第147話 瞬撃少女 その1
◆ アバンガルド王都 海賊亭 ◆
「リュアちゃん、食べないの? せっかくオープンしたばかりの店だよ?」
「食べてるよ。クリンカこそ……ごめん、すでに30皿重なってたね」
ボク達がカシラム王国に行ってる間に出来たばかりの店に行ってみようと張り切るクリンカの事だ。どうせ食べ物の店だと思ったら本当にそうだった。海賊達が船の上で食べている料理を再現したものばかりらしく、確かにそこらの店とはちょっと違う。とにかくどれもビッグサイズで、握り拳くらいのパンが重なった皿や極限まで山盛りの芋料理と見た目だけで圧倒される。
普通の人がこんなに食べられるのと思って周りを見ると、意外と皆消化していた。もちろんクリンカなんて30皿目だ。普段はお金のやりくりにうるさいくせに食べ物に関しては糸目をつけない。奈落の洞窟での生活が長かったボクも食べ物には人一倍執着があるし、ガンテツやセイゲルと食事をする度に驚かれるくらい食べる。だけどクリンカはその3倍は食べる。ドラゴンだからかな。
「お待たせしました、ゼリーフィッシュのカブトバター焼きでございます」
「わぁ! きたきたきたきた! リュアちゃん、食べよう!」
ボクの頭くらいの大きさはある魚の頭だけが乗った皿に手をつけ始めたクリンカ。あんなのどうやって食べるんだろうとぼんやり眺めながら、ボクはアレイドのレベルが昨日から気になって仕方がなかった。あいつが一体どこでどうやって戦ってきたのかわからない。奈落の洞窟で10年戦い続けたボクのレベルが2000くらいなのにあいつは9999。
あいつはボクより多分10歳以上も年上だ。だけどそれだけ。勇者ってそんなにすごい存在なのかな。それともあいつがすごいのか、まったくわからない。ただ、自分よりも上のレベルがある人間が出てきた事にボクは少なからずショックを受けていた。
ボクは負けるのが嫌いだ。10年間、どれだけ負け続けてきたと思ってるんだ。負けて負けて負けて何度も死にかけて、ようやく勝利を掴んだ後でまた負けて。勝利と敗北を重ねて培ってきたボクの力をあいつは軽々と超えているというんだろうか。
「いや、そんなはずないよ」
「へ? ゼリーフィッシュの味?」
「あいつからは何も感じなかった。ディスバレッドが暴走しかけた時でさえ、あいつはオロオロしていた。あの時どうすればいいか、それなりに実力があるならわかるはずだよ。ボクがそうしたように、何らかの方法で解決したはず。だけどあいつはそれが出来なかった」
食感がゼリーみたいだからゼリーフィッシュと名づけられたと、今のボクにはどうでもいい解説をするクリンカは魚の目玉をつっついてくり抜いた。食べる事に夢中でボクの話なんか聞いてないのかな。いや、ボクのはただの呟きだった。
「うーん、リュアちゃんはあの人どう思う? 例えば体つきとか、見る人が見ればそれなりに経験をつんでいるなーとかわからないかな」
「そう! そこだよ、クリンカ! ボクが一番納得いかないのはそこ!」
「そこってここ?」
「そんな目玉じゃなくて! あいつを見ていると、とても戦いをそこまで積んできたようには見えないんだよ! それどころか……うまく言えないけど。つい最近までまったく剣すら握った事がなかったんじゃないかとさえ思えるんだ」
「そうなの? 私にはよくわからないけど……」
体つきについては服で見えないけど、例えるなら昨日ディテクトリングで計ったマイクという人がとても強かったら、みたいな違和感。そりゃティフェリアさんだって武器を持ってなかったら強そうには見えないけど、そうじゃない。理屈じゃない、感覚の問題なんだ。
「例えばだよ、あそこで大皿を傾けて自分の口に料理をかきこんでる太ったおじさん。あの人、強そうにみえる?」
「見えないかなぁ……。多少強かったとしても、もし誰かが武器をとっていきなり襲いかかったらあっという間に死んじゃいそう。知らない人なのに失礼な話だけど……」
別に太ってるから弱い、鍛えてないとかそういうわけじゃない。太っていても強いのというとグラーブがいる。あいつは一目見ただけで危なそうな雰囲気が漂っていた。これまでに何人も殺してきたとすぐにわかるような血生臭さ。アレと比べると、あそこのおじさんは本当にただのおじさんだ。それどころか、かなり優しそう。
「こういうの、セイゲルさんならもっと詳しく説明できるのかなぁ」
「そういえばあの人、まだカシラム王国にいるの?」
「あ……。か、帰る時に乗せていってくれと言われてたような……」
約束をすっぽかした事を忘れるようにボク達は大皿に乗っているカブト焼きをつっつき始めた。目玉が思いの他おいしい。心が落ち着いてくると不思議と喧騒にも耳を傾ける余裕が出てくる。威勢のいい店の人の張り上げる声と追加注文を繰り返す人達で賑わう店内。
昨日はクリンカがつけていたディテクトリングを今日はボクがつけている。最初は遠慮したけど一回試すと次々にやってみたくなるらしい。誰にしようかな。
「もちゃもちゃもちゃもちゃ」
「ちょ、シンちゃん! 大人しくしてなさい!」
ところでテーブルの下でネズミみたいに料理をかじってるシンが微妙に邪魔臭い。足が当たろうものなら、小さな手で叩いてくるし蹴り返してやろうかと思うくらい。
「なぁ、メシ食い終わったら例の占い師のところに行こうぜ。めちゃくちゃ当たるって評判だとか」
「でもすごい行列なんでしょ? 並ぶのはやだなー」
「いいじゃんいいじゃん、旅の占い師って言ってたし機会逃がしたらいなくなっちゃうぜ」
「そうだね、確か場所は西通りのほうだっけ?」
隣の丸いテーブルに座る男女の冒険者らしき人達の会話が気になった。綺麗になった皿だけを残して、二人はすぐに席を立っていなくなった。占い師って何だろう。
「クリンカ、今の話知ってる?」
「ううん、最近来たばかりなら私達が知らないのもしょうがないよ。占い師かぁ」
「占い師って何なの?」
「未来の事を教えてくれる人の事だよ。もちろん必ず当たるわけじゃないけど、腕のいい占い師ならかなりの精度だって聞いた事がある」
「未来の事?! そんなのわかっちゃうの?」
「冒険者にも占い師のクラスの人はいるけど、そこまで万能でもないみたいだよ」
「行ってみよう!」
心の準備も出来ていないクリンカを引っ張って急いで店を出ようとした時にお金を払ってない事に気づく。お店の人の罵声を浴びせられて、ひたすら謝った後でお金は払った。元海賊の人達が開いているお店だという噂があるみたいだけど、どうも本当だと思えるくらい荒々しい。
◆ アバンガルド王都 西通り ◆
「先日、ノルミッツ王国へ引っ越す予定だったんだが占い師の言う通り、やめて正解だった。道中でウルファングが珍しく大量発生していたみたいで、犠牲者も出たみたいだな」
「本当かよ?」
「すぐに退治されたみたいだが、もしあのまま出発していたらと思うと……。占い師の言う通り、やっぱり悪魔の仕業かもしれん」
勇者の剣待ちの時を思い出すほどの長蛇の列だった。もちろん、口々に占い師の話題で持ちきりだ。道の端に布を被せたテーブルを置いて、何かガラスの玉か何かに手をかざしているおじいさん。その両脇には怪しげなローブを着た人が二人。護衛か何かだと思うけど、それだけで占い師というもののイメージが固まってしまった。
「タレサズハマクブルベノリユソク、タレサズハマクブルベノリユソク……カァーーーーッ!」
ほら、怪しい。腰がくの字に曲がったおじいさんといい、あのよくわからない呟きといい両脇の人達といい怪しい要素しかない。それに伴ってガラス玉が青白く光りだすのも怪しい。とにかく怪しい。
「む……! これはまた厄介な悪魔が憑いておりますな」
「そ、そうなんですか?! 俺が彼女にフラれた原因ってまさか……」
「それに限らず、先日空き巣に入られたのも恐らく……」
「何とかならないんですか?」
「安心なされ、祓えない相手ではない、ただしその場合ほんの少しだけコレが、の」
占い師が親指と人差し指で輪を作り、神妙な顔つきで男の人を見る。男の人も迷わず、すぐにお金を占い師に渡した。無言で頷いた占い師がまたガラス玉に両手をかざし、並んでいる人や見物人も固唾を飲んで見守る。
「タレサケリトカウヒョ、タレサケリトカウヒョ……クワァァァァァァァッ!」
より一層輝いたガラス玉の光を前に思わず目をつぶってしまった。光の目潰しって思いの他、意表をつかれるんだっけ。奈落の洞窟でもそのせいでしばらく目が開けられなかった事があった。この占い師はそういうの考えていないの。
「ふぅ……悪魔は去った」
「本当ですか?! ありがとうございます!」
「邪気の残り香のようなものが心配だ。念の為、しばらくはこれを持ち歩いておきなさい」
「これは……?」
「邪を寄せ付けない聖水のようなものだ。これに関してはお金はとらん」
「何かなら何まで……どうもすみません」
邪気の残り香のようなものって何さ。聖水のようなものって何さ。邪って何。涙すら浮かべて感謝するあの人を見ていると、本当にこれでいいのかと考えたくなる。
「クリンカ、あれどうなの?」
「え、えーと。占ってもらわない事には何とも……」
この誤魔化しようからしてクリンカは疑ってる。絶対に。
「いやー、あの占い師の悪魔占いは本当によく当たるんだなこれが」
「オードさん、もうすぐオレ達の番ですよ!」
「何を占ってもらうんですか?」
久しぶりに聞いたこの名前。名前が同じなだけでボクが知るあいつじゃない事を願ったけど、残念ながら叶わなかった。逆立った箒頭と知らない人が二人。今まで気づかなかったけどボク達よりも少しだけ前にいた。
「お、そこにいるのはリュアにロエル! いやー久しぶりだな、最近見なかったけど何してた?」
「カシラム王国に行ってて、この前帰ってきたところだよ」
「カシラム王国? へぇ、物好きだな……あそこは衛生環境もあまりよくないし、国王が有名な暴王だから近寄りたくない場所の一つだわ」
せっかくクリンカが親切に答えてあげたのに、どうしてそういう不快な事を言うのかわからない。ボクもあの王様はあまり好きじゃないけど、それでも初対面の時よりは印象がよくなった。だから気持ちはわからないでもないけど、あいつに貶されるのは腹が立つ。本当はロエルじゃなくてクリンカだと教えてやろうかと思ったけどやめた。
「でも会ってみると意外といい人だったよ」
「そうなのか? 不平を言った国民の首根っこを捕まえて一日中パシーブに縛り付けて引きずり回したとか、ろくな噂聞かないぞ……」
「そ、そんな事しないよ! そんなの噂!」
「オード兄貴、まさか瞬撃少女と知り合いなんですか?」
「おう、まぁな」
少年らしき二人がオードを兄貴と呼んでいる。武器を携帯しているという事はこの二人も冒険者なのかな。いや兄貴って。
「すげぇ! 駆け出し冒険者の頃から面倒を見ていたってのは本当だったんですね!」
「そ、そうとも言うかな……」
「オレ達も鼻が高いっす!」
「ねぇ、どういう事?」
無意識のうちにちょっと威圧してしまったみたい。オードの顔色が蒼白になって苦笑いして、ボクと距離を置き始めた。ハハ、なんて乾いた笑いでごまかしているところを見ると、これ以外にも調子に乗ってある事ない事喋ったに違いない。
ポイズンサラマンダーに踏み潰されそうになったところをガンテツに庇ってもらったのをなかった事にしているなら、ボクは本気でこいつを許さないよ。
「え、瞬撃少女がいるのか?」
「うぉぉ! 本物だ!」
「思ったよりかわいいな!」
「ちょっと触らせて!」
オードのせいで一気にボク達に注目が集まってしまった。どさくさに紛れて腕とか胸を触ろうとした人の腕を握ると、この世の終わりみたいな顔で痛がったのでやめてあげた。列も何も揉みくちゃになって取り囲まれるとさすがにどう反応していいのかわからない。
「そうだ、リュアさん先に悪魔占いやってもらってよ」
「え、いいの? というか悪魔占いって……」
「そう、悪魔!」
占い師が大声を張り上げて、尖った爪先をこちらに向けている。よく見るとなんだか気味悪いおじいさんだ。皺だらけでクチバシみたいな鼻、釣り上がった猫みたいな赤い瞳。見た目で判断しちゃいけないけど、悪魔占いという名前も相まってこの人自身が悪魔に見えてくる。
遠慮しても、どうぞどうぞと皆が道を開けてくれるので進むしかなかった。一定の距離まで近づくと、両脇にいる二人が前へ出て牽制してくるのでそこで止まる。やっぱり護衛みたいな役割なのかな。何もこんな怪しい格好しなくてもいいのに。
「悪魔というのは実のところ、日常どこにでも潜んでいるわけですな。奴らは人の弱い心に付け入り、潜りこむ。些細な事象から命に関わる災厄まで様々ではあるが、人はそれらをすべて偶然と片付ける。これはいかがなものか」
「はぁ……そうですね」
「だが……時として人自身が悪魔という事もある」
爪先を向けたまま、占い師は語り続けた。両脇の人の顔を何となく覗こうとしたけど、どうしても顔がよく見えない。そんなボクの動作を占い師は鋭く睨む。何も悪い事をしてないはずなのに、申し訳ない気分になった。
「悪魔の心を持った人間、それもまた悪魔」
「はぁ……そうですね」
クリンカもさっきから同じ反応しかしてない。話の内容はよくわからないしどうでもいいけど、ただ悪魔という単語が気になる。悪魔に詳しいならこの人ならもしかして。
「ねぇ占い師さん、翼が片方しかない悪魔っているの?」
「む……? まぁ、存在しない事もないが……」
「本当?! どこにいるの?! どこ?」
「それは……どこかにいるのかもしれんが、もしかすれば人の心の中にいるのかもしれん」
「……どういう事?」
「先程もいったが悪魔というものはどこにでもいる。人の皮を被った悪魔かもしれん、悪魔のような人間かもしれん。だがな、時として悪魔を写し出すのは人の心だ。醜悪な心こそが悪魔に見せる」
「結局どういう事?」
「悪魔というのは一つの形に留まらないという事ですな」
だから結局どういう事。わからないならわからないと言ってくれたらいいのに、こっちまで余計にわからなくなってきた。
「それはすなわち、虚像でもあり偶像でもある。と、長々と話していても仕方ありませぬ。さてさて、何を占ってほしいのですかな」
「……ボクの村、イカナ村を滅ぼした悪魔がどこにいるかわかる?」
「確実ではありませんがやってみましょう……ほわぁぁぁぁぁぁ……」
占い師の手の動きに呼応してガラス玉がまた淡い光を放ち始めた。もしかしたらこれでボクの目的が果たせるかもしれない。町の人達にこれだけ信頼されているんだから間違いない。あれだけ怪しんでいたはずの占い師をボクはいつの間にか信じてしまっていた。
自分でもおかしいと思うけど、やっぱり大勢の人達が認めたものというのは強い。
「ぐあぁぁぁぁッ!」
光が強まる直前だった。ガラス玉が無数の破片になる瞬間、光も消える。亀裂が入る事なく飛び散った破片は当然、ボクにも襲いかかった。とっさに目をつぶり、その場からクリンカを抱えて離れるまでの動作は自分でも褒め称えたいくらい鮮やかだ。
ボクが離れた後に周りの人達がようやく悲鳴を上げて、事態を把握する。丸いガラス玉が粉々に砕け散ったのを目の当たりにした占い師は小刻みに震えだした。
「こ、こ、これは……まさか……」
椅子から立ち上がり、よろめきながら後ろに下がる占い師を支える両脇にいる二人。どこからか取り出した布で額を拭いて占い師は自分を落ち着かせようとしている。
「何が起こったの……?」
「悪魔……悪魔だ……」
心臓が高鳴った。こういう嫌な予感はよく当たる。占い師の震える指先がボク達を指していた。
「悪魔だ……気づかなかったがこの娘二人は悪魔だッ!」
占い師がそう絶叫した途端、周囲がボク達に視線を突き刺す。
「とてつもない、人の手には余る悪魔だ! 可愛らしい少女の姿を借りて何食わぬ顔で人々に溶け込んでいたのだ! この二人をすぐにこの町から追い出せ! さもなくば、災いが降りかかるぞ!」
「オイオイ! いきなり訳のわかんねー事言ってんじゃねぇぞ! じいさん! そりゃいくらなんでもムチャクチャだろ?」
占い師の絶叫に真っ先に反応したのはオードだ。事態に怯える二人を放っておいて箒頭を揺らし、怯む事なく占い師ににじり寄る。クリンカは無意識のうちにボクの後ろに隠れてしまうし、ボクがしっかりしなきゃ。
「でたらめな事ではない! 考えてでもみろ! この城下町が魔王軍に襲われたのはいつだ?
その娘達が来てからだろう! それまでは何事もなく平和だったのにも関わらずだ! それだけではない! 獣の園の襲来とて偶然ではないぞ! それでなくても各々の胸に手を当てて考えてみろ! 身の回りに起こった災いを!」
気まずそうな顔をしながらも皆は何かを思い当たったのか、ボク達をまるで魔物でも見るかのように怖がっている。そんな目で見られるとさすがに辛い。ボク達は何もしてないのに全員ではないにしても、この占い師の言う事を信じそうな感じだ。
「その瞬撃少女が魔王軍を撃退してくれたんだろ?」
「でも……言われてみればなんでこの国が魔王軍に襲われたんだろ?」
「魔王軍って今は無差別にいろんなところを襲ってるんだろう? この国が先だっただけの話だ」
「本当にそうかしら……」
ボク達を信じてくれている人達も少なからずいる。でも疑いを持ち始めている人達がいる事実がショックだった。そしてまさかオードが先陣を切ってボクを庇ってくれるなんて思いもしなかった、もしかしたらボクはあいつを嫌いすぎていたのかもしれない。
「何をしている! 見える……見えるぞ! 次なる災いが! 早くその娘を追い出すのだ! 嵐が……嵐がくるぞォ!」
雲ひとつない晴天であの発言を信じる人はさすがにいない。だけど悪い事は立て続けに起こるみたいで、影も形も見せなかった雲が突然集まり始めた。
「おい……雲行きが怪しくないか?」
誰かがそう言った後、雨粒がほっぺたに染みる。一つ、二つと数を増やして速度も増し、豪雨になるのにまったく時間はかからなかった。
「うひゃぁ! なんだこれ! 今まで晴れてたじゃないか!」
「雷まで鳴りだしやがったぞ!」
「ま、まさか本当に……」
豪雨に続いて空が光って風が強まる中、全員の視線がボク達に集まった。この場で冷静に皆を避難させようとしているのはただ一人、オードだけだった。
◆ シンレポート ◆
しんれぽが ぬれて たいへんなことに あぁ
あめ あめが とりあえず こいつらの どうぐぶくろのなかに
あのうらないし どこかで みたきが するのです
このてんさいてきな しんのずのうなら わすれるはずもないのですが
ふむー それにしても どこのばかかは しらないですが
しゅんげきしょうじょと わかっていながら なんという ろうぜき
これは さすがに あとが こわい
いや あめにぬれて わかりにくいですが ちょっと なきそうです
どれどれ このしんが あふたーけあを
いやいやいやいや なんで しんが そんなことを
どうも さいきんの しんは おかしい すこぶる おかしい




