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三年目のアイラブユー

作者: 昼月キオリ
掲載日:2026/08/10



居酒屋。

高校の頃の友人達との呑み会。


友人A「彼女34だろ?ちゃんと女として見れてんの?」

友人B「ユウマ浮気もせずだもんな。すげーよ。」


ユウマ「むっ、バリバリ見てるよ。」


友人B「俺なんか同い年だけど2年目あたりからレスになったぞ。」


友人A「俺もだよ、三個下だけど、結婚して子どもできたらお互いそういう雰囲気じゃなくなってさ。」


ユウマ「大変だな。」


てか、それじゃ歳関係ないじゃん。


友人B「あー!人ごとだと思って!!」


友人A「ユウマの彼女、最初はファンになって付き合ったみたいだけどさ。さすがに三年経った今は冷められてきてんじゃねーの?」


ユウマ「俺もそう思ってた。」


友人B「ってた?」





三年前。

ユウマは海の近くのカフェでバイトをしていた。

その時、大ファンなのでサインを下さいとハルさんに言われた。

ハルさんは一年前からここに通ってくれている常連だった。


前にハルさんが名刺を落とした時、名前が見えてそこからお互いに名前を教え合った。


その時はサインを書いて渡しただけだった。

ファンって言われたことにも驚いたけど、

額縁に入れて飾ります!って言われて面白い人だと思った。


「ハルさん、俺のことどう思ってるんですか?」


ある日の会計の時、周りに人がいなかったので思い切って聞いてみることにした。


ハルさんは俺と話す時、顔がいつも赤い。

あんまり目を合わせようとしてくれない。


「大好きです!」


「いや、それは知ってるんですけど・・・どういう意味の好きなのかなって。」


「世界で一番好きです!」


「それは、ファンとして?恋愛として?」


「えと・・・会えないと寂しいとか、会えると元気もらえるとか。そういうのです。」


「ハルさん、結婚とか恋人は?」


「いないですよ、いたらその人のことしか見えなくなるんでファンとしてでもあんな風に声かけたりしないです。」


「ハルさん、これ電話番号です。」


ユウマが紙切れを渡す。


「え?」


「今夜・・・9時頃電話して下さい。」


「で、でも・・・。」


「絶対ですよ?」


じっと目を見る。今度は逸らしてあげない。


「は、はい。」


その電話から二人の仲は急速に進展した。


ハルさんは年齢のことを気にしていたし、

体が弱いこともあって恋愛や結婚は諦めていた為、最初は断わろうとしているみたいだった。

でも。


「まさか、その気にさせて振るなんて酷なことしないですよね?」

と圧をあけて付き合うことになった。


俺も結婚願望はなかったので、

子どもは持たないで、猫みたいにゆっくり生きようという約束で一緒になった。

お互いゴロゴロするのが好きだったから。


でも、なんというか温度差がある気がする。

俺の方が好き、みたいな。






数週間前。

付き合って三年目。二人が済むアパート。


紅茶を入れるハル。

ソファに座っているユウマ。


ユウマ(27)「ねぇ、三年目だね。」


ハル(34)「うん。」


「最近どうですか。」


「何がー??」


「俺のことまだ好き?」


「好きだよ。」


「ふーん・・・。」


「ユウマは私に冷めちゃった?」


寂しそうに言うハルを不安にさせないようにすぐに返事を返す。


「そうじゃなくて。ハルから好きになってもらって付き合い始めたから。

恋の期限は三年って言うじゃん。」


「え?むしろ加速していってますが?」


「え?そうなの!?」


「今までは気を使って押さえてたの。」


「そんなことしなくていいのに。」


「だって・・・好き好きって言うと男の人は冷めやすいって聞いたから。」


「俺と他の男一緒にしないでよ。」


「じゃあ、ここから本気出すけど本当にいいの?」


「うん。」


ユウマが頷く。


「逆にユウマはどうなの?私に気を遣っていつも真っ直ぐ家に帰って来るじゃない。

体が弱いって言ったって私病気じゃないし、

無理しないように仕事もしてる。だから大丈夫よ。

女の子と全然遊んでないみたいだし、私だけで冷めないの?」


「別に、気を遣って帰って来てるわけじゃない。

ただ、俺がハルがいる場所に早く帰りたいだけ。」


ズッキューン!!!ズッキューン!ズッキューン・・・。(エコー)


「キラキラ禁止!!私を殺す気!?」


「え、なにが。」


「いっつもいっつもさー!可愛いすぎるんだよー!!何やっててもカッコいいし可愛いし嫌がらせか!」


全身を使って駄々っ子のように愛情を表現するハルにユウマが返す。


「訳がわからないんだけど。普通にしてるだけだよ。」


「だからこれ以上キラキラしちゃダメなの!」


手をもぎゅもぎゅさせている彼女に笑いそうになるのを堪える。


ほんと、面白いな。


「大好きなのは伝わったからこっちおいで。」


ソファに座っているユウマが手招きをする。


すすすっと隣に座るとユウマが頭をハルの肩に預けてきた。

頭を撫でてみるとぐりぐり肩に押し付けてくる。


はーーーーあ・・・・しんど。


次の日。

帰って来た瞬間抱き付いて猫吸いならぬ彼氏吸いをされた。

汗くさいから恥ずかしいって言ったら、

本気出していいって言ったって拗ねた。


これじゃどっちが歳下か分からない。


「ユウマ。」


「ん?」


パッとハルが顔を上げる。


「一緒にいてくれてありがとう!」


「こちらこそ。」


ユウマが優しく微笑む。


でも、まぁ、いいか。可愛いから。




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