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僧侶は勇者を恫喝し、魔王を従える  作者: 凜乃 初
アフターストーリー
56/74

プロローグ

世界に再び魔王の脅威が迫る。


プロローグなので短いです。

 魔王の脅威が去ってから二年の月日が経った。

 しかし、魔獣の脅威が去った訳では無い。エース、シルビア、トモネの三人は今も魔獣、魔物と戦い続けていた。

 だが、年月の中で変わってきたものもある。

 エースは現在、勇者の肩書きを捨て、一介の騎士として働いていた。魔王討伐の報酬として手に入れた莫大な資金を利用し、城下町に一軒家を買い、そこでかつて信託の巫女として名をはせたマリアと共に暮らしているのだ。

 エースは魔獣の暴走が収束してくると、国の重鎮たちの目の前でマリアに告白した。

 その告白は、マリアが待ち望んだものだった。そしてすぐさま二人は入籍。城を出て二人で暮らし始めたのだ。

 そして今二人の間には、何物にも代えがたい愛の結晶がいる。

 一年前に生まれ、エリアと名付けられた赤子は、二人の愛を受けながら今もすくすくと育っている。


 シルビアは魔王の討伐以降も騎士を貫いていた。そして貫きすぎた故に、現在総騎士団長という、国で最高の騎士の地位にまで登りつめてしまった。

 就任当初は、女性が総騎士団長などと、甘く見られたことも多々あったが、それはシルビア自身が全て払拭した。

 大々的に自分への挑戦を許可し、そのすべての戦いにおいて、圧倒的力を見せ屈服させたのだ。

 それだけならシルビアへの感情には不満が残ったかもしれない。しかしそうはならなかった。

 それはシルビアの事務作業の能力によるところが大きい。

 歴代の総騎士団長というものは、その全員が脳筋と言っていいほど剣一筋だったのだ。そのため事務作業が全くはかどらず、側近にその作業が多く回されていた。

 しかし、孤児院で育ち、孤児院の年長として経理を扱っていたこともあるシルビアには、事務処理はそこまで難しいモノでは無かったのだ。

 シルビアの就任以降、事務作業の量が格段に減った側近の部下たちは、シルビアの総騎士団長就任を快く迎え入れた。

 騎士団上層部がシルビアを受け入れたことで、それはその部下、またその部下へと伝播し、結果的にシルビアは誰もが望む総騎士団長としての地位を確立したのだ。


 トモネも正式に騎士団に所属し、魔物退治のプロフェッショナルとして活躍していた。

 トモネの役職名は、対魔専門騎士団隊長である。これは二年前、魔獣や魔物たちが魔王から解放され好き勝手暴れた際に作られたエース、シルビア、トモネをリーダーとした騎士団の後継に当たる。

 魔獣や魔物たちの暴走がひと段落し、収束に向かう中、エースとシルビアがそれぞれの道を歩み始めたことで、リーダーを失った部隊は自然と解散となった。

 しかし、収束に向かったとはいえゼロになった訳では無い。そこで女王が対魔獣魔物専門部隊として、その騎士たちの中から選りすぐりの者たちを専門の部隊として作り直したのだ。

 その際に、トモネはその団長としてスカウトされた。

 将来のことを特に決めていなかったトモネはそれを快く承諾、現在に至る。

 正式に騎士団の所属となったことで、今までは宿暮らしだったトモネも、部屋を一つ買い、気ままな一人暮らしライフを送っている。


 三人は、それぞれの道に進みながらも、残りの仲間たち、キール、サーニャ、カズマの情報を同時に探していた。

 しかし、三人の足取りは一向につかめず、結局二年の月日が経ってしまっている。

 三人の感情にも、少しずつ諦めの感情が芽生え始めていたのは、誰も責めることは出来ない事であろう。


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