ」

「うーん、実は心当たりがあるの」

「え、ホント?!」

「ええとね」


「そこまでにするんだな、二人とも」


 日当たりの悪い、静かな裏庭のような場所で張りのある声がボク達を呼び止める。ここはアバンガルド城だし、その人がいるのは当然なのにボクは心の中でガッカリした。しかもその声にはまったく迷いなんかない、何としてでもボク達を止めようとする強い意志が宿っていたような気がしたから。


「カ、カークトンさん……」

「自分がどれほどの事をやらかしているか、わかっているのか。今なら私が出来る限り、取り持とう。いくらか罪は軽くなるはずだ。リッタの件といい、君達にはたくさん助けられているからな」

「カークトンさんはこの国がやっている事について知ってるんでしょ? それなのに」

「私は軍人だ! 私情など挟まん!」

「見損なったよ! いい人だと思ったのに……やっぱりあの夜の事は全部……」

「あぁ、あれは逃げ出した実験体だ。失敗作だがな」


 信じられない、何度そう口にしても足りないくらいだ。ボクを殺そうとした事とリッタに接していた態度と照らし合わせると、どうしても切なくなる。リッタは隊長がこんな人だと知っているのかな。リッタはこの人を信頼してついてきたはずなのに。


「リッタちゃんが知ったら悲しむよ」

「そうだろうな、ロエル君。だがそんな事はどうでもいい、私にとって大切なのは他にある。たとえ君達が魔王軍でないとしても、な」

「カークトンさんならわかるはずだよ。ボクには勝てないって」

「だからといって逃げ出すようでは軍人など務まらんよ。それにまるで勝算がないわけでもない」


 ボク達が聞き返す前に答えは出てきた。そう、その答えはまさに歩いてやってきたから。黒い風貌、猫背の巨体。魔王城に保護された、イカナ村の人と瓜二つだった。人間の筋肉部分を残しつつ、硬そうな皮と毛皮で覆われた怪物。


【ブラックビースト・グルンドムが現れた! HP5222】

【ブラックビースト・カンクが現れた! HP 9561】

【ブラックビースト・マリリンが現れた! HP 8433】


「一匹あたりの戦闘能力は最低でもギガースホースをも凌ぐ。対魔王軍用として備えたかったところもあるが、こうなっては仕方ない」


 今こうして見ていると、確かにあの夜見たものとどこか似ている。どうして今まで気づかなかったのか不思議なほどに。ただひたすらに冷たい王国兵隊長の前にその3体が立ち並び、その赤い瞳には完全にボクが写っていた。


◆ シンレポート ◆


いっぱつやのおんなが どうやってしけんを とっぱしたのか

しんも ちょっぴり きになる おとしごろ

まぁ りくつじたいは まちがってないです

ただ それは あいてのせんりょくが はっきりと わかっていたときの はなし


ついに でこたいちょうが あらわる

しょうじき こいつのじつりょくじゃ どうしようもない

けんきゅうせいかの さんひき まおうぐんのぞうひょうあいてなら

つとまるかもですが

じゅうにしょうまくらすは まずむり

むりむり かたつむり

さんざん めのまえで しゅんさつぶりを みてきたのに

あのでこは まったく もう

でも なんか あのでこ ほんしんで かたっていないような

そうでないような よくわからん


ところで さっき あごにいっぱつ あてられたおとこ

あごのほね ばくさいしてないですか

くびのまがりかたも なんか あぶないし

りゅあのやつは ひとをころしたくないなら まず てかげんの

しゅぎょうを するべき

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ