『未知』1桁 危険度下 安定感+46〜−3 「アドバンセドノーシング」
記録右_登録番号1337_記録番号1853_解明団記録部広報許可有_その他情報 丸 有 3_今回は皆さん“がんばって”想像してください
記録・登録者 笹好き 編集者 崖勇気
その空は雲が多かった。時々日が差すと思えば、すぐに消える。そんな日に見つけた。変な花を。
――/―/20
僕は普通の街に住んでいる。都心からは離れているが、それなりのインフラが揃っている。僕はいつも通りの道を歩いていたら、『未知』を見つけた。
『未知』というのは、ネットの都市伝説的存在だ。今から8年前に現れたという。マイナーな方だが、僕は知っていた。
そして、その特徴に一致するのではないかという花が、今目の前にある。
ここは大通りだ。管理しているのは市とかだと思うが、その低木が植っているところに、ひっそりと、だがしかし堂々と咲いていた。
まずはっきりと言わせてもらおう。信じてくれ。なぜなら、本当に不思議なんだ。そして、本当にそれを見たんだ。
なんでこう言うか、ネタバラシをすれば、その花には色が無いんだ。だが見た。なんとここに矛盾が出来ました。すると日が差した。その花の色が見えてきた。
ここで、どんな色かを説明しよう。まず、最初見た時は白に見えた。だけどぼんやりとしていて、薄い青色にも見えた。ただ、次の瞬間には、どんな色とも言いづらい、黄色なのか、緑なのか、形以外は何もわからないような色になった。
世の中全ての色はカラーコードで表せるものかと思っていたが、これは、どう表すのだろうか。色が無いと言ったら白や透明を思うかもしれないが、それもれっきとした色じゃないかと思う。と言うか白は普通に色だ。そして、透明ではない。
それなら何か、全色混ぜた黒やら虹か、それでもない。さぁ、その答えだが、こんな話を聞いたことがある。それは、生き物によって見える色は異なるという。
人は赤、青、緑の三原色で世界を見ているが、カラスとかは、紫外線も含めた四原色の世界が見えるらしい。人でも、色彩を細かく判別できる人だって居る。逆に言えば、盲目の人にしか見えない色もあるだろう。で、この花はそんな感じの、なんかこう、人間の眼には見えない景色から引っ張り出してきた感じの色だ。もしくは、異世界や別次元からでも引っ張って来た、そうでもしないと見えない色だ。
今度は試しに撮ってみた。だが、写真には映らなかった。普通の緑のようだ。カメラのレンズでは捉えられないのだろう。また空が曇ってきた。すると、色が分からなくなった。緑にも見えるが、青っぽい黒のようにも見える。どうやら、日の光が照らしていたから見えていたらしい。
さぁ、そもそもなぜ僕に見えるのか。自分の見える色に違和感なんて無い、とにかく一般的な目だ。頭もいつも通りだ。たぶん、この花が異常なのだろう。
今一度観察してみた。やはりよく分からん。ケータイのライトで照らしてみると、またさっきとは違う色に見えた。さっきの色が明るいのなら、これは暗い色だ。そして今度は、日光と同時に照らしてみた。また少し色が変わった。今度は明るさすらもわからない。全く訳わかんない花だ。やはりそれこそ『未知』なのではないかと思う。
なんだかんだで、結論をつけた。この花には、色が無いと。さっきまであると言っていたが、これはおそらく不確定ということだ。にしても、まさか色が無いとは。どうやって育ったのかなど、検討もつかないが、この花には色が無い。今日はそれがわかった。明日もここに咲いてるかはわからないが、一つ解明できた。これだけで十分だろう。そう思い、そこを去っていった。足元は日に照らされ、ちゃんと見えていた。
記録以上
笹さんよく書けましたね。by崖勇気




