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気持ち想像シリーズ

コンパスの気持ち

作者: 峰崎 愁莉

気持ち想像シリーズ第4弾!

コンパスの気持ちを想像してみました。

え・・・ちょ・・・・



股を開くなぁぁぁァァァァァァァっ!!




「んーと・・半径はぁ・・・」



半径??

俺の開いてる股幅ですが何か?



「んと・・・10センチっ。 だから・・このくらい開くのかな?」



いたぁぁぁぁぁぁぁっ。



ちょ・・マジ・・・股裂けるってのっ。




「よいしょぉ」



俺を1回転させるな。

この体制はキツイんだって。




まぁ、腰のあたりでねじっていうヤツで固められてるから

少しは楽なんだけどさぁ。



目回ることだってあるんだよ。


お前ら人間、一回この体制で一回転してみろよ。


辛いんだって、ホントに。



利き足を中心にして、あとは反対の足をぐるっと一周。




10センチの股幅だから結構開くはずなんだけど・・・。




・・・っておい、人間と俺の股じゃ全然辛さが違うじゃねぇか。





お前らにとっての10センチって、ほんのこれっぽっちの幅かもしれないがな・・

俺らにとってはすげぇ大きい幅なんだよっ!!








あ、ちなみに頭は上の人間に持たれる部分。

いっつも俺の顔、つぶされてる。


もっと、優しく持ってほしいんだけどな。






「おいおい、これで刺してやろうかぁー?」

「ねぇ、やめてよ、怖いってば」

「痛いだろうね、刺さったら」

「痛いに決まってんじゃんっ!! てかさぁ、コンパスってなんで

 先っちょがとがってんの? 危ないじゃん。 ただすべらないようにすれば

 いいだけのことじゃん」





それが俺の体のつくりだからだよ。



逆に聞くぞ?




お前らの利き足はなんで先がとがってないんだ?


お前らの利き足はすべらないようになってるのか?




お前ら人間には必要のないものかもしれないけど、俺の利き足は大事なものなんだよ。


これがなかったら、俺らの仕事を果たすことができない。





俺らには役目がある。


その役目は、お前ら人間がいないと果たすことができない。






股が裂けそうで痛くても。


目が回りそうでも。



人間がいなきゃ、俺らのいる意味がない。





できることは少ない。



だけど・・・







頼むよ。







俺らを、必要としてくれねぇか。









俺らはいつだって、



キレイな弧をかきつづけるから。










ぜひ回ってみてください。

コンパスのように。

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