聖拳部へようこそ(◎´∀`)ノ.。.:*②
「舞維!」
部室に入って来た女の子の事を僕はよく知っている。世界中で母親の次によく知る“女性”が彼女だった。
「斗真君今日から学校来てたんだね。退院できてよかった。もう、私にくらい教えてくれてもよかったんじゃない!?」
「ごめん、ごめん。別に隠してた訳じゃないんだけど。いろいろ心配かけたしなんか言い出しにくくて。」
「そんな気遣わなくていいのに。それよりここにいるって事は部活やろうとしてるでしょ!?退院初日なんだから無茶しないで今日は一緒に帰ろ♪」
「そうだな。今日は特に依頼もないし…」
鞄を手にした時、既に殺気には気づいていた。強引にそれを無視して部室の扉に手がかかろうとしたその時、殺気は言葉となって僕の背中に突き刺さる。
「帰っちゃダメ。」
女の子にこんなセリフを言われて帰る男子なんているもんか!だが勘違いしてはいけない。
甘~い感じで、上目使いで呟く“帰っちゃダメ”ではもちろんないのだ。もしそうならこんなに首を後ろに回すのが嫌なもんか。
「ちょっと!!さっきから私を無視してどういうつもり!!まだ依頼の事話ついてないんだけど!!」
どうやってこの場を切り抜けようか。うまく彼女をかわす魔法の言葉は出てこない。そんな中、
「あーーーっ!白石さん?白石咲菜さんだよね?」
以外にも僕より先に口を開いたのは舞維の方だった。