転生先で今まで見た事のない展開が待ち受けていた件
掲載日:2026/02/22
「――よし、きた! トラックに跳ねられた感覚、白い部屋、神様っぽい声……。間違いない、これは転生だ!」
暗闇の中で、男は勝利を確信した。
次はどんなチート能力で無双してやろうか。聖騎士か? 賢者か? それとも王族か?
ワクワクが止まらない。新しい人生の幕開けだ!
「さて、ここはどこだ? 豪華なゆりかごの中か、それとも――」
期待に胸を膨らませ、大きく空気を吸い込もうとした。
「…………ッ!?」
吸い込めたのは、肺が焼けるような、重苦しく冷たい泥の塊だった。
目も開かない。指先一つ動かせない。
全身を襲うのは、何トンもの「土」の圧力。
(んっ……息が、できない……っ!?)
もがこうとしたが、そこには隙間一つなかった。
男が転生したのは、豪華な城でも、豊かな草原でもない。
――地中、深さ2メートル。
「…………」
新しい世界の太陽を見ることも、チート能力の名前を叫ぶこともなく。
伝説になるはずだった男は、転生と同時に「二度目の死」を迎えた。
【 完 】




