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僧侶は勇者を恫喝し、魔王を従える  作者: 凜乃 初
アフターストーリー
71/74

キールの過去

「そんな……」

「トモネさん、真に受けてはいけません。魔王の嘘の可能性だってあります」


 ショックを受けるトモネに、カズマが注意する。シルビアは体中に走る痛みに耐えながら必死に今の言葉が真実かどうか考えていた。

 確かに自分達はキールの過去を全く知らない。そしてシルビアがキールの過去を詮索しても、絶対に話そうとはしなかった。

 この時点では、僅かではあるが魔王の言葉に真実味がある。しかし、キールの見た目はどう考えても二十代になるかならないかという所だ。魔王システムが開発されたのは遥か昔、今では魔王システムを作った国が無くなっているほど古い時代のことだ。その時に開発されたとなれば、キールの年齢は少なく見積もっても千歳を優に超えていると言うことになる。

 そう考えると、キールがプロトタイプの魔王というのは明らかに無理があるのだ。

 それに加えて、キールはサーニャと契約するまで魔王の魔法を使うことが出来なかった。それは魔王だったと言うことを決定的に否定するものにも思える。


「信じておらんようじゃのう」

「当たり前よ……無理がありすぎるわ」

「ふふ、そうよのう。ならば証明してやろうぞ。時の魔王である我の力で!」

「グダグダと長話をしている余裕が貴様にあるのか? 魔を刃とし、世界を嗤え。罪過の一刀(オーフェン・ソード)

「あの頃と同じ我では無いぞ。時を剣とし、世界を嗤え。時の剣(タイム・ソード)


 キールの右手に魔力で作られた刃が現れるとほぼ同時に、サタンの右手にも同じように刃が現れる。

 しかし、その刃はキールの魔力で作られた黒い刃とは違い、まるで何かが歪むようにゆらゆらと揺れている。

 時を歪められ作られた刃は、次元の断層を生み出し、どんな鉱物で作られた剣よりも強力な切れ味を持っていた。

 キールがサタンへと斬りかかり、サタンは片手で握った剣で簡単にそれを受け止める。

 これまで、その身体能力で勇者パーティーの追随を許さなかったキールの攻撃を、いとも簡単に受け止めるサタンの姿に、三人は驚きを隠せない。そしてそれはキールも同じだった。


「そう驚くことでもあるまい? 我は魔王の力を二つ持っているようなものぞ」


 もともとの契約により封印されていたサタンとしての魔王の力。そしてリズの虫によって生み出された魔王の力。

 現在は虫の力によりキールとの契約を破り、強引にサタンとしての魔王の力を取り戻してるため、サタンの力は全盛期よりはるかに高くなっている。

 だからこそ、キールの攻撃も簡単に受け止められた。


「そうだったな。ならその上を行くまでだ」

「言うだけなら誰にでもできるぞ、僧侶!」


 お互いに力を増し、鍔迫り合いを続けると、次第に剣の様子が変化し始める。キールの黒い剣はその形を歪め今にも砕けそうだ。対してサタンの剣もその歪みが小さくなってきており、剣としての形を保てなくなってきている。


「くく、それが僧侶の限界か?」

「貴様もそろそろだろ」


 そしてお互いが一気に力を込めた。瞬間、キールの魔力と時の歪が爆発を起こし、周囲に衝撃波を飛ばす。それはまるで刃物が飛び散るように周囲をズタズタに引き裂きながらシルビアたちにも襲い掛かって来た。

 カズマがとっさに前に出て、自分達に向かって来る衝撃波の刃を弓で相殺する。

 周囲に土煙が立ち上り、キールとサタンの姿を三人の視界から奪う。

 爆発に巻き込まれたキールとサタンは、お互いの距離を強引に引き離され土煙によって相手の位置を見失う。

 キールは素早くサウザンドナイフを発動させ、サタンのいそうな辺りに向けて手当たり次第に飛ばした。

 しかし手ごたえは感じられない。むしろ、この状態でサタンが何も仕掛けてこない事に違和感を覚える。

 そして聞こえてくる小さな詠唱。それを聞いた瞬間、サタンが何をしようとしているのか気付き、声のする場所に向けてナイフを飛ばす。

 しかし一歩遅く詠唱が完成してしまった。


「過去へと誘いて、世界を嗤え。時戻り(リバース・クロック)

「サタン!」

「さあお前たち、魔王の始まりをとくと見るがいい!」


 サタンへと伸ばしたキールの手は届くことなく、周囲の土煙が吹き飛ばされ、強烈な風にシルビアたちは思わず目を閉じた。



 次にその眼を開いたとき、目の前にあったはずの洞窟は無くなり、石で整えられた道路が広がっていた。

 両側には王都にも似た家が立ち並び、人通りは多く町はにぎわっている。

 そんな中で道路の真ん中に座っているシルビア達はかなり目立つ存在だろう。何せ一人は血みどろなのだ。注目を集めない訳がない。

 しかし、道行く人々の視線はシルビアたちに向けられることは無かった。まるでその場にぽっかりと穴が開いたかのように、人々はシルビアたちを避けて歩いていく。


「ここは……」

「王都ですかね? けどこんな場所無かったような」

「王都じゃないわよ。それに現実でもないみたいね」


 さっきまでの荒い息が嘘のようなスムーズな言葉に、思わずトモネとカズマがシルビアを振り返る。

 そこには平然と立ち上がるシルビアの姿があった。


「シルビアさん!? 大丈夫なんですか!?」

「言ったでしょ、現実でもないみたいって。傷が完全になくなってるわ。塞がってるとかそういうレベルじゃない」


 自分の体をさわりながらシルビアが答える。それ以前に、魔王によってつけられた鎧の傷すらなくなっているのだ。現実と思う方が無理というものだ。


「サタンが何かやったってことでしょうね」

「と、言うことは、ここはサタンの魔法の中?」

「そうなるわね。どういう魔法かは分からないけど」


 周囲を見回しながら、シルビアは様子を確認する。風景は今の王都に似ているが、どことなく違和感がある。


「カズマさん、トモネ、この町なんだか新しくないかしら?」

「新しい?」

「ですか?」


 シルビアの言葉を確認するように、カズマとトモネも街並みを見てみる。言われてみれば分かるほどの小さな物だが、確かに新しいように感じた。

 家の塗装は綺麗で黒ずみのような物は少なく、木の看板も雨風に長年さらされたような年季は感じさせない。


「確かに新しい気はしますね」

「できて数年と言った所でしょうか?」

「つまりここは王都じゃないってことよね」


 王城にも似た城もあるが、よく見れば少しずつ形が違う。


「まずはキールさんと合流しませんか? 魔王の魔法ならキールさんが詳しいはずですし」

「そうね、ならキールさんを探しがてら町を散策してみましょう。何かここの情報が手に入るかもしれないわ」


 方針を決めた三人は、とりあえず人の流れに従って歩き出す。それに合わせて通行人も三人を避けるように移動する。非常に移動しやすいのだが、何か避けられている気がしてあまりいい気分はしなかった。

 そして軒先に並んでいる商品や、通貨の種類、言葉や文字などを調べていく。

 通貨は別の物が使われていた。シルビアやトモネはそれがどこの通貨なのかは分からなかったが、カズマはその通貨が何かを知っていた。


「これはずいぶん昔の通貨ですね。それこそ数千年前の物ですよ。私の祖母が持っていたので分かります」

「と、言うことは、ここはかなりの昔の世界ってことね」

「この通貨ってどのあたりで使われていたんですか?」

「確か今の王都とほぼ同じ場所だったと思います」

「なら場所的には今の王都の過去。数千年前の世界ってこと?」

「そうなりますね」


 文字や言葉も同じく数千年前の物が使われているようで、シルビアとトモネでは何を言っているのか全く分からない。

 もしカズマがいなければ、見知らぬ町で完全に迷子になっていただろう。


「キールさんはどこかしら?」

「正直キールさんの行動は予想できませんからね」

「難しいです」


 キールの行動など、三人が予想できるはずも無く、そもそも土地勘のないこの場所では、キールが行きそうな場所すら分からない。


「とりあえず教会に行ってみましょうか? キールさんも僧侶ですし、そこにいる可能性はゼロではありませんし」

「そうね。幸いこの町にはかなり目立つ教会もあるみたいだし」


 シルビアの視線の先。そこには城とまでは行かない物の、かなり大きな白亜の建物が立っている。

 何本もの塔が立ち並ぶその先端には、フィロ教を示す飾りが掛けられていた。


「当時はフィロ教もかなり立場的に強かったようですからね」


 カズマの歴史授業を聞きながら、その教会へと近づけば、その大きさがよりはっきりと分かる。

 周囲からは完全に隔絶された高い壁。それは数百メートルにも及び、入口の門は広く大きい。

 常駐の騎士が警備しているのか、数千年前とは思えないほどしっかりした鎧を身にまとった兵士達が門の前に立っている。

 しかし、出入り自体は自由なのか門は開かれており、平民も分け隔てなくその門へと吸い込まれていく。

 門を潜れば、その先に続いているのは広大な庭。綺麗に剪定された芝が広がり、花壇には色鮮やかな花が咲き誇っている。

 奥には巨大なホールにも似た建物が立っており、人々は皆そこに向かって行った。

 シルビアたちがその後に続けば、そこは礼拝堂のような場所だった。

 ホール型の天井には一面に神話もモチーフにした絵が描かれ、奥には聖母ホーライトの像が金色に輝いている。

 ホールの中に入った人々は皆、深々とホーライトの像にお辞儀をして、像の足元にある灰を一つまみ自分の頭に掛けると、流れるように外へと出て行った。

 それは昔から伝わっている礼拝の仕方そのままだ。

 シルビアたちはその様子を尻目に、キールの姿を探す。しかしここにはいないようだ。


「いませんね」


 少しだけ期待していたトモネの耳がシュンと垂れる。


「まあ、キールさんが熱心に礼拝しててもなんか違和感あるけどね。それよりもキールさんがいそうな場所と言えばあっちじゃないかしら?」


 ホールから出たシルビアが指差したのは、高大な庭の隅にある一本の塔。そこは木の扉で閉ざされており、他の場所とはどことなく雰囲気が違う。

 近づいてみれば、扉には立ち入り禁止と書かれているのをカズマが見つけた。


「確かに居そうですね」

「行ってみましょう。幸い私たちは誰からも見えてないみたいだし」


 侵入するのに躊躇う要素は無かった。

 シルビアがゆっくりと扉に向かって手を付き出す。その手は扉をすりぬけて奥へと消えて行った。そして順番に肩、体、頭、足と扉の中へとすり抜けて行った。

 これは露店を回りながら調べた時に気付いたものだ。この世界にものにシルビアたちは触れることが出来ない。そして壁や人も通り過ぎてしまうのだ。

 中は暗く、蝋燭の一本も無い。そもそも蝋燭を建てるための台すらない。

 ただ螺旋階段が設置されているだけだった。

 しかしその螺旋階段は下へと続いている。上はただ空洞が広がっているのみだ。


「なんだか胡散臭さしかしないわね」

「塔のように見せかけた地下ですか」

「隠し事してますって感じですね」


 それぞれの感想を述べた後に、シルビアを先頭にして螺旋階段を下っていく。

 だいたい二階分ほど降りた頃、木の扉が見えてきた。その奥からは僅かに明かりと人の声が漏れている。

 三人が近寄って耳を済ませれば、会話がはっきりと聞こえてきた。


「完成度はどれぐらいだ?」

「理論上は完成している。後は素体次第と言った所だな」

「なら実験は俺が受ける」

「お前がか?」

「俺以外に誰がいる? 上の連中なぞ、ただの老いぼれだろ。あいつらにこれを使った所で耐えられないだけだ」

「まあそうなんだが……だが人類としてはお前を失うのはかなりの痛手になる」


 会話を聞いていても、何のことだかは良く分からない。しかし実験や上の連中などと言っていることから、上には極秘で何かをやっているのだろう。それも、人体実験のような事をしている可能性が高い。


「どう思う?」

「かなりマズイことをしているのは確かでしょうね。と言うより、私たちの今の状況を考えると、一つしか浮かんでこないんですが……」

「そうよね……」

「え? え、何ですか?」


 一人だけ分からず首をかしげるトモネに、シルビアは一つため息をついて説明する。



「私たちは魔王の魔法でここに飛ばされてきたのよ。それで魔王はなんて言ってた? キールさんの過去をばらすとか言ってたでしょ? そして自分のことを時の魔王だって。なら考えられるのはただ一つ。ここは過去の世界で、この奥で言ってる実験って言うのは、魔王システムのことなんじゃないかってことよ」

「そ、そんな!? ならすぐに止めないと!」


 トモネが慌てて飛び出そうとするが、シルビアが呆れながらそれを止める。


「何言ってるのよ。ここは過去よ。それに私たちは干渉できないでしょ?」


 先ほどの扉のように、シルビアたちの体はこの世界の物をことごとく通り抜けてしまう。そこから予想されるものは、この世界が実物では無く虚像であるということ。

 ここはただ過去の映像を流しているだけで、実際にシルビアたちが過去に来ている訳ではないのだ。だからシルビアたちが過去に干渉することはできず、過去もシルビアたちに干渉することはできない。

 ただ、過去の出来事を見せられているだけなのだ。

 未来人が扉の向こう側で聞き耳を立てているとも知らず、中の男たちは会話を続ける。


「これ以上国が分裂すれば、間違いなく戦争が起こる。そうなれば、真っ先に死ぬのは平民だ」

「分かっている。だが、お前が実験台になる必要はないだろ」

「俺でなければ耐えられない。システムに組み込んだ選定も最低で数百年はかかるんだ。それでは間に合わない」

「…………わかった」

「理解に感謝する」


男たちが会話を辞めると、今度は足音が聞こえた。それは遠くへと消えていく。

シルビアたちはその後を追って扉を抜け奥へと進む。そこには巨大な魔法陣が輝く部屋があった。


「凄い部屋ね」

「濃密な魔力で満ちていますね。ここで犬でも飼えばケルベロスが生まれますよ」

「私魔力で酔いそうです……」


シルビアたちが部屋の中の様子を伺うと、そこに男たちはいた。

一人は魔法陣の中心に立つカソックの男。もう一人は魔法陣から外れたところにいる同じくカソックの男だった。


「あれってもしかしてキールさん?」

「もしかしなくてもそうでしょうね」


 魔法陣の中央にいるカソックの男、その男は特徴的な短髪の金髪だった。見た目は今とさほど変わっているようには見えないが、どことなく今より若い気がする。


「始めるぞ、キール」

「頼む」


 魔法陣の外にいる男がそう言うと、詠唱を開始する。その詠唱に反応して魔法陣の輝きが増し、キールを包み込んだ。

 部屋に満ちていた魔力が渦巻き魔法陣へと吸い込まれていく。魔力の流れは魔法陣を伝いながら中心へと進み、最終的にはキールの中へと流れ込んでいた。


「くっ……」


 尋常ならざる魔力の量に、キールがその場に膝をついた。それを見て詠唱を辞めようとした男に、キールは手の平を突きだし続けるように促す。

 男は辛そうにしながらも詠唱を続けた。

 次第に光は収まり、キールの姿がはっきりと分かるようになる。

 カソックはボロボロに破れ、血涙を流し、きつく噛みしめた唇からも、血が流れている。


「キール大丈夫か?」

「ああ……」


 キールは自分の手を握ったり開いたりしながら男の問いに頷く。

 いつの間にか切れていた唇の傷は消え、血の跡はなくなっていた。


「本当に大丈夫か?」

「大丈夫だ。この力なら滅ぼせる」

「おい、何を言って――!?」


 様子のおかしいキールに、男は魔法陣の中へと足を踏み入れキールの肩を掴み振り向かせる。そして息を飲んだ。

 キールの目が真っ赤に輝いていたのだ。そしてその視線は男を見てはいない。


「では始めよう」

「おいキー…………」


 言葉の続きは無かった。

 キールの振るった腕が、一瞬にして男の首を飛ばしその場に転がしたのだ。


「人間を滅ぼす。それが俺の使命」


 そう言ってキールは頭上へと右手を掲げる。


「焦土を生み出し、世界を嗤え。灼熱の落星(スコーチド・メテオ)


 キールが詠唱を唱えてしばらく、静かな空間に突然爆音が轟き、巨大な地震が襲い掛かって来た。

 その揺れで、地下の壁が崩落を始める。それを見たシルビアたちは、急いで地表までの道を戻る。


「何が起きたの!?」

「おそらくあのキールさんの魔法でしょうが……」

「嫌な予感がするわ。外に急ぎましょう」


 階段を全力で駆け上がっていく。すると突然塔の中に光が差し込んできた。


「なに!? どういうこと!?」

「塔が無くなってる!?」

「いつのまに」

「とにかく外に出るわよ!」


 階段を上ったところで、空が見えた。そして次に各所から立ち上る黒煙。シルビアたちが完全に外に出た時見た光景は、先ほどまでの綺麗な街並みとはうって変わって何もない光景だった。

 ただ土がむき出しになった地面が続き、ごく稀に家だったものの土台だけが残っている。

 大勢いたはずの人々はどこにも見つからず、遠くからうめき声のような物が聞こえるだけだ。


「嘘……」

「まさかこれをキールさんが……?」


 眼前に広がる光景に呆然とする。今まで理不尽な行動を色々と行ってきたキールだが、人道に反するようなことは、理由が無い限りすることは無かった。

 しかし、今目の前の光景は確実にそれに反する。それ以前に、これをキールが起こしたとなれば、無差別大量殺人というレベルでは足りないものである。

 これは国落としだ。

 一国の王都を一瞬にして土に返した。これを国落としと言わないで何と言えばいいのだろうか。

 三人がただ立ちすくんでいると、後ろからゆっくりとした足取りでキールが現れる。その瞳はなおも真っ赤に染まっていた。

 そしてシルビアたち視界がぼやけ始める。突然起こったその出来事に何事かと身構えるが、次第に周囲の風景が崩れ暗闇へと形を変えて行ったところで、サタンの魔法が終わったのだと判断する。

 風景が完全に暗闇に変わると、サタンの声が聞こえた。


「どうじゃった? 最初の魔王が成した、歴代魔王の中でも最悪の所業の様子は」

「こんなの嘘に決まってるわ」

「現実に起こったことじゃよ。我は時の魔王。過去は見せられても、偽物を見せることはできんからの」

「そんな……」

「さて、そろそろ戻してやろう」


 ゆっくりと風景が戻っていく。暗闇はやがて土煙へと変わり、土煙は晴れていつものキールが姿を現した。


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