ふしぎなブラシ
みくちゃんは、朝、鏡の前でがっくりしていました。
髪の毛が、寝癖であっちこっちにはねまわっているからです。
「今日も、はねてる! ブラシでとかしても全然直らないし。また、やすくんにバカにされるわ〜。いやだなぁ」
ランドセルを背負って、とぼとぼ通学路を歩いていると、めがねのおばあちゃんがやってきました。
「元気ないわね。このブラシをあげるよ」
「えっ、ブラシ? ありがとう」
学校についたみくちゃんは、急いでトイレに行くと、鏡の前に立ちました。
めがねのおばあちゃんにもらったブラシで髪をとかしてみます。
すると、どうでしょう。
あんなにはねまわっていた髪の毛が、まっすぐなストレートヘアになりました。
そして、つやつや光って、天使の輪ができています。
「わぁ、すごい!」
みくちゃんは、るんるんして教室に入りました。
みくちゃんをみて、みんな、びっくり。
「みくちゃん、すごくかわいいよ」
「髪の毛、さらさらだね」
やすくんも、
「今日、どうしたんだ?」
と、ふしぎそう。
みくちゃんは、
(めがねのおばあちゃんって、どこから来たのかな?)
と思いました。
(また会ったら、お礼を言わなくちゃ)
みくちゃんは、うふふと笑って、朝の会の準備をしています。